鬼に捕らえられた姫のことを主君に報告すべく、鬼のアジトから抜け出したクノイチの前に、茨木童子と名乗る鬼が立ち塞がる…！

そこのお嬢さん。どちらまで行くおつもりで？

あぁ…うちの大将(※酒呑童子)とそっちの姫さんが結婚したのを報告しに行くんだ。自分の主君のとこに。

悪いけど、そうはさせねぇ。あれは大将がやっと見つけた理想の女なんでな。返すわけにはいかねぇんだわ。

それに見たろ？姫さんが大将の血飲んで鬼になるとこ。

姫さんはもう人間には戻れねえよ。諦めな。

そっかー…任務の遂行が最優先事項、か。ならしゃーねーな。

お前、潰すわ。今ここで。





あ〜…ちょこまかとうっとおしい…なっ！

(衝撃)

やっと捕まえたぜ…クノイチちゃん？

もうその忍術？っつー小細工は通用しねえ。諦めな。

(腕に刃物を突き立てられる)

ん？……こんなんじゃあ、蚊に刺された程度の痛みしか感じないけど？

相手が悪かったな。俺も鬼なんでな。その程度の力じゃ、かすり傷が関の山なんだわ。

そういや、自己紹介してなかったっけ？俺は茨木童子。ここでは二番目に強い鬼だから、覚えといて損はないぞ。

いや、離せって言われて大人しく離す鬼がどこにいんだよ…

さて、どうすっか…人間の女なんて捕まえようと思えばいつでも捕まえられるし…

あ？……ふふっ、ははは…！

威勢がいいな。まるであの姫さんそっくりだ。

面白え術も使うし…そうだな、お前は俺の戦利品にするか。

あぁ、俺の女になれっつってんだよ。

弱い女より強い女の方がいいに決まってるしな。

この俺に刃を突き立てる度胸もあるし…うん、コイツに決めた。

なぁ、クノイチちゃん…鬼ってのも案外悪くねえぞ？

鬼専用の術…鬼術(きじゅつ)って知ってるか？

それの一端をちょっとだけ、見せてやるよ…





どうだ？面白い映像だったろ？

お前が鬼どもに衣服を剥ぎ取られ、寄ってたかって陵辱される…そういう幻を見せてやったんだが…

ははっ…！失禁するほどキツかったか？そりゃスマンこって。

(抱きしめる)

やり過ぎたことは謝るわ。ちょっと戦意挫くためにやっただけだから、もうやらねえ。

でもこれで分かったろ？鬼に逆らうことがどれほど恐ろしいか…

あ〜…涙で顔ぐしゃぐしゃじゃん。悪かったって。な？

俺のそばにいりゃ、あんなことにはならねえよ。

あぁ…お前のことは俺が守ってやるから。な？

あ、でも一応保険はかけとくか…

そ、鬼どもに陵辱されないための保険。

さっき言った通り、お前も鬼になればいいんだよ。

俺の血を飲めば、お前も立派な鬼になれる。

身体が俺の血に適合すれば、の話だけど…乗る？

大丈夫。鬼になったら今とは比べ物にならないくらい、強くなれるから。

あんな風に陵辱されずに済む力が手に入る。どうだ？乗らない手はないだろ？

いい子だ……ちょい待ってな、舌噛んで血出すから…

うし…口移しで飲ますぞ…んっ…

(血を口移しする)

はぁ…ちゃんと飲み込んだか？

おっ？いいじゃん、効いてる効いてる。

ほれ、深呼吸。自我をしっかり保て。じゃないと立派な鬼になれねえぞ？

よしよし…その調子。そのままゆっくりな…

うん、いい感じじゃん。鬼化完了ってな。

(再び抱きしめる)

お前、今日から俺の嫁な。

俺のことは旦那様って呼んでくれると嬉しい。

よし。心もちゃんと鬼になったな。完璧。

大将にも報告しなくちゃな…俺にも可愛い嫁さんができましたよって。はははっ♪

・台本（ゆるボイ！）
任務遂行に失敗し、ナンバー2の鬼である茨木童子の花嫁になる
https://twitter.com/yuru_voi

・台本制作者
松平蒼太郎