あなたは、人里から少し離れたお屋敷のお嬢様の元へ毎日通っています。
そこのお嬢様は、実は深窓の令嬢というやつで、世間知らずなのでした。

そんなお嬢様をすこしからかって、あまあま耳かきをしてもらいましょう！

ほら、お茶が入りましたよ

さぁ、どうぞ召し上がってくださいな

んふふ、お味はいかが？

今日の茶葉は、イギリスという外国の国から取り寄せて来たそうなんですの

ふふ、イギリスって結構近いのね

……え？　それほどでもない、ですか？

それでは、一昨日頼んだ茶葉が昨日届いたのはなぜ？

……まぁ！　ユソウシュダン？　というのが発達しているのですね！

もう少し詳しく聴かせていただけないかしら？

……え？　いえいえ、あなたのするお話はとても面白いですわ

私、あまり世間のことは知らないものですから……

あまり体も強くありませんし、それもあって、お父様がお外に出してくださらないのです

ああ、ここでは皆さんがよくしてくれますから、不満はありません

ですけれど、あなたのようにお外から来てくれた方にいろんなお話を聴くのも、楽しい刺激になるんです

えっ？　あまりに世間知らずすぎる？

そ、そうでしょうか……そうでしたら、申し訳ありません

……そ、それは……

ま、待ってください……私、あなたにいなくなられてしまったら、とても寂しいです……

もう少し、考え直してくださらない？

きっと、この先もあなたが楽しめるようにいたしますから……

なにか、ですか？

……そう、ですね

博識なあなたには教えられてばかりですし……

私からもあなたにできることがあればいいんですけれど……

……それでは、こういうのはいかがですか？

私が、あなたに耳かきして差し上げます

こちらも、私が普段使っている、気持ちのいい木製の耳かき棒なのですけれど……

どうでしょう……？　これで、あなたにも恩返しができますし、気持ちよくなってもらえると思うのですが……

いいですか？

まぁ、よかった……！

それでは、私、精一杯頑張りますね♪

きっと、またここに来てお話をしたいと言っていただけるように……

では、膝に頭をのせていただけますか？

さぁ、どうぞ……♪

//膝に頭をのせ
//以下右10cm

どう、でしょうか……？　膝枕、どこか変ではないですか？

もう少し私側の方がいい、ですか？

そ、それは……え、っと、その……

あ、はい、大丈夫ですよっ、あなたに気に入ってもらえるのでしたら！

さ、もう少しこっちにおいでください

//衣擦れ

ん……な、なんだか、あなたのお顔が、お腹に当たってるような気が……

まぁ、確かに気にする必要は、ないかなと思いますけれども……

ま、まぁそうですねっ、気にしていたらあなたをお待たせすることになってしまいます

始めましょうか

//右耳かき開始

……ん、こんな風でよろしいですか？

優しくやっているつもりですが、痛いとか強すぎるとかはございませんか？

……それならよかったです♪

では精一杯尽くしますので、どうか、ゆっくりして、また私を見直していただければ幸いです♪

//任意時間無言

あの……どうでしょう？

気持ちいい、でしょうか？

そうですか？　よかった……

あなたに嫌われたらと思ったら、とても、胸がしめつけられるような心地がするんです

あなたはここで、私の膝の上で安らいでいるというのに

どうしてか、あなたがいないときと同じ気持ちなんです

……え？

い、いえ、そんな、大それたことは考えていません

あなたをここに閉じこめておこうだなんて、鬼畜の所業ではありませんか

私は……ただ、胸に空いた穴のようなものを、感じてしまうのです

どうしてでしょう……あなたと一緒にいられるのに……

この感情は、いったいなんなのでしょうか？

//任意時間無言

……え？

今の私の感情ですか？

……あ、甘えたい？

そ、そうだったのですか……！

ああ、私ったら……

でも、言われてみればその通りかもしれませんね……

だって、今までだってあなたに甘えていたものでしょう？

私の淹れた紅茶を飲んでもらったり、昼食をご一緒していただいたり、私の歌やお話を聞いてもらったり……

ええ、そうですね……

その上、あなたには外のことを聴いてばかりで……

ふふ……私は、だめな娘です

きっと、お父様もそれを見抜いていらっしゃったんでしょう

私はたくさんの人や、今の技術には付いていけないだろうって

皆様、本当にお優しい……

もちろん、あなたもですわ

ありがとうございます、心から、感謝しております

ですので、私なんかのお膝でよければ、どうぞ、いつまででもおくつろぎください……♪

