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夏祭りシチュエーション:250字前後
written by 石刻テト
公開日2022年07月07日 11:58 更新日2022年07月07日 11:58
文字数
1648文字(約 5分30秒)
推奨音声形式
指定なし
推奨演者性別
女性演者向け
演者人数
1 人
演者役柄
指定なし
視聴者役柄
指定なし
場所
夏祭り
あらすじ
七夕ということで、お祭りシチュです。
ツイッター投稿できる程度の短編です。
女性キャラが2パターンあり。

https://twitter.com/sekkoku_teto/status/1544874520107855873
本編
A.控えめな女の子


「わぁ……すっごい、ひとの量……」

 彼女は人混みに圧倒されたように呟く。
 ここの駅前でおこなわれている七夕祭りは、それなりに有名で規模のあるものだった。
 道行く人々を眺めながら――ふいに気づいたように、彼女は口を開く。

「浴衣を着てる人も、けっこういるんだね」

 夏の祭りということで、浴衣を着込んでいる人もちらほらと目につく。

「わたしも……着てくれば、よかったかな……」

 消え入るような小さな声で呟いた彼女は――

「う、うぅんっ! な、なんでもない……」

 恥ずかしがるように、首を振ってみせた。
 そして話を逸らそうと――話題を変える。

「あっ、えっとぉ……。そ、そういえば……」

 彼女は小さく笑みを浮かべた。

「今日は……誘ってくれて、ありがとう」

 ――感謝の言葉を口にする。
 本心からの想いが、そこには籠められていた。

「わたし……自分から、誰かを誘うとかあんまりできないから……。
 そっちから言ってくれて……嬉しかった」

 彼女は普段よりもどこか明るい様子で、めずらしく爛漫な笑顔を浮かべて――

「ふふっ……それじゃ、お祭り……どこからまわろっか?
 屋台があるのは……あっちのほう、だよね?」

 そう言って、祭りを楽しむ進路を見定めた。

「うん……じゃあ――」

 いつもの、控えめさを捨てて――

「一緒に……こっ――♪」

 そう……“あなた”の手を引くのだった。



◇ト書き台本版

「(人混みに圧倒されたように呟く)
 わぁ……すっごい、ひとの量……」

「(通行人を眺めながら)
 浴衣を着てる人も、けっこういるんだね」

「わたしも……
(消え入るような小さな呟きで)
 着てくれば、よかったかな……」

「(誤魔化すように)
 う、うぅんっ! な、なんでもない……」

「(そして話を逸らすように)
 あっ、えっとぉ……。そ、そういえば……」

「(小さく笑みを浮かべて)
 今日は……誘ってくれて、ありがとう」

「わたし……自分から、誰かを誘うとかあんまりできないから……。
 そっちから言ってくれて……嬉しかった」

(爛漫な笑顔を浮かべる女の子)

「(明るい様子で)
 ふふっ……それじゃ、お祭り……どこからまわろっか?
 屋台があるのは……
(指を向こうへ差して)
 あっちのほう、だよね?」

「うん……じゃあ――」

「(普段の控えめさを捨て去って、明るく楽しげに)
 一緒に……こっ――♪」



B.大人のお姉さん

「うっわぁ……。
 やっぱりお祭りだと、子供や若い子もいっぱいいるなぁ……」

 自分より年下の若者を眺めて、彼女はどこか感慨深げに呟いた。
 しかしその発言が少し恥ずかしいものだと気づいたのか、すぐに言い訳をする。

「……な、なによ~?
 おばさん臭い言い方だったのは、確かだけど……。
 わ、私もまだまだ若いし……」

 自分で若さをアピールすることにむなしさを覚えたのか、彼女はため息をついた。

「はぁ……こんなこと言ってると、年増みたいでダメね……」

 自虐的な嘆きをしたのも、つかの間――
 すぐに咳払いをして話題を転換する。

「まあ、その……せっかくの祭りだし?
 くだらないことは置いといて……
 ――ほら、楽しみましょ?」

 そう言って、彼女は通りにある出店でみせの一つを指差した。

「あっちで、かき氷が売ってるみたいだけど、どう?
 ふふっ……私が買ってあげる。
 オトナの奢り――ってやつ」

 年長者らしい気前を見せて、彼女は笑顔を浮かべる。

「さっ……。
 今日は1日、しっかり私と付き合ってねっ?」

 そんな彼女に――“あなた”も肯定の頷きを返すのだった。



◇ト書き台本版

「(通りを眺めて)
 うっわぁ……。
 やっぱりお祭りだと、子供や若い子もいっぱいいるなぁ……」

(隣の視線に気づき、そちらに顔を向ける)

「(言い訳をするように)
 ……な、なによ~?
 おばさん臭い言い方だったのは、確かだけど……。
 わ、私もまだまだ若いし……
(後ろになるほど語調が弱まる)」

「はぁ……(自虐的なため息)
 こんなこと言ってると、年増みたいでダメね……」

(咳払いをして、気を取り直す)

「まあ、その……せっかくの祭りだし?
 くだらないことは置いといて……
 ――ほら、楽しみましょ?」

(通りの出店でみせを指差す)

「あっちで、かき氷が売ってるみたいだけど、どう?
 ふふっ……私が買ってあげる。
 オトナの奢り――ってやつ」

「(明るい声で)
 さっ……。
 今日は1日、しっかり私と付き合ってねっ?」
クレジット
・台本(ゆるボイ!)
夏祭りシチュエーション:250字前後
https://twitter.com/yuru_voi

・台本制作者
石刻テト
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