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目が見えなくなっても気丈に振る舞う彼女の隠してきた闇を受け入れてあげる話
written by ろべ
  • カップル
  • 恋人同士
  • シリアス
  • 純愛
  • ヤンデレ
  • 病弱
  • メンヘラ
公開日2022年09月13日 19:18 更新日2022年09月13日 19:18
文字数
2033文字(約 6分47秒)
推奨音声形式
指定なし
推奨演者性別
女性演者向け
演者人数
1 人
演者役柄
指定なし
視聴者役柄
指定なし
場所
指定なし
あらすじ
明るく振る舞う盲目彼女の闇に寄り添い、依存させるお話です。ジャンルは難しいですが微ヤンデレか純愛だと思います。
本編
あっ、いらっしゃい。
…そんなところで突っ立ってないで早くこっちに来て触らせて?

ぎゅううう。ふふ…君の匂いだ…うん…もういいよ。
それより、今日の私…どうかな?久しぶりのデートだから看護師さんたちに手伝ってもらったんだ♪

みんないつもかわいいかわいいっておだててくるから自分じゃ本当かわからなくて…
かわいい?よかった~。じゃあ早速行こうか。車いす押してくれる?ありがと。

本当は杖があればもうまっすぐ歩けるようになったんだけどね?お医者さんが外は危ないからって許してくれなかったの。君の隣が良かったのに…でも君が後ろで押してくれるのもなんか幸せ~て感じする。

今日はどこに連れて行ってくれるの?夏祭り!?やった!いつか君といってみたいってずっと思ってたんだ♪

今日は天気もいいし一日中楽しめそう!「天気わかるのか」って?うん。ちょっと眩しいってくらいはわかるんだ。
もちろん肌で感じるのもあるし、なによりさっきから蝉さんの声がうるさいくらいなんだもん。
楽しみだな~早く会場に着かないかな~

おっ、太鼓と笛の音が聞こえてきたね。
この音聴くとやっぱり夏だな~って思うよね?
あっ、この匂い…焼きそばだ!ねえ!買って買って!お願い!いいの!?やった♪
はいは~い!おじさん!焼きそば一つちょうだい!ありがとうございまーす!
さて、どっか君も座れるところに行って二人で食べようか。

いっただっきまーす!食べさせて?あ~ん。
う~んおいし~。最近は味気ない病院食ばっかりだったからこういうジャンキーなものが食べたかったんだ~。

ん?なに?さっきなんで屋台の人がおじさんだってわかったかって?
ふっふっふ~目が見えないぶん耳はよく聞こえるんだよ?耳だけじゃなくて鼻も肌も、感覚が敏感になってるんだ~
焼きそばもこんなにおいしいし味覚もよくなったのかも。
お医者さんが言うには別の感覚で視覚を補ってるんだって。人体ってすごいよね。

だからさっきから君の心臓が私の頭の後ろでドキドキしてたのもわかってるよ?
デートだからって浮かれすぎじゃな~い?

…なんてね…ずっとわたしに危険がないか気を配ってくれてたんだよね?
わかるよ。なんとなくだけどね。
わたしってば、第六感まで身に着けちゃったのかも!?

ふふふ。やっと笑ってくれたね。
君が楽しんでくれないと私も楽しくないんだから!
だからそんなに気張らなくてもいいよ。一緒に楽しも?

うん!じゃあわたしかき氷も食べたいな~。
あっちの賑やかな方にも行ってみようよ!

は~!たのしかった~!こんなに遊んだのいつぶりだろ?
暗くなってきたしそろそろ帰ろうか?
えっ?打ち上げ花火がある?そうなんだ。
じゃあ人気の少ないとこで見ようよ。
そのほうが夏祭りデートっぽいし!
おすすめの穴場がある?ほんと?じゃあレッツゴー!

そろそろ打ちあがるかな?どっちの方向?右側?
ここの花火大会は毎年派手だって聞くから楽しみだな~。

えっ?あがった?きゃあ!ご…ごめんなさい。
音が大きくていきなりだからびっくりしちゃ…ひっ!
…あっ…あの…悪いんだけどもっと遠くのほうに連れて行ってくれない?
耳塞いでおくから…お願い…

ひぐっ…っ…ぐすん…もう…大丈夫…?
うん…ありがとう…おかしいな…昔は花火…好きだったのにな…
胸にどん!って響くのがあんなに怖いだなんて…思わなかった。

ううん…違う…私…本当はずっと怖くてたまらないの…。
ずっと同じ暗闇のなかで…いつ何が起こるか全くわからなくて…
ほんの小さな物音でもどうしようもなく怖いの…
今日は君がいるから平気だって思ってたけど…
やっぱり駄目だった…。

これでも私…頑張ったんだよ…?
君に迷惑かけなくてもいいように…
支えてもらうんじゃなくて…
君の隣で支えあえるようにって…
歩き方も点字もいっぱい練習したの。

でもそうやって目が見えない生き方を勉強すればするほど…
もうみんなと同じようには生きられないんだって…思っちゃって…悔しいよ…

どうして私だけこんな目に合わなくちゃいけないの!?
こんな思いするくらいならいっそあの時死んだほうが…!?

(抱きつかれる)

「話してくれてうれしいけどそれ以上は言っちゃだめ」?
…やっぱり君は優しいね…

あのね…一つ…お願いがあるんだ…。
…私と…別れてください。

…もともと今日のデートが終わったら言おうと思ってたんだ。
もうこれ以上君の時間を私なんかのために使ってほしくないから…

ん?君からも言いたいことがあったの?
いいよ。最後だし。何?

「結婚してくれ」って……なんで…そんなこと言うの…?
せっかく…諦めようって思ってたのに…。

「僕も今日プロポーズするつもりだったから」って…
わたし…もう今までみたいに元気な子には戻れないよ?
それでも…こんな私でも好きだって…言ってくれる?

迷惑もいっぱいかけちゃうよ?
さっきみたいに突然情緒不安定になるかもしれないよ?

「言い訳はいいから返事だけ言って」って…
…不束者ですが…よろしく…お願いします…

あの…じゃあさっそく…わがまま言ってもいい?
一生私のそばにいて、私の目になって、私を守ってくれる?

あはは…即答しちゃうんだ…
じゃあしばらくこのまま抱きしめていて?
私以外、見えなくなっちゃうくらい…
クレジット
・台本(ゆるボイ!)
目が見えなくなっても気丈に振る舞う彼女の隠してきた闇を受け入れてあげる話
https://twitter.com/yuru_voi

・台本制作者
ろべ
ライター情報
pixiv,twitterで活動しているフリー台本師です。得意な系統はストーリー性のあるタイプの台本です。よろしくお願いします。
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