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公開日2022年12月04日 09:00
更新日2022年12月04日 01:10
文字数
2920文字(約 9分44秒)
推奨音声形式
指定なし
推奨演者性別
女性演者向け
演者人数
1 人
演者役柄
トレジャーハンターで、主人公の相棒。
視聴者役柄
熟練のトレジャーハンター。
場所
ファンタジー世界。ジャングルの奥の迷宮。
あらすじ
世界中の財宝を探し求めて探検を続けるトレジャーハンターと、その相棒であるあなた。今回も二人は難無くお宝を手に入れたと思ったら、遺跡の罠に嵌って内部に閉じ込められてしまった。二人が閉じ込められた部屋には、何やら怪しい壁画が書かれていて…
本編
【とある遺跡の内部】
よし、じゃあ相棒はそっちを持ってくれ。
そう、そうだ…
ゆっくり、慎重に持ち上げるんだぞ…
せーのっ…!
[重い箱がゆっくりと開く音]
よいしょ……っと。
中身は?何か入ってたか?
……
おおっ!
この真ん中にあるのは…うん、間違いない!
正しく僕らが探し求めていたお宝、「アルデリア女王の首飾り」じゃないか!
しかもこっちは…古代マリシュラの王族が王位継承の儀式で使っていたとされる「聖なる鼓笛」にそっくり…というか、恐らく本物だな。
9つあるうちの8つが既に発掘されていて、最後の1つの行方が誰にもわからず紛失したと結論づけられていたが…まさかこんな所にあるとは!
それだけじゃないぞ!
一日かけてじっくりこの箱の中を見渡しても飽きないくらい、その周りも名だたる金銀財宝で埋め尽くされている。
…そうだな!
当初の見立てを遥かに上回る、超特大の大当たりってところだな、相棒!
早いうちからこの遺跡に狙いをつけておいてよかったよ。
一度最深部まで潜り込んだら二度と外に出られない「呪いの遺跡」だとか、人が入る度に内部構造が変わる「生きた迷宮」だとか、色々あだ名されて。
おまけに、ここに埋葬されている王族の幽霊まで祟って出る、なんて噂も流れてたけどさ。
今となっては、どれもこれも根拠のないただの風説だったのがよくわかる。
ま、多少時間はかかったが呪いの遺跡だろうが生きた迷宮だろうが僕らにかかればこの通り、鍵の開いた金庫も同然、ってことさ。
それじゃ、早速この豪華な財宝を二人で山分け…と行きたいところだけど、目標を達成した解放感というのか、さっきまでは何ともなかったのが急にどっと疲れが押し寄せて来てね。
僕はどっかその辺の段差に腰掛けて休憩するから、相棒は先に財宝の選別でもしていてくれ。
あ、でも「アルデリア女王の首飾り」だけは取っといてくれよ。
そのお宝がこの遺跡にある確率が高いから内部を探索しよう、って提案したのは僕なんだからな。
しっかし、ここは本当に奇妙な部屋だな。
ジャングルの奥地にある隠れた遺跡だってのに、この部屋だけは壁も床もホコリ一つ無いぞ。
誰かが清掃にでも来てない限り、こんな不自然に一室だけ綺麗になることは有り得ないだろう。
まあいいや。
そのお陰で、汚れを気にせず座り込むことができるんだからな。
よい…しょっと。
[スイッチが押されるような音]
ん?なんだ、今の音?
[ゴゴゴ…と、部屋の壁が動き出す音]
な、なんだこれは!?
おい、相棒!
早くそこから離れて、身を伏せるんだ!
壁がどんどん上に…いや、この部屋が下に下がっているのか?!
とにかく、落ち着くまでそこを動くんじゃないぞ!
……
[音が鳴り止む]
……
…やられたな。
完全に閉じ込められたようだ。
というか、僕がやってしまったんだ。
恐らくこれは、侵入者用の罠だろう。
まさか、あんなところに隠しスイッチがあるだなんて…
すまない、相棒。
僕が油断したばかりに…
……
…はは。
慰めなんていいさ。
不必要な事をした僕が悪いんだ。
今はとにかくこの部屋を調べて、少しでも手がかりになりそうなものを見つけるとするよ。
……
どうした?
何か見つけたのか?
……
これは…小さくて気づかなかったが、何かの壁画か。
裸の男女が交わっている様子を描いているみたいだが…
何故こんなところに壁画なんて描いてあるんだ?
