- ショタ
- 家出
- モノローグ
公開日2022年03月16日 18:00
更新日2022年03月16日 17:22
文字数
3194文字(約 10分39秒)
推奨音声形式
指定なし
推奨演者性別
指定なし
演者人数
1 人
演者役柄
ショタ
視聴者役柄
失恋女子
場所
女宅
あらすじ
本編
全部、ボクのせいです。
ただ、寂しそうなお姉さんの顔を見て、満たしてあげたいと思ってしまった、自分の幼さもよくわかってないボクが出過ぎた真似をしただけ。
こんなボクのこと、早く忘れてください。
こんな夜なんて、最初から存在してなかったかのように。
あの道端には誰も立ち尽くしていなかったかのように。
ありがとうございました。
お姉さんのおかげで、自分がどんな人間なのか、よくわかった気がします。
はい、こんな時間ですが、ボクはもう出て行こうかと……
(女、少年の手を取る)
え……?
お、お姉、さん……?
それって、ボクのことを引き留めてるんですか?
どうして、こんなボクを……
い、いえ、そんな、ボクのことを知りたいだなんて……
ダメです。
こんな穢れだけが立派に成長してしまったような子供のこと、興味を持っても猫を殺すだけですよ?
それでも……ですか。
はぁ……この様子じゃ、去るだけお姉さんを寂しくさせるだけみたいですね……
お姉さんのこと、傷付けてしまったと誤解してました。
ボクなんかでよければ、まだお姉さんのお相手してあげます。
というより、本当にボクなんかでいいんですか?
そうですか。
……そう言ってくれると、嬉しいものです。
一つ、聞かせてください。
お姉さんは今、幸せですか?
……そうですか、なら、よかったです。
ボクの独り善がりなんかではなかったんですね。
わからないですよ。
こんなことしておきながら、女性のことなんてまるでわかりません。
よくわかるのは、男のどうしようもなさだけです。
え? ボク、拗れてますか?
でも、そうですよね。
家出して、結果こんなことをするようなボクが健全だなんて、最初から思ってませんよ。
それでも、お姉さんが幸せならばいいんです。
もう、戻れなくなるくらい今夜でボクは男に染まってしまった気がしますが、それでもお姉さんを幸せに出来たのなら。
……ダメ?
ダメって、一体どういうことです?
ふふっ、ボクも幸せにならないとダメだなんて、お姉さんは優しい人なんですね。
だから、ボクはお姉さんに惹かれてしまったんでしょうね。
お姉さん、好きです。
……ちょっと、ボクがお姉さんの方を向くまで、ボクの顔、覗かないでくれますか?
(少年、女から顔を隠し、泣く)
……ぅぅ。
……っ。
(女、少年の顔を覗く)
(涙声)
……って、お姉さん、見ないでって言ったじゃないですかぁっ!
い、いえ、そりゃあ声出して泣いてるんですから、隠せてないんですけど……
(いじける)
男のプライドというものをお姉さんは理解してください。
ボクにだって、あるんですから。
え、どうかしたんですか?
