放課後、クラスの男子にせがまれてエッチをしていると、クラスでも影の薄い別の男子が入ってきた。何事もなかったかのように立ち去ろうとする彼だが、貴女は彼が自分のことを言いふらすのを恐れ、無理やり彼を引き止める。そこで彼が提案したのは、「愛してるゲーム」というもので…？

(夕暮れの廊下を歩く)


あ〜〜…教室に課題忘れちまったよ…ついてねーな。いや、フツーに俺が悪いんだけどさ…


(教室の扉を開くと、エッチをする男女の姿が)


あー…やべ。さーせん、課題取ったらすぐ出てくんで…


(男の方が慌てて服を着て出て行く)


……なんだぁ？アイツ…女ほっといて逃げ出すなんて情けねーなー…


…で？君はどーすんの？彼氏、追いかけなくていいわけ？


あ、そう…彼氏じゃないんだ。彼氏じゃないのに、エッチしてたわけ？


あー、はいはい…俺には関係のうござんしたねー。さーせんっした〜…


(机の中から課題を取り出す)


お、あったあった。これがなきゃ、課題できねーし…先生に怒られちまうな〜。


…え、何？俺、もう帰るけど？君も帰れば？彼氏は帰ったぞ？


ごめんごめん。彼氏じゃなかったんだっけ？じゃあ、俺は何も見なかったってことで、さいなら〜…


(彼女に止められる)


…いや、何？だから俺、もう帰るって…


はぁ？やだよ。なんで君とエッチしなくちゃいけねーの？理由がないじゃん、理由が。


いや、口止め料って…そんなことしなくても、誰にも言わねーから。だからそこ、退いてくれる？


うわ、めんどくさ…せっかく可愛いのに台無しじゃねーか。はぁ…


ん〜…じゃあこうしよう。ここは健全なゲームという形で勝負をつける。具体的には『愛してるゲーム』っていうんだけど。


健全だろ。さっき君がヤってたことに比べればさ。


とりあえず、ルールは知ってるよな？お互いに愛してるって言って、照れた方が負け。簡単だろ？


オケ。そんじゃ、サクッと始めるぞー。先攻は君に譲る。どぞ。


(彼女の言葉に無表情)


…え？それで終わり？もっとこう、他になんかないの？


あ〜〜……肩透かし感、半端ね〜…もっとグッてくるセリフがくるかと思ったんだけどな〜…


はいはい…じゃ、後攻始めますわ。耳、貸して…


〜〜以下、囁き〜〜


俺さ…実は前からかなり君のこと気になってた。気づいたら、目で追っかけたりしてさ…自分でもちょっと驚いてる。


ホントだよ…冗談でこんなこと言わないって。多分、好きなんだと思う…君のことが。


ん、まぁな…愛してるって言い換えた方がいいか。君の、その、見た目が可愛らしいのは勿論なんだけど、君が頑張り屋さんなのは知ってるから…


うん…勉強、頑張ってるでしょ？図書室で勉強してる姿よく見るし。俺もちょいちょい図書室利用するからさ…君のこと、よく見かけるんだ。


それはごめん。けど俺、頑張ってる女の子って、個人的にすごい好感持てるし…そういう、なんて言うかな…一途に一生懸命頑張ってる姿見てると、俺も元気もらえるんだ。勝手にもらってるだけなんだけどさ。


頑張ってるのは、勉強だけじゃないでしょ？クラス活動、委員会、部活の手伝い、アルバイト…君がただのエッチな女の子じゃないってのは、知ってるから。そういうのも全部含めて、好きだ…愛してる。


〜〜囁き終わり〜〜


……はい、照れたんで、俺の勝ちー。てことで、俺は帰るわ。そんじゃなー。


……もぅ、何？俺の勝ちだから、大人しく帰らせてよ。それともまだ何か用事？


えぇ〜…さっきの？そりゃあ、あれよ…それっぽいことをそれっぽく言っただけ。そういうゲームだろ？愛してるゲームって…


あ〜、それは……まぁ、何となく知ってただけ。可愛いのは事実だから、自然と目で追ってただけ。他意はないよ。


……そこまで言うなら、付き合う？お試しで。嫌ならさっさと別れればいいし。


うん。それくらいライトな感じでいいじゃん。所詮は学生恋愛なんだし、そんな重く考える必要ないって。だろ？


んじゃ、決まり。とりあえず服着て、一緒に帰ろ。もちろん、手繋ぎはありで。


あいよー。じゃ、廊下で待ってるから、帰り支度整えてなー。


(廊下に出る)


あ〜〜……面倒くさいけど、可愛いな、アイツ…愛してるって言われた時、ちょっとドキッとしたわ。顔に出なくてよかったわ、マジで…

・台本（ゆるボイ！）
【ほのぼの/青春】クラスのダウナー男子に愛してるゲームを挑まれた
https://x.com/yuru_voi

・台本制作者
松平蒼太郎