童貞を卒業すべく、デリヘルを呼ぶことにした貴方。しかし、訪ねてきた彼女は高校の頃、同じ部活に入っていた元後輩で…？

あの…先輩。いつまでわたしに背を向けて、念仏唱えてるんですか？いい加減、ヤることヤりましょうよ…


それは…わたしも予想外でしたけど。でも、仕方ないじゃないですか。何も知らずに、わたしを呼び出した先輩が悪いんですから…


大体デリヘルくらい、ちゃんと顔見て決めましょうよ…何で一番高いコースのやつを、お任せでサクッと決めちゃうんですか…童貞のくせに。


……童貞は否定しないんですね。相変わらず、変なところでバカ正直なんですから…


(ため息)


それで？先輩はわたしとヤりたくないんですか？


このまま何もせずにダラダラ過ごしても、お金は払ってもらいますよ？まさか、わたしと駄弁るためだけに、安くないお金を払う気ですか？


……まぁ気持ちは分かりますけど。高校で同じ部活やってた、元後輩ですし。


なんやかんや、青い春を共にした仲ですから…再会していきなり、肉体関係を持つのには抵抗ありますよね…一応、気持ちは分かりますよ？


けど…わたしたちはもう子どもじゃありません。それくらい、先輩だって分かっているはずです。


わたしもこんな仕事とはいえ、きちんと社会人やってるわけですし…このまま何もされずにお金だけもらうってのは、プロとしてどうかと思うんです。


はい。これも仕事ですから。だから先輩はちゃっちゃと抱いちゃってください…わたしのこと。


…？先輩？いきなり何言って…


…ッ！そ、そんなふうに思い出ほじくり返されても困ります…！今のわたしたちはもう大人で…！


そう、ですか…先輩にとって、わたしは女じゃなくて、あくまで可愛い後輩なんですね…


はい…分かりました、チェンジですね。至急、お店に連絡して…連絡、して…


…嫌です。チェンジなんて、絶対嫌です…！


だっ、だって…！先輩は、あの頃からわたしにとって大切な先輩で…！初めて意識した相手だったんですよ…⁉︎


冗談なんかじゃないっ…！あの頃のわたしはチキンで、告白なんて怖くて絶対できなくて…！


それで先輩はそのまま卒業しちゃって…！ずっと、ずーっとこの想いを胸の中にしまい込んでて…！


先輩以上の男の人はこれから先、現れないんだろうなって、諦めてて…！この仕事に就いてからも、ずっとそう思ってて…！


でも…今日偶然、本当に偶然出会えたんです…！


だからこのチャンスは絶対、逃したくないっ…！先輩に他の女を抱いて欲しくないっ…！


先輩はバカでヘタレですけど…優しくて誠実で、いつもわたしのこと大切に扱ってくれたから…！そんな先輩に今、抱いて欲しいんです…！


せん、ぱい…困らせちゃってごめんなさい。


けど、敢えて言います…好きです、先輩のこと。


だから一番に抱くなら、わたしにして…？


勝手なのは分かってます…こんな仕事をしてますから。他の男の人とそういうことはたくさんヤってきました…


でも…それでも、先輩への想いは変わらないつもりです。ずっと前から…高校の頃から好きでした。


辞めますよ…？先輩がわたしの想いに応えてくれたら、この仕事は辞めます…ちゃんと先輩だけのモノになりますから…


(彼の胸板に顔を埋める)


あったかい…先輩の身体、すごくあったかいです…


高校の頃は触れることすら、出来なかったですけど…今なら先輩のこと、ちゃんと受け止められます…


(顔を上げて、彼の目を見てハッキリ言う)


きて…？今度は先輩から…


わたしはちゃんと先輩に想いを伝えましたから…先輩もわたしに、本当の気持ち伝えて…？


ふふっ…分かりますよ？優しい先輩は敢えて言わないんでしょうけど…わたしに欲情してるんでしょう…？


仕事柄、女磨きは怠っていませんから…先輩にそういう目で見られるのも、当然だって思ってます。


先輩…あまりわたしに恥をかかせないでください。こんなこと言うの、本当に先輩だけですから…ね？

・台本（ゆるボイ！）
【純愛】デリヘル嬢となった後輩との再会
https://twitter.com/yuru_voi

・台本制作者
松平蒼太郎