（放課後、人のいない教室にて）

（教室のドアを開ける音）

...ったく、いきなり呼び出して、なんの用だァ？

第一、今日はお前の家でテスト対策の勉強する予定だっただろーがよォ...。

時間もねぇんだから、さっさと下校すっぞ、オラ。

...あぁん？

大事な話がある、だと？

ハァ...お前なぁ...。

そんなもん、家でもできんだろーが...。

...まー、いいや。

ホラ、とっと済ませろよ。

......は？

オレと、別れたい...？

...ハハハ！

...ナマ言ってんじゃねェよ...。

お前、忘れたのか？

オレとお前は、罰ゲームで付き合ってるフリしてるだけだ。

それを取り消すってことは、スケバンのオレにケンカ売るってことだぞ？

いい機会だから、よく覚えとけ...。

お前みたいなヒョロガリのオタク風情がなァ、オレに楯突くなんて、百年はえーんだよ！

（ヤンキー娘が主人公の胸倉を掴む）

...な、なんだよ、その目は...。

今までそんな反抗的な態度とってこなかったクセに...。

...ハァッ！？

明日からは委員長と、付き合うだと？！

...ウ、ウソ言ってんじゃねーよ！

お前ごときが、あの見た目も頭も完璧な委員長と付き合えるわけねーだろうが！

そもそも、お前と接点すらなかったあの女が、なんで急に...。

...そうか、そういうことか。

やっと分かったぞ。

お前、あの女に騙されてんだよ。

アイツ、お前に罰ゲームで告白して、後でバラすつもりなんだ。

ったく、慌てて損したぜ。

...委員長は、そんなことしないだと？

お前、本気（マジ）で言ってんのか？

ハァ...なんにも分かってねぇんだな...。

お前みたいな根暗野郎を、あの委員長様が好きになるなんて、ありえねーだろうが。

どう考えても、裏があるに違いねェ。

だから、お前は今まで通り、オレだけを見てりゃいいんだよ。

まぁ、罰ゲームだからといって、お前を見捨てたりはしねーから、心配すんな。

...って、な、なに怒ってんだよ！

別に変なことは言ってねぇだろうがよ！

......え？

我慢してただけで、オレのことは最初から嫌いだった...？

お、お前、なに、言って...。

そ、そんなわけねーだろうが！

だったら、今までのことも、全部罰ゲームだから我慢してたっていうのかよ！？

2人でゲーセン行って遊びまくったことも、バイトで貯めた金で夏休みに2人きりで旅行行ったことも、全部...ッ！

ウソだ...ウソだウソだウソだッ！

そんなの、認めねェ！

オレは、オレは...！

...って、なに勝手に帰ろうとしてんだよ！

...委員長を待たせるわけにはいかないって、まさかお前...！

オ、オイ、今日はオレの約束が...あッ！

（ヤンキー娘が椅子に足を引っかけて転ぶ）

痛ってぇ...あ、ま、待て！

話は終わって...！

（主人公が教室のドアを閉めて立ち去る）

...クソ！

アイツ、オレが転んだのに見向きもせずに帰りやがって...！

本当に、オレのことが...。

...違う。

アイツがいきなりあんな強気になれるわけがねェ。

...あの女だ。

あの女が、アイツに変なことを吹き込んだんだ...。

そうだ...それしか考えられねェ。

チッ...ヒトの彼氏（モン）に手ェ出しやがって、あのアマァ...！

許さねェ...ぜってーに許さねぇッ！

アイツを奪い返したら、死ぬよりも痛い目に遭わせてやるからなァ！

それまで、首を洗って待ってろ、委員長ォ！

・台本（ゆるボイ！）
【男性向け】罰ゲーム【ヤンデレ】
https://twitter.com/yuru_voi

・台本制作者
平 朝臣