勇者であるあなたは、村人に迷惑をかける魔物娘(演者)を退治しようとするが、その際に魔力が暴走して身体が虫のように小さくなってしまう。
立場が逆転したことで、態度を豹変させた魔物娘は、あなたを捕まえて痛めつける……。

ひっ……！
な、なんで、こんなところに勇者がいるのぉ……？

わ、私、悪い魔物じゃないよ？
ほんとほんと！ 人間さんたちとは仲良くしようと思ってるもん！
……そ、それ、は……ひ、人違いじゃないかな～……あはは……ひぃっ！？

待って、見逃して？ 反省するし、ちゃんと心入れ替えるから、お願い、来ないでよぉ……！
やだ、だれか、助けて……！


(これ以降のセリフはエコーをかける)
あれ……？
いなく、なっちゃった……？


……えぇっ！？
こ、これ……さっきの勇者、だよね……？
なんか、石ころぐらいに、ちっちゃくなってるけど……。


(呟くように)
これって、もしかして……。

……えいっ！

(SE：その場で足踏みをして、地鳴りのような轟音が響く。以下足踏み)

あっ……。
……ふふっ。どうしたの？ 尻もちなんかついちゃって。
……それっ！

(SE：足踏み)

あはっ……♪
それに、なんだか情けな～い悲鳴が聞こえてくるんだけど……♪
さっきから、足踏みしてるだけなんだけどなぁ……♪

あれぇ？ 私と追いかけっこしたいの？
よーし、負けないよ～？ ま～て～！

(SE：足踏み)

くすっ、一歩で追いついちゃった。
はい、捕まえたーっと。

わ、軽ーい……！
……ふふっ。さっきまで、こんなのを怖がってたなんて、なんだか笑えちゃう。

ねぇねぇチビくん、ザコだと思ってた相手の指先につままれてる気分はどう？
きっと、弱い者いじめをしようとしたから、バチが当たったんだね！
そんな悪い子には～、お仕置きが必要だよねぇ～？

……そういや、勇者って、どんな味がするんだろう？
ちょうど一口サイズだし、いいよね？
あ～～～ん……。

え～？ おいしくないの？ 本当に？
ふ～ん……おいしくないならいいや、ポイッて放り捨てちゃおうかな～。

あはっ、それもいやなんだ？ もう、わがままだなぁ。
じゃあ～……おもちゃになってもらおうかな。

もうかたっぽの手に持ち替えて～……あはは、顔から下がぜーんぶ手の中にすっぽり収まっちゃった。
……いくよ～？

ぎゅううう～～～。

ほらほら、もっと握り締めちゃうよ～♪
ぎゅううう～～～。

今度は小刻みにしてみよっかな♪
ぎゅ、ぎゅ、ぎゅ、ぎゅっ♪

あはは！ 面白い音が鳴るね、これ！
そっかぁ、チビくんは、音の出るおもちゃだったんだね。かわいい～♡

鳴き声もそうだけど、さっきから頭をぶんぶん振ってるのが面白いなぁ。
ね、苦しい？ そっかぁ、でもやーめない♪
ぎゅ～～！

はい、一旦休憩～っと。

ん、どうしたの？
……ふーん、許してほしいんだぁ。
どうしよっかなぁ～……。

くすっ、すっごい必死～。
じゃあ～……土下座、してみて？
私の手のひらの上、ちょうどいい広さでしょ？ ほら、はーやーくー♪

あはっ、凄ぉい♪ あの勇者が、完全に私の言いなりになっちゃってる♪
いいよ。じゃあ、このまま持って帰って、私のペットにしてあげる。

なぁに？ 文句あるの？ また『ぎゅー』しちゃうよ？
……うん！ よく言えました。

あー、楽しみだなぁ。帰ったら最初に、友達を集めて自慢しよーっと。
その後はぁ……みんなでい～っぱい、遊んであげるからね？

・台本（ゆるボイ！）
縮んでしまった勇者はザコ魔物娘に痛めつけられる
https://x.com/yuru_voi

・台本制作者
くるっくー