ヴァンパイアハンターの貴女は人間を吸血していた、とある男のヴァンパイアと遭遇する。
どうやら彼と貴女の間には何かしらの因縁があるようで…？

(吸血)

あ〜…コイツもハズレか。

ったく、あの時飲んだ血はどこにあんだろうなぁ…

…あ？誰だお前？いきなり銃口向けてきやがって…

へぇ〜…ヴァンパイアハンター、ねぇ…

そういや、なんか人間の間で流行ってたっけなぁ、それ。仲間内で聞いたわ。

ふーん…まぁいいけど？相手してやっても。

まだ腹満たされてねぇからさ…勝ったらお前の血、もらうな。

はいはい…御託はいいから、かかってこいって。それとも実はそんな勝てる自信ない？

(発砲される)

ははは！わりーわりー。そんな怒んなって。美人が台無しだぞ？

まぁ最近の相手男ばっかだったし…時間かけていっぱい遊んでやるか。





(発砲される)

おっと…あっぶね。

え、なに？銃弾素手で掴めるの、そんなにおかしい？

あ〜、なるほど。そういうことね。

いや、お前が今まで退治してきたヴァンパイアは下級の雑魚ばっかだったんだなって。

俺くらいの上者(じょうもの)になると、銃弾くらい余裕で手で掴める。多分な。

なぁ…お前、近接戦ってどんくらい得意？

いや、せっかく女が相手なんだし、くんずほぐれつ…おっと、これ以上はセクハラになるか？

いや、それはシンプルに怖えよ。見た目に反しておっかないな、お前。

(匂いを嗅ぐ)

んー…なんかお前から、どっかで嗅いだことある匂いがするんだけど…まぁいいか。

もうちょい遊ぶ？まだ夜が明けるまで時間あるし。

んなつれないこと言うなよ。寂しくて泣いちゃうぞ？

嫌いって…あーあ、フラれちゃった。ドンマイ、俺…

ん、そうだな…茶番はここまでにして…ちょっとガチで遊ばせてもらうわ。





よいしょ…ちょっと休憩させて。疲れた…

ん？いや、勝者の余裕っつーか…まぁ勝者の余裕だな、うん。

でもさー、流石に腹に穴開けるのはやりすぎじゃね？危うく死ぬとこだったわ。

いや、まぁそうなんだけどさ…殺すつもりで来てたんだろうし…

あ〜、腹減った。めっちゃ運動したし、もうそろそろいいよな。

決まってんだろ…お前の血、いただくんだよ。

(匂いを嗅ぐ)

あれ？お前の匂い、やっぱどっかで嗅いだことあるような…

…まさかお前、あの時の女か？

いや、こっちの話。多分、飲んでみりゃ分かるだろ。

はいはい、暴れんなー？もう勝負はついたんだから、俺の言うこと聞けよ…な？

(吸血)

ふふっ…ははは…！

これだよ、この味…！やっぱお前だったのか、あの時の女…！

惚けんなよ…忘れたのか？ガキだった頃に俺に襲われかけたこと…

あの時は惜しかったなぁ…好みの味の女見つけられてテンション爆上がりだったってのに…お前の親父さんが邪魔してくれちゃってさぁ…

そう…俺がお前の親父の仇。よかったな？運命の再会ができて。

ははは！そんな怒んなよ…俺はお前のこと、嫌いじゃねえぞ？

そうかよ…大好きなパパを殺した俺が憎いか？殺してやりたい？

ヴァンパイアハンターなんてもんになったのも、そういうことだろ？復讐したかったんだよな、俺に。

そっかぁ…泣くほど悔しいか？俺に負けて…

仇、とれなくて残念だったな。

とりあえず、今日からお前は俺のペット。眷属って言い換えてもいい。

あぁ、いいぞ。いくらでも寝首をかきにくりゃあいい。

それがお前の俺に対する愛情ってんなら、俺はいくらでも受け入れる。ご主人様の義務ってやつだな。

でも…しつけはきっちりさせてもらう。いつまで反抗的なワンちゃんでいられるか見ものだな。

お前が俺を殺すのが先か、俺がお前を従順なペットにするのが先か…どっちに賭ける？

だよな。じゃあ俺は後者で。

これから楽しい吸血ライフの始まりってことで…改めていただきます。

(吸血)

・台本（ゆるボイ！）
父親の仇の俺様なヴァンパイアに敗北して眷属にされてしまう
https://twitter.com/yuru_voi

・台本制作者
松平蒼太郎