- 喧嘩
- 嫉妬
- 別れ話
- シリアス
- 切ない
- ダウナー
公開日2023年02月11日 00:40
更新日2023年02月11日 00:40
文字数
1470文字(約 4分54秒)
推奨音声形式
指定なし
推奨演者性別
女性演者向け
演者人数
1 人
演者役柄
指定なし
視聴者役柄
指定なし
場所
指定なし
あらすじ
天才作家はスランプに陥っていた。そんな中現れた天才新人に担当を奪われ、皮肉にもそのスランプを乗り越える。
台本の使用、改変についてはご自由にどうぞ。
使用の際はお手数ですがご一報(DMやメンションなど)いただけるととても嬉しいです。
台本の使用、改変についてはご自由にどうぞ。
使用の際はお手数ですがご一報(DMやメンションなど)いただけるととても嬉しいです。
本編
……(筆記音)
…違う…こうじゃない…(小声)
この子はこんなセリフ言わない…
いくらなんでも浅すぎる…
もっとリアルな感情を表現しないと…
でも……
あーー!もう!ダメ!全然ダメ!
こんなお粗末なキャラクター、私の小説には登場させられない。
これ以上考えても埒が明かない…
頭を冷やして思考を入れ替えなきゃ…
(インターホンの音とドアが開く音)
…はぁ〜い…なんですか。
原稿なら前回から全く進んでませんよー。
ええ、そりゃあもう疲れに疲れ切ってますよー…
誰かさんが私の作品にケチつけて、新キャラ増やせーとか、個性的な属性つけろーとか言うせいでー。
なーにがメンヘラだ、ヤンデレだ、嫉妬深いだ、性格悪いだ。
そんなめんどくさい女の思考なんて1ミクロンも共感できないね。
私が純愛至上主義なのは担当の君が一番知っていることだろう。
……もちろん君の手腕を疑っているわけではないし、そういう癖を持った読者層がいることも知っているが…
生憎私には理解が出来ない。
そして理解ができないものは書けない。
なぜならリアリティに欠けるからだ。
リアリティに欠けるものは私の理想郷には必要ない。
と、カッコよく言い切りたいところなんだが、そうも言っていられないのがプロ作家の辛いところよなー。
そういった自分の信念を曲げてでも売り上げのために書き続けている私をまずは褒めるべきじゃないかー?
なー担当さん?作家のモチベーションを維持するのも君の仕事ではないかね?
そうだ、来月あたり一緒にテーマパークに行こう。
遊園地はいいぞー?なんたって人が多い。
カップルファミリー友達変わり者、人間観察にはぴったりだ。
もちろん全て私の奢りだ。
休暇も私から申請しておいてやる。
何しろ出版社随一の稼ぎがしらである天才作家の頼みだ。
そう簡単に無下にはされないだろう。
どうだ?約束してくれたら来月まで割と頑張れる気がするんだが…
…?どうした?そんなに黙り込んで。
何か都合が悪いことでもあるのか?
あ、ああ。そういえばそんなことも言っていたな。最近私の担当と兼任で新人の方も面倒を見ていると。
その新人もなかなか調子が良いそうじゃないか。新進気鋭の天才美少女作家?だっけ?まるでアイドルのように担ぎあげられて、それはそれは随分と人気があるようで。
で?それがなんの関係がある。君は私の担当だろう?
………
は?
今、なんて…
来月には新人の方に専念することになる…だって…?
じ、じゃあ私の担当はどうなる?君以外に誰が私の…いや、違う、そうじゃない…!
なぜこの私があんな小娘に担当を奪われなくてはならない!
なあ!答えろ!答えろよ!
上が決めたこと?ならそいつの名前を言ってみろ。私が直々に抗議してやる。
私は負けていない!
たまたまシナリオに緩急をつけていたタイミングで話題性だけの新巻がかっさらっていっただけだ!
君ならわかるだろう!?
どちらが真の天才作家か!
今どちらに力を入れて売り出すべきなのか!
…まさか……君も…そうなのか…?
私よりもソイツのほうが優れていると…本気で…?
……………
……何も言わないほうが傷つかないとでも…?
それとも敢えて、か?
