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【ヤンデレ×擬人化】大剣は、勇者を独り占めしたい【シチュエーションボイス】
written by Cybistar
  • ヤンデレ
  • 女性優位
  • シリアス
  • 純愛
  • お姉さん
  • ファンタジー
  • 擬人化
  • 大剣
公開日2022年11月17日 13:30 更新日2022年11月17日 13:18
文字数
4270文字(約 14分14秒)
推奨音声形式
指定なし
推奨演者性別
女性演者向け
演者人数
1 人
演者役柄
勇者より年上の女性に擬人化した大剣
視聴者役柄
男性勇者
場所
ファンタジー世界
あらすじ
概要:
勇者が大事に使ってきた大剣が、敵との戦闘中に人間の姿へ変わった。勇者一行は頼もしい味方となる大剣を歓迎したが、彼女はどうやら違うようで…

設定:
大剣…勇者が旅に出る時から使用し続けている愛用の剣。

備考:
ご使用上の注意点等は作者プロフィールをご覧下さい。
ご不明な点やご要望など有りましたら、遠慮せずお申し付け下さい。

作中の固有名詞の置き換えも自由です。(例:「モンスター」→「魔物」、「呪力」→「魔力」等)
本編
()=状況説明、お願いしたい演技等

[]=効果音、BGM(使用者様の判断で省略してもOKです)

【】=場所、場面


【フィールドで勇者一行がモンスターの群れと戦闘中】

(主人公がモンスターの呪文を大剣で防ぐ)

[モンスターが呪文を唱える音]
[呪文がヒットする音]

うおっ!!

(少し間を開ける)

ふっ……ようやく、か。

状況はわかっている。
今はこのモンスターどもを倒せばいいんだろう?
私が残らず片付けてやるから、お前達は下がっていろ、いいな?

よし、それじゃあ少し力試しといくか…

はあっ!!
[魔物数体を薙ぎ払う音]


【戦いの後、宿屋にて】
(勇者一行と大剣が部屋で話している)

どうした、まだ夢でも見ているような顔をして。
私はこれまでお前達と共に旅を続けてきた仲間じゃないか。
あれくらいやって当然だろう。

礼などいい。
礼ならむしろ、私をお前達と同じ人間の姿にしてくれた、あのモンスターに言ってやれ。
まあ、もう聞こえないだろうがな。

ん?ああ、そうだ。
私はお前が故郷の村を出発した時から今までの間、一時も手放さず常に使用し続けてきた大事な大剣だ。
…だろ、勇者殿?

ははっ。
思わず「はい」だなんて畏まってしまって…
今まで通り、普通に接してくれて構わないのだぞ?
(小声で)…まあ、私は「普通」で済ます気なんてさらさら無いが。

ああ、そうだった。
事の経緯けいいを説明してやらないとな。
モンスターの放った状態異常の呪文が私に当たり、この姿になったのはお前達も自分の目で見て理解しているな。

どうして人間の、それも女の姿になったのか…私にも見当がつかないし、説明もできん。
だが、以前お前達がオークの大群と戦ったことがあったよな?

…ああ。まだ武闘家や魔法使いがパーティに加入していなかった頃の話だ。
その時も敵のキングオークが状態異常の呪文を放ち、今回と同じように勇者が私を振りかざして身を防いだことがあった。

お前達は特に何も感じずその後も戦闘を続けていたようだが…あの時、私は自分の体に電流が走ったような感覚に襲われ、そしてある事に気が付いた。

僅かだが、自分の意思で動けるようになっていたのだ。

その時は頭の辺り…つまり、きっさきの部分を少し動かせる程度で、それも時間が経つとできなくなってしまった。
だが、同じように強いモンスターの放った状態異常の呪文を受け続ければ、いつかお前達のように自由に動き回ることができる、と。そう考えたのだ。

そして…先程の戦闘で何度目となるかわからない状態異常の呪文を受け、この、人間のような姿になったというわけだ。

私も正直驚いたさ。
自由に動けるとはいっても、まさかお前達と同じように肉体を持ち、こうして会話までできるようになるとはな。

しかし…これでようやく、私は自分の意志でお前達と共に戦い、魔王討伐の旅を続けることが可能になったんだ。
先程の戦闘で見せたように、自分の意志で両腕や体の一部を剣に変化させることもできるようだしな。
ただの人間が1人増えた…というわけではない。
経緯いきさつはどうであれ、喜ばしいことだろう?