ボクに聞きたいことだなんて。
お姉さんは不思議なことを聞きますね。
今まで、何を守ってきたのか、だなんて。
じゃあボクは……母、とでも答えましょうか。
決して、守れてなんかいないですけど……
えへへ、そんなこと言ってしまったら気になりますよね。
本当はお姉さんに身の上を明かすつもりはなかったんですが、わがままのつもりで話させてください。
ボクは今まで、母と二人で暮らしていました。
父親は幼い時に家のほとんどの財産と一緒に消えました。
だから、母はボクのためにと昼も夜も働いていました。
その頃身体の強くなかったボクはよく体調を崩し、その度に母は仕事を休んでボクの看病をしてくれました。
ですが、そのせいで職場から疎まれ、結果的に母は仕事を辞めることになったんです。
当然、ボクと自分のためにお金が必要な母は、必死で代わりの仕事を探しましたが、見つからず。
母はその容姿を使って、身体を売ることにしたんです。
これが、子を守る親の覚悟というものなんでしょうか。
幼いながらにそんな母を不憫に思い、されどどうすることも出来ないこの身の無力さを感じていました。
稼ぎの心許ない中、ボクを一人にもできない母はきっと壊れていたんです。
ある時を境に、母はほぼ毎晩男性と一緒に帰ってきては朝まで相手をしてお金を受け取るようになっていました。
一部屋の家ではボクの見えない場所で……なんてことも出来ず、これがボクのために母がしている事なんだと無心で眺めていました。
それが当たり前になったことを、その時は事のおかしさも十分には理解していなかったので何とも思っていませんでしたが、数年経ったある朝、男を見送った母が涙を流していたのを見たんです。
「これしかないのよ」と、心細そうに呟く母を、現状を打破することなんてできない自分へのもどかしさで呆然と立ち尽くし眺めることしか出来ませんでした。
決して、その覚悟は強さのもとには立っていなかったのです。
その日から、ボクは母のために何ができるかばかりを考えるようになっていたんです。
何よりも、母がここまで必死になるのはボクのためだということはわかっていました。
それなのに、ボクはただその想いを受けるだけで、何の役にも立てていないことが心地悪かったんです。
少なくとも、母に身体を犠牲にするように男の相手をすることは、あの涙を見た以上、辞めさせたかったんです。
数日前のこと、ボクは母に、「ちゃんとした仕事、見つからないの?」と聞きました。
母は、「ボクには私が必要でしょ」と優しく答えたんです。
ボクは母の顔を見ながら、何も言えなくなりました。
そして、つまりはボクさえいなければ母はこんな醜い男たちに身体を売ることもなくなると。
そう考えるようになりました。
それが正しいかはともかく、母のためになると思えば決断は早かったです。
昨日、紙切れに「さようなら、幸せになってね」と書いて家を出ました。
自分の行く先なんてものは考えていなかったので、ただ街を漠然と歩いていたんです。
寝床も、食べる物も、何もないけれど、母がこれで幸せになれるのならそれでいいと。
そんなことを考えてあてもなく歩いているうちに暗くなって、お姉さんに声を掛けられたのがつい昨夜のこと。
これで、納得しました?
い、いえ……ボクはこれでいいんです。
心配なのは母の方ですから。
真っ当に生きていく姿を見ない限りは、ボクが母のためになれたなんて思えませんから。
……ダメ?
そ、そう、なんですか?
でも、そう言われてみれば、母はボクがいたからこそ、頑張って来れたのかもしれませんね……
あははっ、どこまでもダメな子供なんですね、ボク。
それで家出した夜の間にお姉さんといけないことになって。
あれほど男のことを憎んでるのに、自分だってそういう男なんです。
いえ、今だけは慰めなんて通用しません。
お姉さんの言いたいことを否定するつもりはないですが、間違っていたことには変わりな……
(女、少年を押し倒す)
お、お姉さん?
わ、わかりましたから!
お姉さんの言う通り、ボクがお姉さんの心を満たしたことは認めますから!
ふぅ……こんな精神状態でどう抱かれればいいんですか……
また、明日にでもボクはお姉さんのためなら何だってしますから。
約束?
何をですか?
そうですよね。
やっぱり、帰らないとダメですよね。
母のためにも。
ですが、これからどうすれば……
お、お姉さん?
そんな、ボクはお姉さんに助けを求めたわけじゃないんですから。
金銭的な援助だとか、そんな、申し訳ないです。
あ、いや、話してしまったら同じですよね。
本当にごめんなさい。
ボクのためだとか、深入りを許したばかりに、責任抱かせてしまいましたね……
え、ボク?
あ、いえ、それは男が女性を幸せにするのは使命だっていうだけで、当然のことなんです。
……使命のお返し、ですか。
優しいのか、強引なのか、お姉さんはまるでよくわかりません。
ですが、それが母のため、そしてお姉さんのためなんだと言われたら断れませんよ。
お姉さん?
一度そうやって救いの手を差し伸べてしまったら、手を引くのは裏切りになりますからね?
それでもいいんですか?