こういう遺跡には確かに付き物だが、罠で閉じ込めて落とした先にこんなものを描く必要があるのか?
……いや、ちょっと待てよ。
この絵の男女が横たわっている寝台の形…
そこの床が盛り上がっている部分と似ていないか?
人が二人乗れる程の大きさであまり高さはなく、側面に特徴的な龍の模様が描かれている…
完全に、この台のことを指しているな。
…つまり、だ。
この壁画は、ここに閉じ込められた者の様子を描いているというわけだ。
もっと言えば、様子ではなく「こうしろ」という指示、といったところか。
……
なんだ、急に取り乱して。
何をするつもりだ、って…
見ての通り、僕はただ服を脱いでいるだけなんだが?
そこに描いてある通りにするんだから、こうするしかないだろう。
見たところ、他にここを抜け出す手口も無さそうだし。
ほら、相棒も早くこっちに来て準備をするんだ。
……
…ふふ。
君はもう勘づいてしまったか。
さっきまで落ち込んでた奴が、急に積極的に行動し出したんだし、疑うのも無理はないか。
ああ、そうだよ。
僕はこの部屋の仕掛けも、ここを脱出する方法も全て知っているさ。
…勿論、この部屋に閉じ込められた人間がどうなったのか、もね。
結論から言うが、そこに描かれている通りにすれば無事に外に出られる。
くっ…ふっふっふ。
僕はね、ずーっとこうなるのを待ってたんだよ。
僕が相棒と出会う前からこの遺跡に憧れていたのは知っているだろう?
当然、キミと組んでここの探検を提案するまでにも一人で何度もこの遺跡の中を探索して回ったさ。
だがある日…僕の先にこの中に入った男女2人組の冒険者が、お宝を見つけたと言い出したんだ。
彼等は確かに、その手に財宝を持って出てきたよ。
この部屋で起きたことを武勇伝として僕に自慢しながらね。
それを聞いた時、僕は…この部屋を利用できると思ったんだ。
勿論、財宝だって手に入れたかったさ。
だから、そいつらは罠の条件や脱出方法、スイッチを押したと思われる場所といった細かい条件を聞き終えた後、ちゃんと殺して財宝も元の位置に戻しておいたよ。
なんで財宝を直接自分のものにしなかったか?
それは当然…いつか僕とここに来る、最高の相棒と一緒に見つけて、山分けにするからさ。
大変だったんだぞ、他の奴等で実験するの。
ここを探検しに来て、あの最深部の部屋まで辿り着けるやつがそもそも殆どいないから、毎回僕がわざわざパーティを組んで連れてってあげてたんだ。
で、あそこのスイッチを押したら自分だけすぐ外に出て、あとは出て来られるかひたすら待つ…って感じ。
出て来られた奴等には適当に言い訳して謝って、中で何が起きてどうしたのか状況を聞いたんだ。
そしたら…全員口を揃えて、その壁画の指示通りのことをしたら外に出れるようになった、って言うんだよ。
これが驚くことに、性別とか人数とかも一切関係がないんだ。
…「指示に従った者だけが外に出れる」
どんな仕組みなのかは知らないが、これが、この部屋の唯一にして絶対のルールだよ。
まあ、この部屋の秘密と財宝を外に持ち出されるとまずいんで、結局全員始末してやったんだけどな。
……
なんでそこまでして…って、言う必要があるか?
キミは僕の相棒だ。
僕のワガママを聞いて、どんな場所へも一緒に探検に行ってくれる、この世界でたった一人の相棒なんだ!
そんな相棒を、どんなお宝よりも確実に僕のものにしたい、って思うのはそんなにおかしなことかな。
…おかしいだなんて思わないよね、相棒?
……
…で、どうする?
素直に僕の言うことを聞いて指示に従うか。
それとも、今のキミみたいにその絵の指示を無視した奴等がその後どうなったか…知りたい?
…………
ふふ…やっと大人しく指示に従う気になったみたいだね。
でも、ごまかしは通用しないよ。
ちゃんとそこに描いてあることを最後までしたのか、この部屋はそれを監視しているらしいからね。
…「生きた迷宮」様様ってところかな。
心配しないで。
僕がしっかり、最後まで導いてあげるから。
それじゃあ…
服、脱がすね…
――END――
よし、じゃあ相棒はそっちを持ってくれ。
そう、そうだ…
ゆっくり、慎重に持ち上げるんだぞ…
せーのっ…!
[重い箱がゆっくりと開く音]
よいしょ……っと。
中身は?何か入ってたか?
