0
[企画参加台本・吸血鬼]魔宝石店の店主の吸血鬼になぜか気に入られてしまい…
written by 初実とうか
  • ファンタジー
  • シリアス
  • 人外 / モンスター
  • 吸血鬼
  • 宝石
  • 魔法
公開日2025年08月28日 20:28 更新日2025年08月28日 20:28
文字数
1861文字(約 6分13秒)
推奨音声形式
指定なし
推奨演者性別
男性演者向け
演者人数
1 人
演者役柄
指定なし
視聴者役柄
指定なし
場所
指定なし
あらすじ
こちらのフリー台本は真縫香はちみつ様(@Honey_asmr_)の企画「#柘榴石の煌めきに想いを馳せて」の台本として執筆させていただきました。
本編
( )ト書き 《 》女性客のセリフ
効果音・BGMによる演出はご自由にしてください。


いらっしゃいませ。
ようこそお越しくださいました。

お待たせして申し訳ございません。
ちょっと奥で作業しておりまして。

お客様もうちの魔宝石をお求めに…?

おや、ご存知ない…と。

帰る途中、気づけばここに…?
おやおや、迷い込まれてしまったのですか。

(独り言のような、心の声のような)
まさか…そんなことが…。

おっと、
もうお帰りになるのですか?

偶然とはいえ、
こうして訪ねてきてくださったのも何かの縁…。
せっかくですので、
少しご覧になっていかれませんか?


さぁ、
どうぞこちらへ…。

どうです?
美しいでしょう?

色とりどりの石たち。

ここは世にも珍しい宝石がそろう店。
原石に私の魔法で加工を施すことで、
特別な輝きを放つ…。

その輝きに魅せられた人々からは、
「魔宝石」と呼ばれています。

どうぞ、
お手に取ってごゆっくりご覧ください。

(女性客、宝石を見ながら)
《この店は前からここにあったんですか?》

この店ですか?
えぇ、
もう随分昔からここで…。
一人で営んでおります。

そうです。
一つ一つ、手作りで…。

大変?
全然。そんなことはございません。

磨いていくにつれてその輝きを増していく…。
あの瞬間がたまらなくて、疲れも忘れてしまいます。

どうやって磨くか…ですか?

くすっ、
それは秘密です。

先程も申し上げたように、
魔法ですので。

おや、
何か気になるお品物がございましたか?

ほう、そちらのブレスレットですか。

お目が高い。 
こちらは、
ガーネットのパワーストーンを繋いで
作ったものでございます。

そうです、
1月の誕生石でございます。
よくご存知ですね。

そうですか、お誕生日が1月…。

きっと無意識のうちに、
心惹かれるものがあったのかもしれませんね。

この深みのある赤…
美しいですよね?

どこか影を帯びているような。
上質で、
大人な雰囲気をまとう…。

私も好きなんです、
ガーネット。

ガーネットには鉄が含まれておりまして。
それがこの、
赤と一言では表現しきれない、
味わい深い色味を作り出しているのです。

もっと知りたい?

くすっ。
それはそれは…。

宝石に興味を持っていただけることは、
こちらとしても嬉しいです。

よかったら、
お茶でも飲みながらごゆっくりと。

いえいえ、
他のお客様にも、
よくさせていただいているサービスなので。
お気になさらず。

では用意して参りますので、
どうぞ他の物もご覧になりながら、
お待ちくださいませ。

(店主、お茶を持ってくる)

お待たせ致しました。
当店オリジナルの、
ハーブティーをお持ちいたしました。

(女性客、姿を消す)

…お客様?
いない…。
一体どこへ。

(店主、女性客を見つける)

くすっ。探しましたよ。

まったく…。
困りますね…無断で作業場に入られては。

助けを呼ぶ声がした?

あぁ、その声でしたら…。

(女性客、ふらつく)

っと、大丈夫ですか?

ご気分が優れないみたいですね。

無理もない。
こんな…人間の無残な死体の山を見たら。

あなたが耳にした声の主も、
この死体の亡霊でしょう。

全く、未練たらしい奴らだ…。
欲にまみれた醜い分際で。

なぜこんなことを…ですか。

美しい物を作るのに、
犠牲はつきものですから。

あなたが見たさっきのガーネット。
あの輝きは自然の原石では生まれない。

より多くの赤い色素と、鉄の成分。
それを補うのに、
人間の血液が、うってつけでして…。

欲望に目がくらんだ、
店を訪れた女達の血液を搾り取って…
原石を染めて磨いて…
そうしてあの美しい魔宝石が生まれるのです。

かわいそうに。
大人しく睡眠薬入りのお茶を飲んでいれば、
あなたも何もしらないまま、
私のコレクションにしてあげたのに。

(女性客、逃げようとする)

おっと、逃がしませんよ…。

(ここから店主の口調が変わります)

(店主、女性客に魔法をかける)
はっ!!

ふっ。
人間ごときが、
魔力を持つ私から逃げられるわけないだろ。
身体の自由を奪われて、哀れな姿だな。

これは私の勘だが…。
おまえは今までの女達とは何か違う。

おまえの血はどんな味がするんだろうな。

そう。
私はただの魔法使いじゃない。
吸血鬼に属する者。

さぁ、
私の命の源、そして魔宝石の素材になるがいい。

(吸血する)

な、なんだ、この味…。

今まで味わったことがない…
こんな血は初めてだ。

これは、
一度きりの魔宝石の生成で終わらせるには惜しい。

おい、目を覚ませ。
一口血を吸われたくらいで意識を失いかけるな。

計画が変わった。

これから、
おまえの血をじっくり調べさせてもらう。

死なない程度に血を抜きながら生かして…。

もしかしたら、
最高傑作の魔宝石が生まれるかもしれん。

これは何百年かは暇つぶしができそうだ。
おまえも生きながらえて幸運だな。

さぁ、これからたっぷり…
楽しませてもらうぞ。

〜おわり〜 
クレジット
・台本(ゆるボイ!)
[企画参加台本・吸血鬼]魔宝石店の店主の吸血鬼になぜか気に入られてしまい…
https://x.com/yuru_voi

・台本制作者
初実とうか
ライター情報
初実(はつみ)とうかです。
閲覧・音声化等いつもありがとうございます。
主に女性向けシチュエーションボイスのフリー台本(甘々・ヤンデレ・ショタ等…)を書いています。(順次投稿予定)
ご使用時、タイトルはご自由に変更してください。
有償販売利用の条件
当サイトの利用規約に準ずる
利用実績(最大10件)
初実とうか の投稿台本(最大10件)