- ヤンデレ
- 悪魔
- オレっ娘
- 俺っ娘
- 策略
- 約束
公開日2022年12月27日 12:00
更新日2022年12月26日 03:11
文字数
2797文字(約 9分20秒)
推奨音声形式
指定なし
推奨演者性別
女性演者向け
演者人数
1 人
演者役柄
オレっ娘悪魔
視聴者役柄
若い人間
場所
ファンタジー世界
あらすじ
悪魔と取引をして、自分の願いを叶えてもらおうとするあなた。願いを叶える代わりに、魂の一部といった代償を支払うことを覚悟していたあなただったが、取引が終わると悪魔は「100年後に見返りを貰いに来る」と言い残してあっさりと姿を消してしまった。
本編
【とある地下室】
[SE:悪魔を召喚する呪文]
(大きく欠伸をする)
あー……眠みぃ
んぁ……またなんか陰気くさい所に呼ばれたみてぇだな
お前は……今までの奴等とは違って随分若いな
一応聞くが…俺を呼んだのは、お前か?
……ま、そうだよな
外部と遮断された環境で一人きりにならないと、悪魔は呼べねぇからな
しかし、俺もまさかこんな青臭いガキに呼ばれるまで名が知れ渡っているとはな
お前、俺がどんな悪魔なのか知ってて呼び出してるんだよな?
……ああ、そうだ
じゃあ、願いを叶える見返りに俺が取引相手の大切なものを頂く、ってのも理解してんな?
よし、それじゃあ早速本題に入るとするか
…お前の願いはなんだ?
何でもいいから、3つまで言ってみろ
………
ふふ、なるほどな
如何にも青臭い小僧が考えそうな願いだ
まず先に行っておくが…
1つ目の「不老不死」ってのは厳密には叶えてやることができない願いだ
何故かって?
「不老不死」って「永遠に歳をとらねぇ」ってことと「永遠に死なねぇ」ってこと、この2つの現象に分けられるよな?
お前らは悪魔の魔法みたいなもんでどっちも一遍に叶えられるって思ってるみてぇだが、実際にはそれは無理だ
肉体の若さを保つ、っていうのと、どんな怪我や病気でも即効で治るようにする、っていうのは、その仕組みも実現の為の方法も何もかもが違うんだ
だから、それぞれ別の願いとして数える必要があるんだよ
いやー……お前ら人間って本当に面白えーよな!
悪魔と取引する奴なんて大抵「永遠の命」だの「不老不死」だのつって最初にこのミス犯すくせに、誰一人として他の奴には教えてやんねーんだもんな
他人が得して自分だけ損するのが嫌だから、とか……
本っ当……腹捩れるくらい笑っちまうな
まぁそういうことで、どうしても「不老不死」になりたいんだったら、2つ目の「大金持ちになりたい」と、3つ目の「異性にモテまくりたい」のどっちかを諦めなきゃいけねぇってことになる
どうする?
内面は知らねぇがお前の見た目なら、態々悪魔と取引しなくたって女には困らないだろうし、俺は「異性にモテまくりたい」って願いを捨てた方がいいと思うぜ?
それとも、「不老不死」を諦めてまた別の願いに変えるか?
どっちにしようが、俺はお前の選択を尊重するぜ
………
ふぅ〜ん、そっか
いいぜ、お前がその願いにしたいんだもんな
それじゃあ、お前の叶えたい3つの願いを今ここで、改めて俺に聞かせてくれ
………
よし、わかった
その願い、全て叶えてやる!
[SE:激しい稲光が迸る]
………
おい、終わったぞ
もうお前は永遠に老けることも死ぬこともなくなった
そして……ここを出た瞬間から、外で出会った全ての女が、お前に恋い焦がれて堪らなくなる
…多少個人差はあるが
良かったな
……あー、見返り?
そうだったな
見返りについてだが……実は、今はまだ決め兼ねてるんだ
本来なら取引相手の魂の一部か、その家族や恋人の命なんかを貰ったりするわけだが…
お前から魂を削り取って感情や感覚機能のどれかが欠けてるのを見ても大して面白くなさそうだし、家族や友人…というか周りの全ての人間との関係が希薄で、あんまり大切と言えるような相手も見当たらねぇからな
だから、そうだな……
100年後に見返りを貰いに来る、ってのはどうだ?
