元日の朝、目覚めると外には一面に雪が積もっていました。犬系の夫は、ワクワクして雪かきという名目で遊びにいきます。猫系の妻は我関せずと特番を見ていました。なかなか帰ってこない夫を心配して庭に出た彼女が見たものとは。

うわー、外雪積もって真っ白。
道理で寒いわけだよ。
雪が珍しい地域だし、電車とか止まるだろうな。

ま、関係ないか。
どうせお正月はこたつで特番視ながら、のんびりするつもりだったし。

あ、きみ。明けましておめでとう。今年もよろしく。

どうしたの？窓の外をキラキラした目で見て。

(雪かきしてきていい！？)

雪かき？まあ、やって迷惑になるもんじゃないし、いいんじゃない？

早速準備してるし。

うん、いってらっしゃい。

(スコップの音)

お正月から騒がしい人。
さて、私はテレビでも視ようかな。
はぁー、こたつ温かい。
この足先がじわじわ温かくなっていく感覚、たまんない。

あはは、この芸人さん、久しぶりに見た。懐かし。
きみ、この芸人さん好きだったよねって、そうか、雪かき行ってたんだった。

(ちょっと経って)

みかん、うま。
そういえば皮に切れ込み入れて、動物とか作る人いたよね。
わたしもやってみようかな。
あ、ボロボロになった。
いいや、めんどい、飽きた。

(時間経過)

なんか、長くない？
いつの間にかスコップの音も聞こえなくなってるし。

え、大丈夫？まさか凍死とかしてないよね？
様子見に行った方がいいかな。

(玄関を開ける)

うう、寒っ。

え？なにこれ。雪だるま？

(みてみて！おっきいの作った！)

(あきれたように)
みてみて、おっきいの作ったって、でかすぎでしょ。
この雪だるま、きみより大きいんだけど。

いつまでも帰ってこないと思ってたら、庭先にこんなの作ってたの？

(君に見せたくて)

わたしに見せたくて作った？
そ、そう。その、すごいね。

(嬉しそうな顔をする夫)

なんで大した褒め方もしてないのに、嬉しそうな顔してんの。

(小声で)
まあ、そういう子供っぽいとこが好きでもあるんだけど。

(何か言った？)

別に、努力は認めてやらんこともないって言ったの。

心配して損した。
ほら、家に戻るよ。
鼻ズルズルさせて、冷えたんでしょ。

着替えたら、こたつで温まってて。今から雑煮作るから。

(家の中に入る)

(抱きしめて温めて欲しいな)

抱きしめて温めて欲しい？
やだよ、ただでさえさっき外に出て冷えてんだから。

そんな寂しそうな顔しないでよ。
もう、わかったから。おいで。
ぎゅー、手冷たっ。
もういいでしょ。

はいはい、とっととこたつ入る。

(ちょっと楽しそうに)
全く。今年も世話が焼けそう。

・台本（ゆるボイ！）
猫系妻と犬系夫のお正月
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・台本制作者
メロンフランスパン