……
おおっ!
この真ん中にあるのは…うん、間違いない!
正しく僕らが探し求めていたお宝、「アルデリア女王の首飾り」じゃないか!
しかもこっちは…古代マリシュラの王族が王位継承の儀式で使っていたとされる「聖なる鼓笛」にそっくり…というか、恐らく本物だな。
9つあるうちの8つが既に発掘されていて、最後の1つの行方が誰にもわからず紛失したと結論づけられていたが…まさかこんな所にあるとは!
それだけじゃないぞ!
一日かけてじっくりこの箱の中を見渡しても飽きないくらい、その周りも名だたる金銀財宝で埋め尽くされている。
…そうだな!
当初の見立てを遥かに上回る、超特大の大当たりってところだな、相棒!
早いうちからこの遺跡に狙いをつけておいてよかったよ。
一度最深部まで潜り込んだら二度と外に出られない「呪いの遺跡」だとか、人が入る度に内部構造が変わる「生きた迷宮」だとか、色々あだ名されて。
おまけに、ここに埋葬されている王族の幽霊まで祟って出る、なんて噂も流れてたけどさ。
今となっては、どれもこれも根拠のないただの風説だったのがよくわかる。
ま、多少時間はかかったが呪いの遺跡だろうが生きた迷宮だろうが僕らにかかればこの通り、鍵の開いた金庫も同然、ってことさ。
それじゃ、早速この豪華な財宝を二人で山分け…と行きたいところだけど、目標を達成した解放感というのか、さっきまでは何ともなかったのが急にどっと疲れが押し寄せて来てね。
僕はどっかその辺の段差に腰掛けて休憩するから、相棒は先に財宝の選別でもしていてくれ。
あ、でも「アルデリア女王の首飾り」だけは取っといてくれよ。
そのお宝がこの遺跡にある確率が高いから内部を探索しよう、って提案したのは僕なんだからな。
しっかし、ここは本当に奇妙な部屋だな。
ジャングルの奥地にある隠れた遺跡だってのに、この部屋だけは壁も床もホコリ一つ無いぞ。
誰かが清掃にでも来てない限り、こんな不自然に一室だけ綺麗になることは有り得ないだろう。
まあいいや。
そのお陰で、汚れを気にせず座り込むことができるんだからな。
よい…しょっと。
[スイッチが押されるような音]
ん?なんだ、今の音?
[ゴゴゴ…と、部屋の壁が動き出す音]
な、なんだこれは!?
おい、相棒!
早くそこから離れて、身を伏せるんだ!
壁がどんどん上に…いや、この部屋が下に下がっているのか?!
とにかく、落ち着くまでそこを動くんじゃないぞ!
……
[音が鳴り止む]
……
…やられたな。
完全に閉じ込められたようだ。
というか、僕がやってしまったんだ。
恐らくこれは、侵入者用の罠だろう。
まさか、あんなところに隠しスイッチがあるだなんて…
すまない、相棒。
僕が油断したばかりに…
……
…はは。
慰めなんていいさ。
不必要な事をした僕が悪いんだ。
今はとにかくこの部屋を調べて、少しでも手がかりになりそうなものを見つけるとするよ。
……
どうした?
何か見つけたのか?
……
これは…小さくて気づかなかったが、何かの壁画か。
裸の男女が交わっている様子を描いているみたいだが…
何故こんなところに壁画なんて描いてあるんだ?
こういう遺跡には確かに付き物だが、罠で閉じ込めて落とした先にこんなものを描く必要があるのか?
……いや、ちょっと待てよ。
この絵の男女が横たわっている寝台の形…
そこの床が盛り上がっている部分と似ていないか?
人が二人乗れる程の大きさであまり高さはなく、側面に特徴的な龍の模様が描かれている…
完全に、この台のことを指しているな。
…つまり、だ。
この壁画は、ここに閉じ込められた者の様子を描いているというわけだ。
もっと言えば、様子ではなく「こうしろ」という指示、といったところか。
……
なんだ、急に取り乱して。
何をするつもりだ、って…
見ての通り、僕はただ服を脱いでいるだけなんだが?