寿命のない俺ら悪魔にとっては100年なんて気づいたら経ってたくらいの短さだし、お前はその間存分にこの世の享楽に耽ることができるってわけだが…
いい提案だと思わないか?
……ははっ、だろ?
じゃあ、また100年後にな
今度は俺が自分で人間界に見返りを貰いに来るから、召喚の儀式なんてやらなくていいぞ
100年後に何を失っても、悔いが残らないように楽しんでおくことだ
…ふふ、それじゃあ元気でな
――――――
【100年後】
[SE:轟音と共に悪魔が現れる]
よぉ、元気にしてたか?
…おーい、聞いてんのか
俺だよ、100年前にお前の願いの見返りを貰うって約束した……
そう、あの部屋でお前が呼び出した悪魔だ
…ったく、やっと思い出したか
なんだか、100年の間に随分とやつれて暗い顔になっちまったな
とはいえ、老けない身体なんだから当然だが……お前は変わらず若いというか、青いな
どうだ?
俺が叶えてやった願いは、この100年の間お前の役に立ったか?
…いや、そんなこと聞くまでもないか
そもそも不老不死じゃないと若いまま100年間も生きてないし、役立ったに決まってるよな!
あー、良かった良かった
それじゃ、肝心の見返りについてなんだが…
実はな、もう貰ってるんだよ
…いや、周りの人間とかじゃない
お前自身から、だ
ふふ……お前、願いを叶えてやった当初は狂ったように女と遊び歩いて暮らしてたのに、5、60年くらい経ってからは自分から女を拒絶して、殆ど話すことも無くなっちまったじゃねえか
身体が若いままだから、何十年経とうがそういう欲求も強いままの筈なのによ
一体何があったって言うんだ?
………
なるほど…
遊んでいる時はいいが、真剣な関係を持とうとすると尽く失敗してきた、ねぇ…
不思議だな〜
俺との取引でお前はどんな女からも無条件で好かれるようになってるのになぁ
何故なんだろうなぁ?
………
…わからねぇみたいだし、教えてやろうか?
何故そうなっちまったのかと言うと…
俺が見返りとして貰ったのは、お前の「運命」だからだよ
……まだなんの事かよくわかってないようだな
お前が女と遊ぶことはできても、そいつと純粋な伴侶になることはできねぇように運命を操作した、ってことだよ
だから、お前が遊び相手を真面目なパートナーとして認識しだしたら、相手の女が急に家の事情でお前との関係を諦めたり、交通事故にあったり、急病で死んだりして、必ずそこで関係が終わるようになってたのさ
何故なら……お前の「運命」の相手は、この俺だからだ
人間の女になんか、絶対渡せねぇ
………
ははっ、もう怒ったり悲しんだりする気力もねーか
そりゃ、そうだよな
相手との関係が深くなって、恋人として意識しだす度に尽くその先の将来を断たれて…
周りの奴等も何十年経とうが歳をとらないお前を気味悪がって遠ざけて、誰にも自分の苦しみをわかってもらえなかったんだもんな
ずっと孤独で、寂しかったろうな…
だが、これからは俺がお前の傍にいる
お前を拒む人間界なんて捨てて、魔界で俺と一緒に暮らそう
………
……驚いたな、まだお前が孤独でいることを選ぶなんて
お前が嫌なのは、魔界か?それとも俺自身か?
まあ、俺は一度貰ったお前の「運命」を返すことは絶対にしねーし、このまま人間界にいてもお前は死んで苦しみから逃げることもできずに、周囲からの差別に苛まれ続けるだけだろうがな
どうする?
このまま永遠に孤独の中でもがき続けるか、俺と一緒に魔界に来るか…
どちらが良いかは、言うまでもないと思うけどな
………
ははっ、そうかそうか!
お前も本当はもうこんな世界から、一刻も早く抜け出したかったんだよな!
よし、それじゃあ今すぐ魔界に向かうとするか
逸れないように、ちゃんと俺の方を向いて、俺の手を握っておくんだぞ
…もうよそ見はすんな
俺と永遠を生きることだけを考えろ
それがお前の「運命」…なんだからな
――END――
[SE:悪魔を召喚する呪文]
(大きく欠伸をする)
あー……眠みぃ
んぁ……またなんか陰気くさい所に呼ばれたみてぇだな
お前は……今までの奴等とは違って随分若いな
一応聞くが…俺を呼んだのは、お前か?
