人間の生きる世界である現世と妖の生きる世界である幽世が繋がってしまった世界のお話です。
聞き手は人間と妖の共存を目指して日々活動しています。そんな妖との交流の中で知り合った妖である妖姫とのお話です。

……！まぁ！人間様…！！
来てくださったのですね…！！

お会いできて嬉しいです…！
さぁ、さぁ…！こちらにいらしてくださいな…！

人間様、今日はどのようなご用でこちらにいらしたのですか？

(………)

まあ……！お近くで人間と妖の集会があって私の所にも寄って頂けたと…！

ああ！！私、感激です！
私なんかの為に人間様の貴重な時間を割いて会いに来てくださったんですね…！

(………)

「私なんか」なんて言わないで…？
あぁ…！なんとお優しい…！！
ええ、そうでございますね！
人間様にお慕い頂いているこの身、それを貶すは人間様を貶すと同義！！

今後あのような発言は慎むように致します。
ご不快な思いをさせてしまい申し訳ございません…！

すみません…少し取り乱してしてしまいました。
(深呼吸)

人間様のご活躍、私の耳にも入ってきていますよ。現世と幽世が繋がって久しいですが……
人と妖の間で争いが起きていないのも、人間様の
努力あってこその結果。流石の一言に尽きます。

ですが…最近少々働き詰めているのではないでしょうか…？
人間と妖怪を繋ぐ架け橋としてご活躍されている偉大な人間様…
とはいえ、休息も必要でございましょう？

実はお疲れの人間様にとっておきの品物があるのです…！
もし、お時間があるようでしたらぜひお試しになって頂きたいと…

(………)

…そうでございますか！
では、ここは人目につきます故、私の部屋へ参りましょう…！

(………)

ご安心ください、人間様。
なにもやましいことをしようだなんて考えていません。
ただ………二人きりで人間様を癒して差し上げたいと…

(………)

ありがとうございます。人間様！
では、お部屋へ参りましょう…！

さあ！お入りください、人間様。
お品物というのは、こちらの…特製の耳かき棒にございます。
幽世の木材を使用した一級品でして、ひんやりとした感触と程よい硬さの品物です。

現世では、味わえぬ感覚をお楽しみいただけるかと。

加えてこちらが幽世で調合されたお香にございます。
私自ら素材を厳選し、調香したものになりますので、効果は保証いたします。

本日はこの耳かきと香で、人間様をお癒ししたいと思うのですが…よろしいでしょうか…？

(………)

はい！
それではまず、香を焚かせて頂きますね。
……これでよし…と。

……人間様…？
一つお願いがあるのですが、聞いていただけますか……？
実は私、「ひざまくら」なるものをやってみたくて……
ただ私、あまり肉付きが良い方ではないのであまり心地良くないかもしれないですが…

(………)

…本当ですか！
では、こちらに！

どうでしょうか…？
痛かったりしませんか…？

(………)

良かったです…！
それでは、このまま耳かきを始めていきますね。

【耳かき開始】
こちらのお耳から…失礼しますね。

丁寧に、ゆっくりと……
何かあればすぐお申し付けくださいね。

香の香り、お嫌いではありませんか？

(………)

…そうですか！
良かったです…！
実はこのお香、人間様を想って調香したものなんです。
気に入って頂けたようで、私感激です…！

うーん…
人間様、もしかして緊張していらっしゃいますか…？

(………)

ふふふ…いつも凛々しくて、頼りになる人間様にもこんな一面があるのですね。
可愛らしくて、とっても素敵です。

ですが人間様、どうか肩の力を抜いてください。
今この空間には人間様と私の二人だけ…
何も緊張することはございませんよ。

さあ、力を抜いて全てを私に委ねてください……

私と一緒に深呼吸してみましょう。
(深呼吸)
ふふふ…お上手です。
そのままゆっくりと沈んでいくような感覚を意識してください…

人間様、随分お疲れだったのですね。
お顔がとろんと蕩けてます。ふふふ…
私のご奉仕、じっくりとお楽しみくださいね。

深いところも掻いてゆきますね。
ゆーーっくりと………慎重に………

耳に意識を集中させて…
耳かきの感覚…息遣い……体温…
私の全てを感じてください…

人間様、少しじっとしていてくださいね。
(耳ふー)

びっくりさせてしまいましたか…？

(………)

…気持ちよかったですか？
なら良かったです…！

それではこちらのお耳はここまでにしておきましょう。
耳かきのしすぎで、人間様のお耳を傷つけるわけにはいきません。

人間様、反対側を向いて頂けますか？
はい、ありがとうございます。
こちらのお耳も耳かきしていきますね。

実は私、人間様が他の妖と関わっているのを見るとどうしても嫉妬の念を抱いてしまうのです……

良くないとわかっていても抑えられないのです…
不出来な私をお許しください…

本来、嫉妬なんて感情は必要ないのです。

人間様がどこで誰と何をしていようと、私は受け入れたい…

人間様の全てを肯定し、そして受け止めたい……
私を求めて欲しい…
そして私の全てを人間様に捧げたい………

溶け合うように堕ちて行きたい……

ごめんなさい…少々お喋りが過ぎましたね。
申し訳ございません。

気にせず楽にしてくださいね。

そろそろこちらのお耳も奥の方を掻いてゆきますね。

ここからは、私の言葉でも人間様を癒しへと誘導いたします。
人間様、私の言葉と耳の感覚だけに集中してください…

人間様はとても深く暗い闇の中にいます。
それはとても温かな闇です…
人間様を包み込むような優しい闇…

深く…深く沈んでゆく……
もがくこともせずに、ただゆっくり…ゆっくりと堕ちてゆく………

自身の形もわからなくなるほどに…
溶けて…崩れてゆく……

恐れることはありませんよ。
このまま意識を手放してしまいましょう…

(耳ふー)

【耳かき終了】

ご安心してお眠りください、人間様。
目が覚めるまで私がずっとお側におります。

愛しい、愛しい私の人間様…

しゃみがめ

ヤンデレお嬢様な妖姫ちゃんの籠絡耳かき

管狐ちゃんは大好きな主人様を耳かきで癒したい

神様のふりした狐っ子の懇願耳かき
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・台本（ゆるボイ！）
ヤンデレお嬢様な妖姫ちゃんの籠絡耳かき
https://twitter.com/yuru_voi

・台本制作者
しゃみがめ