そこに描いてある通りにするんだから、こうするしかないだろう。
見たところ、他にここを抜け出す手口も無さそうだし。
ほら、相棒も早くこっちに来て準備をするんだ。
……
…ふふ。
君はもう勘づいてしまったか。
さっきまで落ち込んでた奴が、急に積極的に行動し出したんだし、疑うのも無理はないか。
ああ、そうだよ。
僕はこの部屋の仕掛けも、ここを脱出する方法も全て知っているさ。
…勿論、この部屋に閉じ込められた人間がどうなったのか、もね。
結論から言うが、そこに描かれている通りにすれば無事に外に出られる。
くっ…ふっふっふ。
僕はね、ずーっとこうなるのを待ってたんだよ。
僕が相棒と出会う前からこの遺跡に憧れていたのは知っているだろう?
当然、キミと組んでここの探検を提案するまでにも一人で何度もこの遺跡の中を探索して回ったさ。
だがある日…僕の先にこの中に入った男女2人組の冒険者が、お宝を見つけたと言い出したんだ。
彼等は確かに、その手に財宝を持って出てきたよ。
この部屋で起きたことを武勇伝として僕に自慢しながらね。
それを聞いた時、僕は…この部屋を利用できると思ったんだ。
勿論、財宝だって手に入れたかったさ。
だから、そいつらは罠の条件や脱出方法、スイッチを押したと思われる場所といった細かい条件を聞き終えた後、ちゃんと殺して財宝も元の位置に戻しておいたよ。
なんで財宝を直接自分のものにしなかったか?
それは当然…いつか僕とここに来る、最高の相棒と一緒に見つけて、山分けにするからさ。
大変だったんだぞ、他の奴等で実験するの。
ここを探検しに来て、あの最深部の部屋まで辿り着けるやつがそもそも殆どいないから、毎回僕がわざわざパーティを組んで連れてってあげてたんだ。
で、あそこのスイッチを押したら自分だけすぐ外に出て、あとは出て来られるかひたすら待つ…って感じ。
出て来られた奴等には適当に言い訳して謝って、中で何が起きてどうしたのか状況を聞いたんだ。
そしたら…全員口を揃えて、その壁画の指示通りのことをしたら外に出れるようになった、って言うんだよ。
これが驚くことに、性別とか人数とかも一切関係がないんだ。
…「指示に従った者だけが外に出れる」
どんな仕組みなのかは知らないが、これが、この部屋の唯一にして絶対のルールだよ。
まあ、この部屋の秘密と財宝を外に持ち出されるとまずいんで、結局全員始末してやったんだけどな。
……
なんでそこまでして…って、言う必要があるか?
キミは僕の相棒だ。
僕のワガママを聞いて、どんな場所へも一緒に探検に行ってくれる、この世界でたった一人の相棒なんだ!
そんな相棒を、どんなお宝よりも確実に僕のものにしたい、って思うのはそんなにおかしなことかな。
…おかしいだなんて思わないよね、相棒?
……
…で、どうする?
素直に僕の言うことを聞いて指示に従うか。
それとも、今のキミみたいにその絵の指示を無視した奴等がその後どうなったか…知りたい?
…………
ふふ…やっと大人しく指示に従う気になったみたいだね。
でも、ごまかしは通用しないよ。
ちゃんとそこに描いてあることを最後までしたのか、この部屋はそれを監視しているらしいからね。
…「生きた迷宮」様様ってところかな。
心配しないで。
僕がしっかり、最後まで導いてあげるから。
それじゃあ…
服、脱がすね…
――END――
クレジット
ライター情報
主にpixivでフリー台本を投稿している、Cybistarと申します。
ゆるボイ!では、pixivに投稿した台本(R-18指定作品は除く)と同じものを投稿していく予定です。
特に台本について厳しい拘りなどはないので、当サイトのルールに従って頂ければどんなアドリブ・アレンジ・改変もして頂いて構いません!
台本を使用される際はTwitterのDMで一言頂けると幸いです(是非、作品を拝聴させて頂きたいです)。但し、ルールではなくただの願望なので強制ではありません。
ゆるボイ!では、pixivに投稿した台本(R-18指定作品は除く)と同じものを投稿していく予定です。
特に台本について厳しい拘りなどはないので、当サイトのルールに従って頂ければどんなアドリブ・アレンジ・改変もして頂いて構いません!
台本を使用される際はTwitterのDMで一言頂けると幸いです(是非、作品を拝聴させて頂きたいです)。但し、ルールではなくただの願望なので強制ではありません。
有償販売利用の条件
台本を使用した音声作品の有料販売のような商用利用の場合は事前・事後どちらでも構わないので、必ず使用報告を行って下さい。報告が無かった場合は、台本の無断使用及び盗作と看做します。
利用実績(最大10件)
Cybistar の投稿台本(最大10件)