……ま、そうだよな
外部と遮断された環境で一人きりにならないと、悪魔は呼べねぇからな
しかし、俺もまさかこんな青臭いガキに呼ばれるまで名が知れ渡っているとはな
お前、俺がどんな悪魔なのか知ってて呼び出してるんだよな?
……ああ、そうだ
じゃあ、願いを叶える見返りに俺が取引相手の大切なものを頂く、ってのも理解してんな?
よし、それじゃあ早速本題に入るとするか
…お前の願いはなんだ?
何でもいいから、3つまで言ってみろ
………
ふふ、なるほどな
如何にも青臭い小僧が考えそうな願いだ
まず先に行っておくが…
1つ目の「不老不死」ってのは厳密には叶えてやることができない願いだ
何故かって?
「不老不死」って「永遠に歳をとらねぇ」ってことと「永遠に死なねぇ」ってこと、この2つの現象に分けられるよな?
お前らは悪魔の魔法みたいなもんでどっちも一遍に叶えられるって思ってるみてぇだが、実際にはそれは無理だ
肉体の若さを保つ、っていうのと、どんな怪我や病気でも即効で治るようにする、っていうのは、その仕組みも実現の為の方法も何もかもが違うんだ
だから、それぞれ別の願いとして数える必要があるんだよ
いやー……お前ら人間って本当に面白えーよな!
悪魔と取引する奴なんて大抵「永遠の命」だの「不老不死」だのつって最初にこのミス犯すくせに、誰一人として他の奴には教えてやんねーんだもんな
他人が得して自分だけ損するのが嫌だから、とか……
本っ当……腹捩れるくらい笑っちまうな
まぁそういうことで、どうしても「不老不死」になりたいんだったら、2つ目の「大金持ちになりたい」と、3つ目の「異性にモテまくりたい」のどっちかを諦めなきゃいけねぇってことになる
どうする?
内面は知らねぇがお前の見た目なら、態々悪魔と取引しなくたって女には困らないだろうし、俺は「異性にモテまくりたい」って願いを捨てた方がいいと思うぜ?
それとも、「不老不死」を諦めてまた別の願いに変えるか?
どっちにしようが、俺はお前の選択を尊重するぜ
………
ふぅ〜ん、そっか
いいぜ、お前がその願いにしたいんだもんな
それじゃあ、お前の叶えたい3つの願いを今ここで、改めて俺に聞かせてくれ
………
よし、わかった
その願い、全て叶えてやる!
[SE:激しい稲光が迸る]
………
おい、終わったぞ
もうお前は永遠に老けることも死ぬこともなくなった
そして……ここを出た瞬間から、外で出会った全ての女が、お前に恋い焦がれて堪らなくなる
…多少個人差はあるが
良かったな
……あー、見返り?
そうだったな
見返りについてだが……実は、今はまだ決め兼ねてるんだ
本来なら取引相手の魂の一部か、その家族や恋人の命なんかを貰ったりするわけだが…
お前から魂を削り取って感情や感覚機能のどれかが欠けてるのを見ても大して面白くなさそうだし、家族や友人…というか周りの全ての人間との関係が希薄で、あんまり大切と言えるような相手も見当たらねぇからな
だから、そうだな……
100年後に見返りを貰いに来る、ってのはどうだ?
寿命のない俺ら悪魔にとっては100年なんて気づいたら経ってたくらいの短さだし、お前はその間存分にこの世の享楽に耽ることができるってわけだが…
いい提案だと思わないか?
……ははっ、だろ?
じゃあ、また100年後にな
今度は俺が自分で人間界に見返りを貰いに来るから、召喚の儀式なんてやらなくていいぞ
100年後に何を失っても、悔いが残らないように楽しんでおくことだ
…ふふ、それじゃあ元気でな
――――――
【100年後】
[SE:轟音と共に悪魔が現れる]
よぉ、元気にしてたか?
…おーい、聞いてんのか
俺だよ、100年前にお前の願いの見返りを貰うって約束した……
そう、あの部屋でお前が呼び出した悪魔だ
…ったく、やっと思い出したか
なんだか、100年の間に随分とやつれて暗い顔になっちまったな
とはいえ、老けない身体なんだから当然だが……お前は変わらず若いというか、青いな
どうだ?
俺が叶えてやった願いは、この100年の間お前の役に立ったか?
