あなたの家に突然やってきた婦警さん
その婦警さんは、あなたをロリコンだと決めつけて土下座と逮捕をしようとしてきた
濡れ衣をきせてきた生意気な婦警さんに何とか謝罪をさせようとしたのだが予想外の出来事が起こってしまう

(ＳＥ：荒めのノック)

すみませぇ～ん。

警察ですぅ～。

居るのは分かってるんで、さっさと開けてくださぁい。

(ＳＥ：ドアの開く音)

やぁっと出てきましたか。

何の用だと言われましてもぉ、あなたをタイホしに来たんですよ。タイホ。

(空ける)

え～、身に覚えがない？

犯罪者の癖にナマイキなんですけどぉ～♪

仕方ないから説明してますね。

このマンションに、ロリコンさんが居るってツーホーを受けたので、タイホしに来たんですよ。

だって、危ないじゃないですかぁ～？

お兄さんは、わたしみたいな小さい女の子に欲情する変態さんなんですよねぇ～？

あらら？

まだ言い逃れをしようとしてるんですか？

立ち話もなんだから家に入れと？

そうやってぇ、わたしを連れ込んで襲っちゃうんですよねぇ。

考えが単純でザコ過ぎぃ。

そんなのに引っかかるほど、わたしはバカじゃないですぅ～。

ほら、タイホだタイホだ～。

(空ける)

話を聞けと言われましても、犯人なんですから話す余地なんてないですよ。

お兄さんはロリコンの危険人物。

これは決定事項でぇ～す。

大人しく捕まって、罪を償って下さぁ～い、

ロリコンは死刑だって、ママが言ってたので、今ここで死刑でも良いんですよぉ～。

もちろん、社会的な意味で。

お兄さんはぁ、ロリコンでさらに犯罪者扱いされて、ザコザコな人生が、もぉっと惨めになっちゃうんです。

さっさとお縄につきな～♪

ぷ～くすくす。

どうしても許して欲しかったらぁ～……。

土下座して下さい。

ど・げ・ざ♡

私はこれから、小さい女の子にあんな事やこんな事をしようとしてましたって謝って下さい。

何もしていないのに出来ない？

違いますよ～。

これからぁ、する予定だったんですから、前もって土下座して下さいって意味ですよ～。

早く土下座しろ、土下座～♡

地面に頭擦り付けて、婦警さん、すみませんでしたって謝って下さい。

婦警さんみたいな小さくて可愛い女の子に変な事をしようとしてすみませんでしたぁ～って。

惨めな姿見せて下さい。

みじめ～、みじめ～♡

ねぇ～、早く土下座して下さ――

(ＳＥ：台詞を遮るように着信音)

すみません、電話です。

もしもし～、先輩、どうしたんですか～？

えっ、今、通報のあった人を連行した？

どこに居るって、犯人の家……ですけど……。

あー……はい……はい……りょーかいです。

(無言の間)

あはは～、わたしが間違えてたみたいです。

疑ってすみませんでした～。

(帰ろうとしたら、襟首を捕まれる)
そ、それでは～……ぐぇっ！

襟首を掴まないで下さい！絞まるぅ！

けほっ！けほっ！

ま、まだ何か用ですか？

お兄さんは無実だったので解放です。

わたしも戻らないといけないんですけどぉ……。

えっ……謝罪……ど、土下座……？

謝罪しないと、わたしの先輩に報告する？

(無言の間)

そ、ぞれだげはがんべんじでぐだざああい！

先輩は物凄く怖いんですよおお！

濡れ衣を着せたなんて知れたら……わたし……五体満足ではいられなくなっちゃいますうう！

あー！やべで！ほうごぐしようどしないでー！

えっぐ……ひぐ……ごべんなざい……。

土下座でも何でもじばずので、ゆるじでぐだざい……。

ひっぐ……うぐ……

(泣き止む)

とりあえず……落ち着きました。

はい……土下座します。

見苦しいところをお見せしてしまい、誠に申し訳ございませんでした……。

わたしの勘違いで、お兄様を疑ってしまいました。

はい……ザコはわたしでした。

反省してます。

本当にすみませ……あっ……せん……ぱい？

ど、どうしてここに……？

えっ、２つ上の階だったんですか？

あっ、階を間違えてたんですね……ははは……。

で、わたしの声が聞こえてきたから来てみたと。

はえ！？。ち、違いますよぉ～、ま、間違えて無実の人を疑うなんて、そんな事する訳ないじゃないですかぁ～……ははは～……。

た、助けて下さい！お兄様！

わたし、殺されちゃいます！

何でもしますから！お兄様の好きな事、何でもしてあげますから！どうか、わたしを助け――いやああああああ！！

(１ヶ月後くらい)

(ＳＥ：ノック。少し間を空けて、開く音)
(聴き手が玄関まで向かう時間がある為の間)

あっ、お久しぶりです。お兄さん。

先日はご迷惑をおかけしました。

改めて謝罪に参りました。

はい？。雰囲気が違うと？

わたしは、あの後、先輩に徹底的に「教育」を施されました。

先輩から、あなたに誠心誠意、謝罪するようにと命じられました。

ご迷惑かと存じますが、わたしにお兄さんのお手伝いをさせて下さい。

家事など、一通りの事は全て可能です。

(空ける)

そこまでしなくてもと申されましたが、わたしは一歩間違えれば、お兄さんの人生を狂わせてしまっていた恐れがあるんです。

それほど重大なミスを犯したんです。

疑うだけならまだしも、犯人と決めつけ、お兄さんに土下座まで強要致しました。

そして暴言も吐きました。

これだけの事をしでかしておきながら、言葉だけの謝罪というのは、あまりにも失礼と存じます。

ですので、行動で示す為、身の回りのお世話をさせていただきたく存じます。

お兄さんが大丈夫と仰るのでしたら、わたしは失礼致しますが、先輩によって更なる教育を受ける事になるでしょう。

次にお会いする時、わたしはわたしではなくなっていると思います。

先輩の教育は、人格を変えてしまいます。

今のわたしのように。

先ほど、雰囲気が違うと仰いましたよね？

その通りです。

先日までのわたしの人格は既に失くなっております。

今のわたしは、先輩により構築された新たな人格です。

先日までのわたしの記憶もしっかりと残っておりますが、わたしではない誰か、という認識――うっ……ぐっ……。

(空ける)

あれ？。ここは？

あっ！お兄さん！

た、助けて下さい！

先輩に！先輩に！

わ、わたし教育されちゃう！

お願いお兄さん！

助け……あがっ！ぎっ！いい！

(空ける)

おや、まだ表に出てこられるとは、案外しぶといんですね。

お兄さん、少し予定が変わりました。

１度、先輩のところに戻らせていただきます。

このメスガキを完全に消してから、再度お邪魔させていただきますね。

あっ、それと、ここで見た事は、どうかご内密にお願い致しますね。

(空ける)

あなたはさっさと消えて下さい。

無能なメスガキ。

わたしは先輩の命令を遂行するだけの、お人形であれば良いんですから……

・台本（ゆるボイ！）
婦警さんがメスガキだったので謝罪をさせようとしたら恐怖の現場に遭遇してしまった
https://x.com/yuru_voi

・台本制作者
如月英梨