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お前の声が聴きたくて。
written by 森 一華
  • 甘々
  • サラリーマン
  • 年上
  • 通話
  • 仕事終わり
  • 帰宅途中
  • 新婚
公開日2021年09月07日 18:49 更新日2021年09月07日 18:49
文字数
1387文字(約 4分38秒)
推奨音声形式
指定なし
推奨演者性別
男性演者向け
演者人数
1 人
演者役柄
仕事が忙しいサラリーマン。
視聴者役柄
普段はさみしがり屋な新妻。
場所
指定なし
あらすじ
新婚なのに誰かの策略で家に帰れない日々が続いていた。
やっと仕事が一段落して、帰宅できることを電話越しに告げる彼。
久しぶりに聞くお互いの声は、安心と相手の温もりを感じたいという欲を呼び起こす。
帰宅するまでのやりとり。(ボーナストラック的なモノローグ付き)
本編
[状況設定]
仕事が忙しくまともに帰宅することが出来なかった彼から、突然の通話がかかってくる。

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[スマホのコール音]

おつかれ。寝てた?

そっか。ならよかった。

(「なんかあった?」)

なにもなくは…ないかな?

心配そうな声出すなって。
また出張が伸びたとかそんなんじゃないから。
やっと仕事終わって、家に帰れるってお知らせ。
嬉しいだろ?

(泣き始めた彼女にびっくりして)
ごめん。ごめんって。そこで泣くなよ……

うん。うん。

そっか。一人で寂しかったんだよな。
転勤でこっち来てまだそんなに経ってないし。
お前も慣れない土地と家でひとりぼっちだったんだろ。
一人にしてごめんな?

(「仕事だからしょうがない」)

それはそうなんだけどさ……

うん。

うん。(←アドリブを追加していただいてOKです)

今回は本当に悪かった。
この埋め合わせはちゃんとするから、許してくれ。

それとさ。
(からかうように)お前、俺の声を聴いたら泣くってわかってたから、文字だけだったんだろ。
違うか?

(「…違わない…」)

可愛いな。お前。
俺の声、大好きだもんな?

俺もさ。お前の声を聴いたら、仕事を放り出しそうだった。

そ。一緒。
俺もお前の声が好き。

そういえば…… お前の誕生日になにもできなかっただろ。
サプライズを考えてたのに駄目になったし……

ん?ああ、それ?
それは内緒。
サプライズじゃなくなるから駄目。
リベンジの日まで楽しみにしてな。
びっくりさせてやるから。

ああ、楽しみにしてな。

(彼女の答えに彼は笑って)
ん。わかった。

なんか買ってくものは?
まだ駅前のスーパーなら開いてるけど。

ご褒美のシュークリームは?

そんなの気にするなら、朝に食べればいいだろ。
明日の朝、二人一緒に食べよう?な?

現金だよなぁ。
わかった。明日の朝ごはんは俺が担当な。
パンは?

ちょっと足りないか。
適当に材料を買って、すぐに帰る。

起きて待ってなくていいって。先に寝てろよ。
最初から凄く眠たそうな声してたし。

一緒に暮らしてれば、それぐらいわかるだろ?

凄く眠たそうな声?
そうだなぁ…とろんとした声?
ちょっと苛めたくなるような可愛い声だな。
あの時の声にもちょっと似てるし……

ちょ。お前なぁ…… 不意討ちだろ?それ。
可愛い過ぎるだろ。

俺だって声だけじゃ物足りない。
抱きしめて、キスして、お前を感じたい。

(「私も」)

どうした?いつもそんなこと言わない癖に。

そんな気分、か。

なるべく早く帰る。
じゃあ、あとでな。

[通話が切れる音]


やっば。

眠そうな声であの台詞は破壊力抜群。
寂しさと眠たさで言ったってセンだろうけど……
側にいたら、慰めるフリして襲ってたよなぁ……

(舌打ち)しかし、あのヤロー。
アイツと俺が結婚したのが気にくわねぇからって、人に無理難題ばっか押しつけやがって……
なにが「新婚なのに悪い。お前しか頼めないんだ」だよ。ただの嫌がらせだろ。


……ったく。アイツに選ばれなかったのは、俺のせいじゃねぇし。
「アンタに問題があったんだろ」って言ってやれたら、ちょっとはスッキリするんだろうけど、あんなんでも次期社長だしなぁ……


……ってか、俺がまともに帰宅すんのって何日ぶり?
こないだ出張道具を取りに戻った時からだから……

(大きな溜め息をついて)
随分経ってんじゃん。
アイツが泣くはずだよなぁ……

アイツのことだから、きっと起きて待ってるんだろうし。
大切な奥さんのために、早く買い物して帰るか。

帰ったらまずは、抱きしめて、キスして。

って、それだけで我慢できるのか?俺……
アイツも飢えてそうだったし、なるようになる、か。
クレジット
・台本(ゆるボイ!)
お前の声が聴きたくて。
https://twitter.com/yuru_voi

・台本制作者
森 一華
ライター情報
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台本師の森 一華(もりいちか)と申します。
女性向けのシチュエーションボイス用台本を書いております。
ほのぼのとした癒やし系が得意分野です。
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