//任意時間無言

……あの

すみません、こんな時に不躾なお願いなのですが……

もっと、甘えさせてはもらえませんか？

あのっ、とてもわがままなお願いだとは思うんです

けど、どうしても、お膝だけじゃ物足りなくて……

すみません、お願いです……！

いい、ですか？

……ありがとうございます♪

それでは、失礼します……

//耳かきやめ

//座り直し、あなたの顔にお嬢様が顔をそっと被せる

//以下右至近距離無声囁き

ああ……とても、いい心地です……

呼吸音が身近に聞こえて、生きているあなたを実感できる……

優しいあなたの息づかい……とても、落ち着きます……

……耳かき、ですか？

……もうちょっとこのままでいさせてはもらえませんか？

私とこうして肌を重ねるのは、暑苦しいかもしれないのですが

もう少し、もう少しだけ……

//任意時間息のみ

……ん、ではそろそろ、耳かきを再開いたいましょうか

どうしますか？　左耳に移ってもよろしいでしょうか？

はい、では左を上に向けてください♪

//左へ移動

以下左10cm

あ……そ、その、またお腹にお顔が……

いえ……そ、その、なんでしょうか

恥ずかしいという気持ちが、お腹にたまってじんわりとしている気がするのです……

私の……へ、変じゃないでしょうか？

コルセットがなくとも細く保つよう、努力は欠かさないようにしているのですが……

え、え？　ふにふにしている、ですか？

……それは、その……太っているのでしょうか？　それとも誉めてくださっているのでしょうか？

誉めているのですか……えへへ、よかったですっ

私のお腹、ふにふにでいいでしょう？　んふふっ

では、そのまま堪能していてください

その間に、耳かきを終えてしまいますから

//左耳かき開始

//任意時間無言

ふふ、誉められてしまいました♪

そうしてくださったっていうことは、もうお許しくださったってことですよねっ？

……え？　ま、まだですか？

私のふにふになお腹では、まだ足りませんでしたか……？

それでは……そ、そうですね……

もっと柔らかいところ……あっ

そういえば、最近、またおっきくなってきたんですよっ

こちらとかはどうでしょうかっ？

手で触ってみませんか？

……え？　遠慮する、ですか？

そうですか……す、すみません、ちょっとはしたなかったかもしれません……

私ったら……もう……！

//任意時間無言

ね、ねぇ？

私、役に立ちますよね？

耳かきを丁寧にこなせる女として、重宝すると思うのですっ

こんなことしかできませんが……どう、でしょうか？

……これだけじゃだめ、ですか？

それでは、どうすれば……？

……もっと教養を、と言いますと？

一般常識？

……確かに、私には少ないのかもしれません

経験もありませんし、その……お父様やメイドたち以外とは、全く会いませんから……

……で、では、お願いがあるのです

今度からは、正式にあなたを雇います

私のお小遣いからですが、それでお願いできませんでしょうか？

全部……は困ってしまいますが、週に三桁万円くらいはお渡しいたします

どうでしょう？　それに耳かきや、お気に入りのふにふにお腹や、お昼ごはんにお昼寝もついております

ですから、一般常識の家庭教師として……

だめ、でしょうか？

……え？

な、なぜだめなのでしょうか？

え、お金はもらえない？

で、でも……

やる気を出してくれて嬉しい？

……あっ

あなたは、もしや……

そうだったのですね……私を、きちんと世間で生きられるようにと焚き付けてくださって……

ありがとうございます……とても嬉しいです……！

なんとお礼を申し上げれば……

え？　今までの通り接してくれればいい？

まぁ……ありがとうございます……！

やはり、あなたはとても素晴らしい方ですね

父は、俗世は汚れており、男性はもっとひどいと言っておりましたが……

私……あなたとだったら……

これからも末永く、よろしくお願いしますね？

んふふっ

//任意時間無言

//左耳かきやめ

ん、これでどうでしょうか？

んふふ、満足いただけて、よかったですっ♪

はい♪　私、これからは自分で、きちんと勉強します！

ですから……あなたも、ずっとそばにいてくださいね？

ずっと、ずーっと……頼らせてください♡

んふふふ♪

・台本（ゆるボイ！）
深窓の令嬢が大好きな君を引き留めるために耳かきしてくれる！
https://twitter.com/yuru_voi

・台本制作者
空上新奇