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メイドは傷心の主人を慰めたい
written by ろべ
  • 甘々
  • 敬語
  • ファンタジー
  • 年上
  • メイド
公開日2022年09月22日 15:47 更新日2022年09月22日 15:47
文字数
1189文字(約 3分58秒)
推奨音声形式
指定なし
推奨演者性別
女性演者向け
演者人数
1 人
演者役柄
指定なし
視聴者役柄
指定なし
場所
指定なし
あらすじ
メイドのナナは、父を亡くしたばかりで多忙の主人を気遣い、ティータイムに誘う。
本編
(ノックの音×3)

ご主人様?ナナです。
入ってもよろしいですか?

(ドアを開ける音)

失礼します。
紅茶とお茶菓子にスコーンを用意しました。
そろそろ休憩なされてはどうですか?


…あの、旦那様が亡くなって、引継ぎの件でお忙しいのは重々承知しているのですが、
その、ナナは坊ちゃま…ご主人様の御体が心配です。
紅茶も冷めてしまいますし…ほんの少しのお時間で構いません。
お願いです。

本当ですか!?ありがとうございます!
すぐに用意いたしますので、少々お待ちください!


(紅茶を注ぐ音)

お待たせしました。それではティータイムとしましょうか。
へ?ナナも一緒に、ですか?
…わかりました。それではお言葉に甘えさせていただきます。

(紅茶を注ぐ音)

こうして一緒にお茶するのも久しぶりですね、ご主人様。

”今は仕事中じゃないから無理しなくていい”ですか…
すみません。まだ慣れなくて…
そうですね。いつも通り坊ちゃまとお呼びしますね。


坊ちゃまがその椅子に座っているのも不思議な感じがしますね。
この部屋も、ナナが初めてこのお屋敷に連れてこられた時のことを思い出します。


身寄りも名前もない子供だったナナを拾ってくださった旦那様と、
ナナに素敵な名前をくださった坊ちゃま。

ふふ、確かナナが名無しだと名乗ったのを、ナナシという名前だと勘違いなさったんですよね。
あ、謝らないでください。
坊ちゃまもまだ子供でしたし、それにナナも嬉しかったんです。

それまで、おまえだとか、コソ泥なんて呼ばれるのが当たり前でしたから、
愛のある呼び名があれほど心地よいものだとは思いませんでした。

あの時ナナは、この方たちに生涯にわたってお仕えすると誓いました。
旦那様や坊ちゃまには家族としてしか見てもらえませんでしたけど…

うふふ、そうですね。小さい頃はよく一緒にお屋敷を遊びまわって、
よくメイド長に叱られていましたね。

メイド長だけはナナを見習いとして扱ってくれましたから、
一緒に叱られた後、ナナだけまた説教されていたんですよ?
なのに坊ちゃまがまた誘うから、
う~嫌な記憶がよみがえってきました…

あ、やっと笑ってくれましたね。

いいえ、初めてです。旦那様が亡くなってから。

坊ちゃまは悲しむ間もなく、まるで感情を押し殺しているようでした。

いつからそんないい子になっちゃったんですか?
本当の坊ちゃまはそんなんじゃないはずです。

「今は仕事中じゃないから無理しなくていい」のではなかったんですか?


…ごめんなさい。少し、意地悪でしたね。
ナナはそろそろお給仕に戻ります。

紅茶とお菓子はまだありますから、ご主人様はおくつろぎになっていてください。
それでは失礼します。


…ご主人様。メイドに背後から抱きつくのは感心しませんよ?

…やっぱりまだまだ坊ちゃまですね…(小声)

いいですよ。ナナは何も見ていませんから。
ご主人様は急にナナの背中の香りを堪能したくなった。
そう思うことにします。

その代わり、あまり服は濡らさないでくださいね。
クレジット
・台本(ゆるボイ!)
メイドは傷心の主人を慰めたい
https://twitter.com/yuru_voi

・台本制作者
ろべ
ライター情報
pixiv,twitterで活動しているフリー台本師です。得意な系統はストーリー性のあるタイプの台本です。よろしくお願いします。
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