…いや、そんなこと聞くまでもないか
そもそも不老不死じゃないと若いまま100年間も生きてないし、役立ったに決まってるよな!
あー、良かった良かった
それじゃ、肝心の見返りについてなんだが…
実はな、もう貰ってるんだよ
…いや、周りの人間とかじゃない
お前自身から、だ
ふふ……お前、願いを叶えてやった当初は狂ったように女と遊び歩いて暮らしてたのに、5、60年くらい経ってからは自分から女を拒絶して、殆ど話すことも無くなっちまったじゃねえか
身体が若いままだから、何十年経とうがそういう欲求も強いままの筈なのによ
一体何があったって言うんだ?
………
なるほど…
遊んでいる時はいいが、真剣な関係を持とうとすると尽く失敗してきた、ねぇ…
不思議だな〜
俺との取引でお前はどんな女からも無条件で好かれるようになってるのになぁ
何故なんだろうなぁ?
………
…わからねぇみたいだし、教えてやろうか?
何故そうなっちまったのかと言うと…
俺が見返りとして貰ったのは、お前の「運命」だからだよ
……まだなんの事かよくわかってないようだな
お前が女と遊ぶことはできても、そいつと純粋な伴侶になることはできねぇように運命を操作した、ってことだよ
だから、お前が遊び相手を真面目なパートナーとして認識しだしたら、相手の女が急に家の事情でお前との関係を諦めたり、交通事故にあったり、急病で死んだりして、必ずそこで関係が終わるようになってたのさ
何故なら……お前の「運命」の相手は、この俺だからだ
人間の女になんか、絶対渡せねぇ
………
ははっ、もう怒ったり悲しんだりする気力もねーか
そりゃ、そうだよな
相手との関係が深くなって、恋人として意識しだす度に尽くその先の将来を断たれて…
周りの奴等も何十年経とうが歳をとらないお前を気味悪がって遠ざけて、誰にも自分の苦しみをわかってもらえなかったんだもんな
ずっと孤独で、寂しかったろうな…
だが、これからは俺がお前の傍にいる
お前を拒む人間界なんて捨てて、魔界で俺と一緒に暮らそう
………
……驚いたな、まだお前が孤独でいることを選ぶなんて
お前が嫌なのは、魔界か?それとも俺自身か?
まあ、俺は一度貰ったお前の「運命」を返すことは絶対にしねーし、このまま人間界にいてもお前は死んで苦しみから逃げることもできずに、周囲からの差別に苛まれ続けるだけだろうがな
どうする?
このまま永遠に孤独の中でもがき続けるか、俺と一緒に魔界に来るか…
どちらが良いかは、言うまでもないと思うけどな
………
ははっ、そうかそうか!
お前も本当はもうこんな世界から、一刻も早く抜け出したかったんだよな!
よし、それじゃあ今すぐ魔界に向かうとするか
逸れないように、ちゃんと俺の方を向いて、俺の手を握っておくんだぞ
…もうよそ見はすんな
俺と永遠を生きることだけを考えろ
それがお前の「運命」…なんだからな
――END――
クレジット
ライター情報
主にpixivでフリー台本を投稿している、Cybistarと申します。
ゆるボイ!では、pixivに投稿した台本(R-18指定作品は除く)と同じものを投稿していく予定です。
特に台本について厳しい拘りなどはないので、当サイトのルールに従って頂ければどんなアドリブ・アレンジ・改変もして頂いて構いません!
台本を使用される際はTwitterのDMで一言頂けると幸いです(是非、作品を拝聴させて頂きたいです)。但し、ルールではなくただの願望なので強制ではありません。
ゆるボイ!では、pixivに投稿した台本(R-18指定作品は除く)と同じものを投稿していく予定です。
特に台本について厳しい拘りなどはないので、当サイトのルールに従って頂ければどんなアドリブ・アレンジ・改変もして頂いて構いません!
台本を使用される際はTwitterのDMで一言頂けると幸いです(是非、作品を拝聴させて頂きたいです)。但し、ルールではなくただの願望なので強制ではありません。
有償販売利用の条件
台本を使用した音声作品の有料販売のような商用利用の場合は事前・事後どちらでも構わないので、必ず使用報告を行って下さい。報告が無かった場合は、台本の無断使用及び盗作と看做します。
利用実績(最大10件)
Cybistar の投稿台本(最大10件)