いや、なんでボクにそのまま聞くんですか。
……ボクは救いの手を差し出したのだと。
お姉さん、隙だらけのようで隙のない人ですね。
わかりました、ずっと愛し続けますから。
では、これも約束ですね。
愛してますよ、お姉さん。
ただ、寂しそうなお姉さんの顔を見て、満たしてあげたいと思ってしまった、自分の幼さもよくわかってないボクが出過ぎた真似をしただけ。
こんなボクのこと、早く忘れてください。
こんな夜なんて、最初から存在してなかったかのように。
あの道端には誰も立ち尽くしていなかったかのように。
ありがとうございました。
お姉さんのおかげで、自分がどんな人間なのか、よくわかった気がします。
はい、こんな時間ですが、ボクはもう出て行こうかと……
(女、少年の手を取る)
え……?
お、お姉、さん……?
それって、ボクのことを引き留めてるんですか?
どうして、こんなボクを……
い、いえ、そんな、ボクのことを知りたいだなんて……
ダメです。
こんな穢れだけが立派に成長してしまったような子供のこと、興味を持っても猫を殺すだけですよ?
それでも……ですか。
はぁ……この様子じゃ、去るだけお姉さんを寂しくさせるだけみたいですね……
お姉さんのこと、傷付けてしまったと誤解してました。
ボクなんかでよければ、まだお姉さんのお相手してあげます。
というより、本当にボクなんかでいいんですか?
そうですか。
……そう言ってくれると、嬉しいものです。
一つ、聞かせてください。
お姉さんは今、幸せですか?
……そうですか、なら、よかったです。
ボクの独り善がりなんかではなかったんですね。
わからないですよ。
こんなことしておきながら、女性のことなんてまるでわかりません。
よくわかるのは、男のどうしようもなさだけです。
え? ボク、拗れてますか?
でも、そうですよね。
家出して、結果こんなことをするようなボクが健全だなんて、最初から思ってませんよ。
それでも、お姉さんが幸せならばいいんです。
もう、戻れなくなるくらい今夜でボクは男に染まってしまった気がしますが、それでもお姉さんを幸せに出来たのなら。
……ダメ?
ダメって、一体どういうことです?
ふふっ、ボクも幸せにならないとダメだなんて、お姉さんは優しい人なんですね。
だから、ボクはお姉さんに惹かれてしまったんでしょうね。
お姉さん、好きです。
……ちょっと、ボクがお姉さんの方を向くまで、ボクの顔、覗かないでくれますか?
(少年、女から顔を隠し、泣く)
……ぅぅ。
……っ。
(女、少年の顔を覗く)
(涙声)
……って、お姉さん、見ないでって言ったじゃないですかぁっ!
い、いえ、そりゃあ声出して泣いてるんですから、隠せてないんですけど……
(いじける)
男のプライドというものをお姉さんは理解してください。
ボクにだって、あるんですから。
え、どうかしたんですか?
ボクに聞きたいことだなんて。
お姉さんは不思議なことを聞きますね。
今まで、何を守ってきたのか、だなんて。
じゃあボクは……母、とでも答えましょうか。
決して、守れてなんかいないですけど……
えへへ、そんなこと言ってしまったら気になりますよね。
本当はお姉さんに身の上を明かすつもりはなかったんですが、わがままのつもりで話させてください。
ボクは今まで、母と二人で暮らしていました。
父親は幼い時に家のほとんどの財産と一緒に消えました。
だから、母はボクのためにと昼も夜も働いていました。
その頃身体の強くなかったボクはよく体調を崩し、その度に母は仕事を休んでボクの看病をしてくれました。
ですが、そのせいで職場から疎まれ、結果的に母は仕事を辞めることになったんです。
当然、ボクと自分のためにお金が必要な母は、必死で代わりの仕事を探しましたが、見つからず。
母はその容姿を使って、身体を売ることにしたんです。
これが、子を守る親の覚悟というものなんでしょうか。
幼いながらにそんな母を不憫に思い、されどどうすることも出来ないこの身の無力さを感じていました。
稼ぎの心許ない中、ボクを一人にもできない母はきっと壊れていたんです。
ある時を境に、母はほぼ毎晩男性と一緒に帰ってきては朝まで相手をしてお金を受け取るようになっていました。
一部屋の家ではボクの見えない場所で……なんてことも出来ず、これがボクのために母がしている事なんだと無心で眺めていました。