ならば君は本当に私のことをよくわかっている。
その沈黙は私のプライドをズタズタに引き裂くには充分過ぎる。
はは、なるほど。こういう気持ちか。
嫉妬心、独占欲、恨み、悔しさ。
今なら理解できるよ。素晴らしいキャラクターが書けそうだ。
帰ってくれ。今月ももう来なくていい。
私は忙しいんだ。
いつまでも目につく場所に居られると不快以外の何物でもない。
心配しなくとも締切には間に合うように仕上げる。
来月からも一人でやるから代わりの者はいらないと伝えておいてくれ。
以上だ。わかったらさっさと出ていってくれ。
……………………
(ドアの音)
(溜息)
…違う…こうじゃない…(小声)
この子はこんなセリフ言わない…
いくらなんでも浅すぎる…
もっとリアルな感情を表現しないと…
でも……
あーー!もう!ダメ!全然ダメ!
こんなお粗末なキャラクター、私の小説には登場させられない。
これ以上考えても埒が明かない…
頭を冷やして思考を入れ替えなきゃ…
(インターホンの音とドアが開く音)
…はぁ〜い…なんですか。
原稿なら前回から全く進んでませんよー。
ええ、そりゃあもう疲れに疲れ切ってますよー…
誰かさんが私の作品にケチつけて、新キャラ増やせーとか、個性的な属性つけろーとか言うせいでー。
なーにがメンヘラだ、ヤンデレだ、嫉妬深いだ、性格悪いだ。
そんなめんどくさい女の思考なんて1ミクロンも共感できないね。
私が純愛至上主義なのは担当の君が一番知っていることだろう。
……もちろん君の手腕を疑っているわけではないし、そういう癖を持った読者層がいることも知っているが…
生憎私には理解が出来ない。
そして理解ができないものは書けない。
なぜならリアリティに欠けるからだ。
リアリティに欠けるものは私の理想郷には必要ない。
と、カッコよく言い切りたいところなんだが、そうも言っていられないのがプロ作家の辛いところよなー。
そういった自分の信念を曲げてでも売り上げのために書き続けている私をまずは褒めるべきじゃないかー?
なー担当さん?作家のモチベーションを維持するのも君の仕事ではないかね?
そうだ、来月あたり一緒にテーマパークに行こう。
遊園地はいいぞー?なんたって人が多い。
カップルファミリー友達変わり者、人間観察にはぴったりだ。
もちろん全て私の奢りだ。
休暇も私から申請しておいてやる。
何しろ出版社随一の稼ぎがしらである天才作家の頼みだ。
そう簡単に無下にはされないだろう。
どうだ?約束してくれたら来月まで割と頑張れる気がするんだが…
…?どうした?そんなに黙り込んで。
何か都合が悪いことでもあるのか?
あ、ああ。そういえばそんなことも言っていたな。最近私の担当と兼任で新人の方も面倒を見ていると。
その新人もなかなか調子が良いそうじゃないか。新進気鋭の天才美少女作家?だっけ?まるでアイドルのように担ぎあげられて、それはそれは随分と人気があるようで。
で?それがなんの関係がある。君は私の担当だろう?
………
は?
今、なんて…
来月には新人の方に専念することになる…だって…?
じ、じゃあ私の担当はどうなる?君以外に誰が私の…いや、違う、そうじゃない…!
なぜこの私があんな小娘に担当を奪われなくてはならない!
なあ!答えろ!答えろよ!
上が決めたこと?ならそいつの名前を言ってみろ。私が直々に抗議してやる。
私は負けていない!
たまたまシナリオに緩急をつけていたタイミングで話題性だけの新巻がかっさらっていっただけだ!
君ならわかるだろう!?
どちらが真の天才作家か!
今どちらに力を入れて売り出すべきなのか!
…まさか……君も…そうなのか…?
私よりもソイツのほうが優れていると…本気で…?
……………
……何も言わないほうが傷つかないとでも…?
それとも敢えて、か?
ならば君は本当に私のことをよくわかっている。
その沈黙は私のプライドをズタズタに引き裂くには充分過ぎる。
はは、なるほど。こういう気持ちか。
嫉妬心、独占欲、恨み、悔しさ。
今なら理解できるよ。素晴らしいキャラクターが書けそうだ。
帰ってくれ。今月ももう来なくていい。
私は忙しいんだ。
いつまでも目につく場所に居られると不快以外の何物でもない。
心配しなくとも締切には間に合うように仕上げる。
来月からも一人でやるから代わりの者はいらないと伝えておいてくれ。
以上だ。わかったらさっさと出ていってくれ。
……………………
(ドアの音)
(溜息)
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ライター情報
pixiv,twitterで活動しているフリー台本師です。得意な系統はストーリー性のあるタイプの台本です。よろしくお願いします。
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