幸せな夫婦の物語、夫は妻のことを愛していた。しかし、それは彼女の催眠によってつくられた仮初めの愛だった。

おかえりなさい！お仕事お疲れさま！

頑張ったあなたを…わたしのハグでいやしてあげます！！

―――え～わたしがしたいだけ～？別にいいじゃん！ハグしたいんだもん！！

ふふっ！ありがと！じゃあこっちきて…うん…

ん～！お仕事お疲れさまの～ぎゅう～～～っ！！

んふふ～あなたの匂いがするぅ…おかえりなさい…あなたぁ…

―――ん～？いつにもまして甘えてる？？そうかなぁ～？でも…たしかに今日は甘えたい気分かも…

ね…チューしよ…？うん…チューしたい…

んぅ…
（キスをする）
ふぅ…ふふっ…

ぷは…満足した…///

よいしょっと…。さて！ご飯にしよっか！

―――うん！先に準備してるから、手洗いうがいしてきてねぇ～！

ふ～ん♪ふ〜ふ♪ふ～ん♪（鼻歌）ごっはん～♪ごっはん～♪おいしいごっはん～♪♪

おぉっ！いらっしゃ～い！！ご飯のしたくできてるよー！

―――今日はね～オムライスです！！（←変更大丈夫です！！）

これ好き～？んふふ～よかったぁ！じゃあ食べよっか！！

いただきます！

は～むっ！ん～！！うん！おいしくできてる！！

―――あなたもおいしいと思ってるんだぁ～んふふ～よかった！

（咀嚼する）はむ…んぐんぐ…ん～！おいひ～！！

あはははっ！あなたってばがっつきすぎ！

もぉ～！ほら口にお弁当ついてる…ほらこっち向いて…ん…よし！とれた！！

（咀嚼する）はむ…んぐんぐ…んぐ…

…あのさ…明日は休みだし、ご飯食べてお風呂入ったら…その…久しぶりに…ね？///

も～わかってるでしょー！そうやって茶化さないで！！

うん…その期待してる…ね…///

※※※
数日後
※※※

おかえりなさい！！今日もお仕事お疲れさま～！

…ん？どうしたの…？ぼーっとしちゃって

―――大丈夫って…ほんとに大丈夫なの…？―――うん…それならいいけど…

なにかあったらわたしに言ってね！わたしにできることならなんでもするから！！

うん…じゃあ…ご飯にしよっか…あっ！今日も…ハグしていい？？

あ…だめ…なんだ…だ…大丈夫だよ！！うん！大丈夫…ご…ごめんね！

いや！わたしが悪いの！！ちょっとあなたに甘えすぎちゃってたよね…

ううん！謝らなくていいの！そんなことよりも！！ご飯にしよ？今日はね～サーモンのムニエルをつくったんだ～！これ食べて、元気出そうね！！

※※※
数日後
※※※

おかえりなさ…どしたの？ぼーっとして？？

―――どうやって結婚したのか…？え…なにそれ…じょ…冗談でも笑えないよ？それ…

―――『冗談じゃない、どうやって出会ったのかもわからない…』

…ひどい…ひどいよ！！わたしは鮮明に覚えているのに！（泣く）

（鼻をすする）すん…すん…―――うん大丈夫…いや…やっぱり…大丈夫じゃないかな…

私たちの出会いは…あなたが、街でハンカチを拾ってくれて…それで意気投合してデ…デートするようになったんだ…

結婚は…わたしたちの記念日に連れてってくれたレストランの個室で、あなたがプロポーズしてくれたんだよ？

―――思い出してくれたの…うん…それなら…よかったかな…？

ん！ほぉら！ごめんねのハグとチューして！！

ぎゅうぅ…

…私から離れないでね？―――どうした？ってそりゃ不安にもなるよ…

―――ほんと？ずっと一緒にいてくれるの？ほんとなんだよね！？

―――うん…わかった…チューしよ…？

んぅ…
（キスをする）
ふぅ…

悲しくなっちゃうから…もう二度とあんなこといわないでね…？

じゃあ…ご飯にしよっか…

※※※
数日後
※※※

…おそい…どうしたんだろ…いつもならご飯たべてる時間なのに…

まさか…いや、そんなはずは…とにかく探さないとっ！（ドアの開く音）え？…帰ってきたの？

いや！お迎えにいかなきゃ…あと…念のためこれも…

あなた！！…おかえりなさい…遅かった…ね…いや！責めてるとかじゃなくてね！なにかに巻き込まれてないか心配になっちゃって…

―――そっか…お仕事が長引いちゃったんだね…。ご、ご飯はどうする？―――あ…食べてきたんだ…

ど…どうしたの？そんなよそよそしくして…

―――なんでもない？なら…いいんだけど…

え…ちょ…ちょっと！いきなりクローゼットあさりだしてどうしたの！？

―――いきなり出張の予定が入った？えぇ…あなたの会社っていきなりの出張とか入らないでしょ？？

ちょっと待って！待ってよ！！お願いだから！！ねぇ！！

―――離してくれ…あ…うん…わかった…でも！…すこしだけでいいから…こっちを向いて？

ありがと…そしてごめんね…

※※※
寝室
※※※
（鎖の音）
あぁ…あなた…よかった目をさました！ずっと寝たままじゃないかって、しんぱいでしんぱいで…

眠らせてごめんなさい…でも…ああしないと出て行かれると思ったから…

（鎖の音）

―――あぁ拘束は気にしないで！あなたが従順になってくれたら外すから！！

それにしても気が緩んでたなぁ…まさか催眠が解け始めてたなんて…

やっぱり心の底から好きになってもらわないとダメなのかな？？

―――だれだお前は…？…あーやっぱり解けちゃったか…

はじめまして！かな？

わたしはあなたの運命の人！あなたが街でわたしのハンカチを拾ってくれたからきっとそうなの！！

でも…あなたはわたしのことをみてくれなかった…だからあなたに催眠をかけて付き合って結婚したんだ！！

だけど、それは仮初の幸せだったよね…でもそれも今日で終わりなんだ！！

あなたにまたがるね？

よいしょっと…はい、スマホの画面をみて？？

お～ちゃんとみてくれるってことは、完全には解けてないんだ…

―――ん～？なにをするのか？？んふふ〜、夫婦の絆を深めるための、“気持ちいいこと”、するんだよ？

そんな怖がらなくて大丈夫！！だんだん心地よくなっていくから安心して？

…ゆっくり深く長く愛し合いましょう

※※※
数時間後
※※※

ん～んん…ん？ふわぁぁぁ…あぁ…あなた…おはよう…

鎖とれても逃げなかったんだ…よかった…

いいや！なんでもないよ！！

あのね…きのうの…すごく気持ちよくて…その…楽しかったよ///

―――あなたもなのね…よかった…///

いままでも楽しかったけど、もっと楽しくなるように、これからはお互い愛し合って暮らしていこうね…？

（キスをする）←削除しても大丈夫です！！

・台本（ゆるボイ！）
愛する癒し系の妻は知らない人だった
https://twitter.com/yuru_voi

・台本制作者
老田　コジカ