それが当たり前になったことを、その時は事のおかしさも十分には理解していなかったので何とも思っていませんでしたが、数年経ったある朝、男を見送った母が涙を流していたのを見たんです。
「これしかないのよ」と、心細そうに呟く母を、現状を打破することなんてできない自分へのもどかしさで呆然と立ち尽くし眺めることしか出来ませんでした。
決して、その覚悟は強さのもとには立っていなかったのです。
その日から、ボクは母のために何ができるかばかりを考えるようになっていたんです。
何よりも、母がここまで必死になるのはボクのためだということはわかっていました。
それなのに、ボクはただその想いを受けるだけで、何の役にも立てていないことが心地悪かったんです。
少なくとも、母に身体を犠牲にするように男の相手をすることは、あの涙を見た以上、辞めさせたかったんです。
数日前のこと、ボクは母に、「ちゃんとした仕事、見つからないの?」と聞きました。
母は、「ボクには私が必要でしょ」と優しく答えたんです。
ボクは母の顔を見ながら、何も言えなくなりました。
そして、つまりはボクさえいなければ母はこんな醜い男たちに身体を売ることもなくなると。
そう考えるようになりました。
それが正しいかはともかく、母のためになると思えば決断は早かったです。
昨日、紙切れに「さようなら、幸せになってね」と書いて家を出ました。
自分の行く先なんてものは考えていなかったので、ただ街を漠然と歩いていたんです。
寝床も、食べる物も、何もないけれど、母がこれで幸せになれるのならそれでいいと。
そんなことを考えてあてもなく歩いているうちに暗くなって、お姉さんに声を掛けられたのがつい昨夜のこと。
これで、納得しました?
い、いえ……ボクはこれでいいんです。
心配なのは母の方ですから。
真っ当に生きていく姿を見ない限りは、ボクが母のためになれたなんて思えませんから。
……ダメ?
そ、そう、なんですか?
でも、そう言われてみれば、母はボクがいたからこそ、頑張って来れたのかもしれませんね……
あははっ、どこまでもダメな子供なんですね、ボク。
それで家出した夜の間にお姉さんといけないことになって。
あれほど男のことを憎んでるのに、自分だってそういう男なんです。
いえ、今だけは慰めなんて通用しません。
お姉さんの言いたいことを否定するつもりはないですが、間違っていたことには変わりな……
(女、少年を押し倒す)
お、お姉さん?
わ、わかりましたから!
お姉さんの言う通り、ボクがお姉さんの心を満たしたことは認めますから!
ふぅ……こんな精神状態でどう抱かれればいいんですか……
また、明日にでもボクはお姉さんのためなら何だってしますから。
約束?
何をですか?
そうですよね。
やっぱり、帰らないとダメですよね。
母のためにも。
ですが、これからどうすれば……
お、お姉さん?
そんな、ボクはお姉さんに助けを求めたわけじゃないんですから。
金銭的な援助だとか、そんな、申し訳ないです。
あ、いや、話してしまったら同じですよね。
本当にごめんなさい。
ボクのためだとか、深入りを許したばかりに、責任抱かせてしまいましたね……
え、ボク?
あ、いえ、それは男が女性を幸せにするのは使命だっていうだけで、当然のことなんです。
……使命のお返し、ですか。
優しいのか、強引なのか、お姉さんはまるでよくわかりません。
ですが、それが母のため、そしてお姉さんのためなんだと言われたら断れませんよ。
お姉さん?
一度そうやって救いの手を差し伸べてしまったら、手を引くのは裏切りになりますからね?
それでもいいんですか?
いや、なんでボクにそのまま聞くんですか。
……ボクは救いの手を差し出したのだと。
お姉さん、隙だらけのようで隙のない人ですね。
わかりました、ずっと愛し続けますから。
では、これも約束ですね。
愛してますよ、お姉さん。
クレジット
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ヤンデレとか書きます。
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Twitterアカウントは@yorugi_suu以外一切関与しておりませんのでご了承ください。
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