ははは!そうだろう、そうだろう!
勇者や武闘家とは共に先陣を切って敵に攻撃を仕掛けることになるだろうし、怪我をして魔法使いや僧侶の世話になることも多いだろう。
皆、これからよろしく頼む。

本来なら、もっと時間をかけて晴れてお前達と対等な関係になれたこの喜びを分かち合いたいところだが、今日はもう遅い。

明日もこのエリアのボス討伐に向かうわけだし、今夜はこのあたりで解散するとしよう。
さっきも言ったが、私1人のために部屋など用意しなくていい。
今まで通り、私は勇者と同じ部屋で寝るから、お前達は自分の部屋に戻っていいぞ。

ん?なんだ僧侶。
なにか言いたげな顔をしているな。
…はは、そんなことか。
女の姿をしているとはいえ、私は大剣だぞ?
もしこいつが変な気を起こして私に襲いかかって来ようものなら、その場であのモンスターどもと同じように切り捨ててやるさ。
心配は無用だ。

…は?
私のことを警戒しているのか?
…言葉に気をつけろよ。
見た目は同じかもしれないが、私はお前達と違って色恋にうつつを抜かすようなことはしない。
…距離が近い?
当然だろう。
私はこいつの故郷から共に旅を続けてきたんだ。
この中の誰よりも、こいつのことをよく理解している。
勿論、こいつが本気で魔王討伐を目指していることも、だ。
当然、ここで私がこいつに手を出してパーティの和を乱し、魔王討伐の目標を邪魔するようなことなど、私も望んでいない。

わかったら、さっさと自分の部屋に戻るんだな。

(勇者と大剣以外の人物が部屋を出ていく)
[部屋のドアを開ける音]
[部屋を出ていく足音]

ああ、それと魔法使い。

これからは魔法使いとしての役割に集中し、パーティに貢献することだけを考えろ。
不用意に勇者に近づこうとするな。
こいつに色目を使っている暇があるなら、いつも後方で仲間に守ってもらっている自分の弱さを恥じて、鍛錬でも積んだらどうだ?

ふふ、おー怖い怖い。
まるで私を殺そうとするかのような目つきで睨みつけて…それが新しい仲間を歓迎する者の態度か?

言っておくが、お前如きの攻撃呪文など、数多の敵の呪文を受け、そして叩き斬ってきたこの私には通用しない。

無論、呪文だけでなく武術でもお前達に、いや魔王にすら負ける気はないが。
安心しろ。貧弱なお前が敵にやられそうになったら、真っ先に私が助けてやる。

互いの立場をよく弁えて、仲良くやろうな。魔法使いさん。

(魔法使いが勇者の部屋を出ていく)
[ドアを強く閉める音]
[走り去る足音]

ははは…いい気味だ。
ああ?何故お前があんな女を庇うんだ。
もうあいつにちょっかいをかけられて迷惑することもなくなるんだ、良かったじゃないか!

…なに?
今なんと言った?

…っ!(大剣が勇者の腕を斬りつける)
[剣で体を斬る音]

おっとぉ、すまん。
感情が昂ぶって、無意識のうちに腕を剣に変えてしまったようだ。
気がついたら、本能的に目の前の獲物を斬りつけていたよ。
幸い軽い切り傷程度で済んだようだが…すまないな。
私もまだまだ自分の体の制御ができていないという証だ。
反省しなければ。

…ところで、さっきお前はなんと言ったんだっけな。
私には「魔法使いのことが気になっている」と聞こえた気がしたんだが…

そうだよな。そんなわけないよな。
選ばれし勇者であるお前が、あんなクソ女に魅せられるわけないよなぁ。

…何故そんな顔をする?
村の長老から私を受け取った時、お前は言ってくれたじゃないか。
「必ずや、この大剣で魔王を斬ってみせます。どんなことがあっても、俺はこの剣を絶対に手放しません」…ってな。

お前は自分の口で私との将来を誓ったんだ。
今更他の女に目移りするとは、見損なったぞ!

…関係ない。
物だろうが人だろうが、お前自身がそう言ったんだ。
私が人の姿になったからといって、それを反故にできる理由などない。

それとも、お前にとって私はその程度の存在なのか?
長老との誓約も、村での自分の評判を高め、あの辺りの地域ではまずお目にかかれない上質な武器を手に入れるための嘘だったのか?

