クリスマスの夜、バイト終わりのあなたを待っていたのは隣人のお姉さんでした。
彼女は、自分の部屋でのパーティーに半ば無理やり連れていきます。

やっほー、待ってたよ。
彼女も友達もいないから、クリスマスの夜もバイトしてた非リア君。

え、ちょっと、無視はないでしょ！

寒い中、君のことずっと待ってたんだよ？　

(何の用ですか)

何の用ですかって、冷たいなぁ。

せっかく、お姉さんが君をクリぼっちから救ってあげようというのに。

なにをするのか気になるって？

(ならないです)

ならないとか言わない。

では、発表します！

私ん家でパーティーやるぞーっ！
フゥー！　

酔いつぶれても、アパートのお隣さんだから問題ナシっ。

それに、美人でセクシーなお姉さんとクリスマスが過ごせるっ。

これは見逃せない大チャーンス！

(グイグイくる感じで)
行く？　行っちゃう？　よし、ついてこーい！

(行くなんて一言も言ってないです)

行くなんて一言も言ってないだなんて、そう堅いこと言わないでよ。

お腹、空いてるでしょ？

さあ、肩を組んで私ん家へしゅっぱーつ！

(酒臭っ)

酒臭い？
ごめんねー、ここに来る前に家で飲んじゃったからねー。

はい、とうちゃーく。
入って、入って。

テーブルの上のごちそう、冷めちゃってるから、温めないとね。
悪いけど、ちょっと手伝ってくれる？

ごちそう、準備よーし。
お酒、準備よーし。

かんぱーい！

うん！　おいしい！
やっぱり、誰かと食べたり飲んだりするのは楽しいね！

ん？　どうしたの？　
怪訝な顔して。
お酒、口に合わなかった？

(これ俺のために用意したものじゃないですよね)

あ、気づいちゃったか。
うん、このお酒も料理も、君のために用意したものじゃないんだ。

本当は彼氏、いや、彼氏だった人のためのだったんだけどね。

最近うまくいってないなって雰囲気はあったけど、パーティーの準備してたら、急に別れようって連絡がきて。

(徐々に涙が溢れてくる)
今日、一緒に楽しく過ごせたら、またあの頃のように仲良くなれるかなって思ってたのに……

それで一人で飲んでたら、ふと君のことを思い出して。

寂しさを埋めてもらおうと思って、君のバイト先で待ち構えてたんだ。

ごめんね……こんなことに付き合わせて。

その……いやだったら、帰ってもいいから。

(俺で埋めれるんだったらいいですよ)

いいの？　本当に。
そんなこと言われたら、私、君に……

ううん。
一緒にいてくれて、ありがとう。

さて、このシャンパン開けちゃおっかな。
あれ？　なかなかコルクが抜けない。

ひゃっ！　すっごいコルク飛んでったよ。

あーあ、写真立てが落ちてバラバラになっちゃった。
コルクが当たったんだね。

あ、これ。今日別れた彼氏との……

きっと、さっさと忘れろってことなのかな。

よしっ！　直接顔を付き合わせて別れ話もできない、意気地無しのアイツなどもう知らんっ！

今夜は食って飲むぞーっ！

(時間経過)

はー、お腹いっぱい！
しばらく動けなさそう。
君も満足した？

よかった。

楽しかったよ、君との時間。
無理にアイツとパーティーしてたら、せっかくの料理も美味しく感じなかったかも。

これでよかったんだ。
うん、これで。

そろそろ帰る？
見送るよ。

そういえば、なんでパーティーの用意が君のためじゃないって気づいたの？

(会ったときから妙に空元気だったから)

最初から空元気に見えてたんだ。
君にはかなわないなぁ。

今日は本当にありがとう。
バイバイ。

(ごちそうさまでした)

待って！

その……私。
君とただのお隣さん同士でいたくない。
だから、今度、私とデートしてくれない……かな？

・台本（ゆるボイ！）
アパートの隣人のお姉さんがクリスマスの夜にバイト終わりを待ち構えていた
https://twitter.com/yuru_voi

・台本制作者
メロンフランスパン