ある日、大学生の貴女は同棲している社会人の彼氏が吸血鬼で、彼から吸血される夢をみた。
そんな夢を見て始まったいつもの一日だったが、彼は何やら貴女に隠し事をしているようで…？

おはよ。昨日遅かったみたいだけど…よく眠れたか？

え……変な夢見た？どんな？

ふーん…ずいぶんファンタジーな夢だな。

俺が吸血鬼、か……なんか似合わなそうだな。

ちなみに俺、夢ん中で何してた？

あー、そう…とんだ鬼畜野郎だな、夢ん中の俺。

まぁなんでもいいけど。顔洗ってリビング来いよ。朝飯できてんぞ。

てかお前、今日大学は？

あぁ、休講日なのか。じゃあ今日はバイトだけってことか。

分かった。とりあえず俺、仕事行ってくるから。

うん、多分7時くらいには帰れると思う。

あんまり起きんの、遅くならないようにな。





ただいま。すまん、ちょっと遅くなった。

あぁ、少し残業でな。着替えてくる。

夕飯の味見？今すぐ？別にいいけど……

(咀嚼)

ん、美味い。前より腕上げたんじゃないか？

そっか。俺のために頑張ってくれたんだ。ありがとな。

ご褒美？了解…

(抱きしめてキス)

満足した？ならよかった。

あ……汗臭いのにくっついて悪かったな。すまん。

お前がいいって言うならいいけど…とりあえず先、シャワー浴びてきていいか？

サンキュ。夕飯、楽しみにしてるからな。




ご馳走さん。全部美味かった。

うん、まぁそうだな…俺専属の料理人にしてもいいかもな。

え？あぁ、なんでもない。気にすんな。

食器、俺が片付けとくから風呂入ってこいよ。

いいよ。ちょっとくらい疲れてても、それくらいできるから。

あぁ、ゆっくりしてきな。




はぁ…あっぶね。また危うくやらかすとこだった…

はっ？…あ、お前、上がったのか。

いや、別に…何でもない。

え？……いや、本当に何でもない。お前が気にすることじゃない。

その言い方は卑怯だろ…でもお前に言ったら俺は…

優しいな、お前…なんでお前みたいなのが、俺の彼女なんだろうな…

俺は…俺さ、実はその……

なんて言えばいいかな…てか、どこから説明すればいいやら…

我慢？俺が？何に？

鋭いな…女の勘って思ったよりバカにできないんだな。

じゃあ言うぞ…お前、俺が吸血鬼だって言ったらどうする？

(ベッドに押し倒す)

これが俺の正体だ。どう見ても人間じゃないだろ？

コスプレじゃない。正真正銘、本物だ。

この一瞬でコスするのは流石に無理だろ…

あぁ…今まで隠してて悪かったな。

俺、お前に告白したの実は、良い匂いがしたからなんだ。

そう…鼻、結構効くから、俺。

でも正体明かしたら絶対引かれるって思ったから…だから言えなかった。

うん…我慢してた。お前の血吸うの。

ある意味生き地獄だったな。目の前に極上の餌ぶら下げられて、それを食べられないペットの気持ちみたいな…

あ……悪い。彼女を餌に例えるなんて最低だな、俺…

たしかに下心はあったけど…同棲してくうちに、本当にお前のこと好きになっていった。

信じてもらえるか分からないけど…お前のこと、愛してる。

(キスされる)

…引かないのか？俺のこと…

そう、か…ありがとな。そんなふうに言ってくれて。

え……いや、そうだけど…

本格的に吸血したら俺、お前のこと眷属にしちまう…

…ホントにいい女だな、お前…俺にはもったいねえよ。

分かった。お前が本気で望んでくれるなら…俺ももう我慢しない。

痛いのは本当に最初の一瞬だけ。あとは…絶対に気持ち良くしてやる。吸血鬼のプライドにかけて。

あぁ…それじゃ、いくぞ…

(吸血)





おはよ。大丈夫か？身体、しんどくないか？

そっか…よかった。満足してもらえて。

(抱きしめられる)

悪いな…お前の好意に甘えてばっかで。

けど…お前を彼女にしてよかった。

あぁ…好きだぞ。お前のこと。

(キス)

ん？……そういえばそうだな。

俺が吸血鬼だっていう夢、みたんだっけか。

うん…正夢だな、間違いなく。

まぁその、なんだ…こんな吸血鬼の彼氏だけど、改めてよろしくな。

・台本（ゆるボイ！）
クールで真面目な同棲彼氏はどこまでも彼女思いな吸血鬼だった
https://twitter.com/yuru_voi

・台本制作者
松平蒼太郎