//幼馴染宅に帰宅

……遅い

非常に帰りが遅い

お前、また勉強か？

//「ごめん……」

ごめんじゃ困るだろう

今までも、何回も門限を破りおって……もう17時じゃないか

ほら、早くあがって私の部屋に来なさい

飢え死にさせる気か、まったく

……なぁ、ニンゲンだからって忘れっぽいとかじゃないよな？

ちゃんと幼馴染の私のことはわかっているよな？

//「う、うん……」

はぁ……心配だ、一応、再度言い聞かせるか

なに？　もう何百回と聞かされた？

たったの百回ではないか

ニンゲンがそれくらいでわかるとは思えないがな、最低でも万は聞かせるべきだ

いいか？　真祖の吸血鬼の一族である私が、お前をわざわざ学校に通わせてやっているんだ

毎日楽しいだろう？　ニンゲンに囲まれてさぞ生きている感覚を味わえるのだろう？

それなら、金を出してやっている私には、お前の一番を差し出さなければならないのは、昔からよくよく言い聞かせてきたよな？

お前と共に育ってきた私に、その若い血と時間を捧げると約束しただろう？

昔は、私にべったりで甘えん坊で、お姉ちゃんお姉ちゃんと可愛かったものを……

同い年だって気づいてから、急に態度を変えやがって……

//「そうだけど……僕たち、同い年じゃないか」

同じ歳？それだから？

私は高貴な真祖の吸血鬼で、ニンゲンどもを裏から操っている家の生まれなんだぞ

そこで、お前に情けをかけてやってるんだから……

//「はいはい、わかったよ……ほら、血、欲しくないの？」

……まったく、話は最後まで聞かないか

まぁ、確かに腹は減ったからな、いただこう

それでは、今日もいただくぞ……

//「あ、今日はできるだけ少なめで……」

少なめ？　それで私の腹は満たせないぞ？

今日もギリギリまで吸ってやるから……あとはベッドで放心すればいいんだ

さぁ、いくぞ？

//吸血

//後日

//「た、ただいま……」

遅い

今日も遅かったな

私を待たせて、いったいなにがしたいんだ？

お前に金を出しているのは私だ、私の小遣いで生きているんだぞ

つまり、お前は私の血を吸って生きているも同然

なら、お前も健康で美味な血を差し出すのは、当たり前のはず

……なぁ、もう限界なんだが？

お前について我慢するのも待つのも限界なんだが？

どうしてくれる？　今すぐ発散させてくれよ

なぁ、なぁ？

//「ごめ……」

謝るな

謝罪が欲しいんじゃない

ほしいのは……

//すがるように右至近距離囁き
お前なんだ……お前が、欲しくて欲しくてたまらないんだぁ……！

もういいか？　いいよな？　好きにしていいよな？

私に媚びる様が素敵だったのにな……はぁ……

しかたない、か

幼馴染だからって、甘やかしすぎた

金を与えたのに、勉強を許してしまった

もう、私以外を見ることは許さないからな

お前を奪う学校にも、勉強にも、もう金を出さない……

代わりにお前を縛り付けておくものに投資しよう

その方がいいな？いつでも血が飲めるし、いつでも会話できる

//甘く右至近距離囁き
お前の吸血後のトロアへ顔も、見放題というわけだ

ふふ……やだ、じゃないだろ？

ただ受け入れろ

そして、私に血を捧げるだけの人形になろうな……


//右至近距離囁き
そっちの方が、お前も私も幸せなんだから

・台本（ゆるボイ！）
お金を出して学校に通わせてくれるヤンデレのお金持ち旧家の真祖吸血鬼幼馴染はそもそも勉強させずに家に縛り付けて甘々吸血だけしていたい
https://twitter.com/yuru_voi

・台本制作者
空上新奇