…嘘じゃない?
だったら、勇者として自分が立てた誓いを守れ。
私だけを見ろ。
私も、お前の立派な伴侶となれるように武芸以外の面でも努力する。
お前が望むなら、どんなことでもする。
勿論、夜伽よとぎも、だ♡
だから、わかってくれるか?

…「やめてくれ」?
…「女としては見れない」…

…っ!!(もう一度、大剣が勇者を斬りつける)
[剣で体を抉る音]

あーあ、今度はかなり深めに入ったな。
これは軽傷では到底済まないだろうが…叫び声の一つもあげないとは、流石は勇者だな。

しかし、その出血の多さでは早く手当てをしないと手遅れになるぞ?
命は助かっても、歩くことはできなくなるかもな。

(勇者が呪文を唱え、傷が少し癒える)
[回復呪文の音]

…ほう。回復呪文か。
僧侶や魔法使いが戦闘不能になった時、お前がその呪文で戦闘中に傷を癒やしているのを何度か見たことはあったが…まさかこれほど深い傷を治すほど呪力を上げていたとはな。
お前が大人しくなったら、私の呪文で死なない程度に回復させてやろうと思っていたが…
私は少し、お前を見くびっていたようだな。

っ!(大剣が勇者を押し倒す)
[ベッドに押し倒す音]

ふふっ…押し倒してしまったな。
いくら勇者と言えども普段自分が愛用している剣が無いのでは、後手に回るしかないようだな。
それにその脚…呪文で傷を癒やしたとは言っても完治させたわけではない。
皮膚や筋肉の修復が中途半端で、また少し衝撃を加えれば千切れてしまいそうだ。
体力を消耗して、血相も悪くなっているぞ。

下手なことはするな。
黙って口をつぐんでいろ。

そうだ、そのまま大人しくしておけよ…

(キス)

んっ、はぁ…
どうした、顔がだらしなく蕩けてしまっているぞ。

…無理もないか。
お前は故郷にいた時から、こういったことには全く関わりが無かったからな。
普段の勇猛なお前からは想像もつかないその可愛い顔も、今、この私しか見ることができないというわけだ。

なんだ?
…ああ、色恋にうつつは抜かさないと、確かに私はそう言ったな。
ああでも言わないと、僧侶は私をいぶかしんで納得しないからな。

だが安心しろ。
お前が私を手にした時から、私はお前のことだけを見てきた。
お前のその、真っ直ぐな眼差しが見据える未来を、共にこの目で眺めることのみを考えてきた。

長老も若い頃は私を大事に扱ってくれたが…妻を持ち、家族を作り、冒険が終われば私は奴の武勇を誇示するための飾りと成り下がった。

だから、お前には私を裏切らせないように、なんとしてでも自らの力で繋ぎ止められる方法を模索したんだ。

口では嫌そうにしているが、お前が私を以前と変わらず愛してくれていることはわかっている。

お前を斬りつけ、押し倒しても尚抵抗しないのは、魔王討伐を目指すお前にとって何よりも大事な私を傷つけないようにするため…だろう?

ふふっ、図星だな。
いいんだ。
今は戦いの為だけでも、これから時間をかけてゆっくりと永遠の愛を育んでいこう。

おい、聞いているのか?

…っ!

(キス:長め)

んん……っはぁ。
…油断も隙もないやつだ。
移動呪文でも唱えようとしていたのか?
だが、それももう不可能だ。

体が痺れて動けないだろう?
ふふっ…
今の口づけでお前の体に直接私の呪力を流し込んだからな。
私もこれ以上自分の愛する者を自らの手で傷つけたくはない…
暫くそこで寝ていろ。

お前が望むなら魔王を倒すまではパーティの奴等も同行させてやろうと思っていたが…
やはり、彼奴等…特に僧侶と魔法使いは、お前に誤った考えを抱かせてしまう毒にしかならん。

今から全員処分してくるから、そこで私の帰りを待っていてくれ。

ははっ、寂しがることはない。

これからは、私がたっぷり愛を注いでやるからな。

――END――
クレジット
・台本(ゆるボイ!)
【ヤンデレ×擬人化】大剣は、勇者を独り占めしたい【シチュエーションボイス】
https://twitter.com/yuru_voi

・台本制作者
Cybistar
ライター情報
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