受験生である貴女の勉強の面倒を見てくれる家庭教師のお兄さんは実は吸血鬼で、貴女がせがむと吸血をしてくれるようで…？

ん……よし。今日はここまで。お疲れさん。

いや、悪くないんじゃないか？

この調子なら、次の模試も第一志望までCかBまでにはもっていけると思う。

大丈夫。君はやれることはやってきたんだし、俺も教えられることは教えてきた。

うーん…それはまぁ、たしかに。

努力が必ず報われるとは限らないけど…でも努力しなかったら成功する確率は0%だぞ？

そう。確率は100%にはできないけど、それを少しでも上げるためにするのが努力ってもんだ。

はは、だろ？たまには俺も良いこと言う…って、たまにはは余計だ。

しかし、ちょっと根(こん)を詰めすぎたか…遅い時間になっちまったな。

早く会社に帰って、明日の準備しないと…

あぁ、いや。君は気にしなくていい。

生徒の熱意に応えるのが教師ってもんだからな。

え？……あぁ、たしかに腹は減ってるが…

おいおい…教師を誘惑してくるなんてイケナイ生徒だな。

仕方ないな…こっち来い。相手、してやるから。

(抱きしめる)

こんなところ、ご両親に見られたら通報されちまうな…

そっか…バレないならいいけど。

それで？君は俺に何をしてほしい？

うん、勉強を頑張ったご褒美ね。具体的には？

ははっ…意地悪でけっこう。君の口からちゃんと聞きたい。

オーケー…吸血ね。やっぱクセになっちまったみたいだな。

ま、頑張ったのは事実だし…ご褒美、くれてやるよ。

(吸血)

おい…あまりおっきい声出すなよ。バレるだろ？

俺のせいにする気か？ホント、授業の時間外は悪い子に変貌するな、お前は。

あー…そりゃどうも。俺も生徒相手に取り繕うの、疲れるし。

でも普段の紳士の俺も悪くなくないか？今はいたいけな女子生徒を貪り喰らう、悪い吸血鬼だぞ？

そっか…君呼びよりお前呼びの方がいいなら、そうするけど。ただし、二人きりの時だけ、な？

え、何？まだ吸ってほしい？これ以上は貧血になるかもだぞ？

しょーがねぇなぁ…じゃ、追加でもう少しいただくわ。

(吸血)

お前さぁ…その顔はちょっとやべーぞ。完全にメス顔になってる。

俺のせい……いや、そうなんだけどな、実際。

ふーん…まぁとりあえずきちんと志望校には合格しろ。

俺の眷属になるっていう話はそれからだ。

バーカ…俺もお前もそれぞれの生活があるんだから、慎重になるのは当然だろ？

ま、ぶっちゃけると、お前の血は美味いし、このまま眷属にしたいレベルではある。

はいはい…早く一丁前のレディーになって俺を魅了してくれ。頼むわ。

(キスされる)

あー…ちょっとそれはズルくね？キスとかさ…

や、それはムカつく。年下に主導権握られっぱなしってのは俺のプライドが許さん。

(キス)

どう？大人のキスのお味は？

ははっ…なにボケっとしてんの？そんな気持ちよかった？

ズルくねえよ。やられたからやり返しただけ。

これより先は…お前が正式に眷属になってから、な？

・台本（ゆるボイ！）
紳士な家庭教師のお兄さんは吸血鬼で、わたしを快楽に溺れさせてくる
https://twitter.com/yuru_voi

・台本制作者
松平蒼太郎