※この台本は「千夜一夜物語」のオマージュ要素を含みます。

一度死んだあなたは、ダウナーなネクロマンサーの青年に蘇生されます。
記憶も無く訳も分からず困惑するあなたを、ネクロマンサーは呆れて罵倒し、脅してきます。

ソフトSのネクロマンサーに罵倒される台本です。
少年ネクロマンサーでも、口調を変更して女性ネクロマンサーでも、ご自由に改変してください。

あーあーあー……そんな泣き喚かれても困るんだよねえ……。

何回言ったら分かるの？

君は、一度、死んでるの。

それを、僕が、蘇らせたの。

いい？　今の君は僕の人形。都合よく動くしもべ。

なのにずっと泣きっぱなしで……めんどくさ。

もう一度土の下に埋めてやろうか？　ったく……。


何も覚えてないのなんて当たり前だし、そもそも下僕に記憶なんて要らないでしょ。

死んだことで失くしたものは僕には戻せないよ、諦めな。

それにね、あんまりギャーギャー喚くなら……。

……その喉、潰そっか？　ね？

僕が欲しいのは蓄音機じゃなくて、忠実なしもべなんだよ。

泣き叫ぶしか能の無いゴミなら、もう一度土の下に埋める。


……そう、良い子。

そうやって僕に怯えて、黙って言う事を聞いていればいい。

言う事を聞いているうちは、悪いようにしないからさ。


……でー、あぁ……そうだ。

話し相手が欲しくて死体を掘り出したんだけど……君には期待出来なさそうかなぁ。

何か別の仕事でもやってもらおっか？

もう一体の死体を掘って来てもらうとか。

君のこと掘り出すの、かなり苦労したんだから。


……話し相手？　なれるの？　君に。

ふぅん……まぁ、変に泣き喚かないならそれでいいよ。

なんとなくつまらなくなって、気まぐれでちょっと話したかっただけだし。

気が済んだらその後は奴隷ね。


……あは、はは……。

何？　急にインテリア褒めるとかさぁ……ご機嫌取り？

奴隷になりたくないんだ。

わっかりやす……一回死んでるからバカになってるのかな？


面白いから、ひとつ良いことを教えてあげるよ。

昔々あるところに、妻に裏切られて女性不信になった王がいてね。

町から娘を連れて来ては毎日毎日殺して新しい娘を連れて来させたんだ。

でも、とある娘が勇気を出して王の元へ向かった。

殺されたくない娘は、王に物語を聞かせるんだ。

続きを聞きたい王は、娘を殺さずに手元に置き続けた……。


……っくく、君がやろうとしてることに似てるなぁってちょっと思っただけだよ。

でもさ、君は勇気ある女性じゃなくて、ただ恐怖から逃げたいだけの臆病者だよね。

よく考えて欲しいんだけど、一度死んでるのに未来なんてあると思う？　ないよね？


……ま、せいぜい僕の機嫌を損ねないようにね。

滑稽なうちは『オモチャ』として置いておいてあげる。

つまんなくなったり僕をイラつかせたら……その時は、ふふ、あーあ。

また泣いちゃった。

でも今のは許してあげる。

……これはこれで面白いって、気付けたから……さ。

あはっ、あははは……っ！

・台本（ゆるボイ！）
【ダウナー罵倒】土の下と千夜一夜
https://twitter.com/yuru_voi

・台本制作者
弐橋 葉