吸血鬼ママはあなたに無理やり母乳を与えてなにがしたいんでしょうね……♡

あら……？

人間の子がなぜここに……？

そこの人間

そう、お前のことよ

ふふ、慌てず騒がず、大人しい子どもね……

うるさくしていたら、一思いに息の根を止めていたけれど……

ふふ、まぁいいわ

お前、どうしてここにいるの？

まさかここまできて、迷子だなんて言わないでしょうね？

……あぁ、親に捨てられたの

それにしては、だいぶ落ち着いているようね

……あとはどうせ死ぬだけだから？

んふふ、ふふふふふ

とても賢いわね

そう、お前はもう死ぬだけ

ここで人間が一人で生きてはいけないから

だけど、そうね

お前は賢そうだから、私が親代わりになってあげてもいいわよ

……生け贄？

ふふ、別にそんなつもりはないけれど

どちらかと言えば、私の暇つぶしね

あなたが生きるたった数十年間を、私とともに生きなさい

そうすれば、衣食住に……そうね、それなりに普通の生活を送らせてあげる

学校にも通わせてあげるわ

お金？

ねぇ、私のこの姿を見てわからない？

このドレス、この装飾品、集めるのにどれだけの金銭が必要だと思う？

……ふふ、わかればよろしい

……あぁ、そうだわ

それともうひとつ……

あなたには毎日、私の母乳を飲んでもらおうかしら

なぜか？

んふふ……子どもは母からの愛を受けて育つのでしょう？

なら、私からも愛を与えようと思っただけなのだけれど

あなたには必要でしょう？

……それとも、私の言うことは聞けない？

そう、偉い子どもね

なら、さっそく飲んでもらおうかしら

んふふ……ママの母乳、たぁっぷり飲んでね♪

んふふふふふふふ……♡

//場面転換、十年後

んふふ、支度は済んだ？

ふふ、いつの間にか、きちんと成長したのね

こんなに体も大きくなって

んふふ

私はそうよ、これまでもこれからもずっと変わらないわ

あなたとの関係もずっとそうであることを願うばかり

それじゃあ行く前に、飲んでいってもらおうかしら

……なぁに？　嫌なの？　私の母乳

毎日飲むのが嫌だって言うから少し減らしてあげたのよ？

だから、わがまま言わずに、さぁ

……んふふ

いつまで経っても私の子ね……♪

いいのよ、ずーっとちゅぱちゅぱしていても

その代わり、あなたからは血を貰っているんですもの

んふふ

え？　いつまで飲めばいいのか？

もちろん、一生よ

一生といっても、あとたったの数十年でしょう

流石に恥ずかしいからやめたい？

あら、どうして恥ずかしがる必要があるの？

別にいいじゃない、あなたは私としか暮らさないのだから

……彼女？

将来結婚もしたい？

あら……困ったわね

あなたはずっと私と暮らすのよ？

言ったじゃない、私の暇つぶしだと

なのに途中でいなくなられるのは困るのだけれど

感謝してる？

感謝しているのなら、一生を母親に捧げるべきではなくて？

……はぁ、本当に困ったわね

でも、今さら解放するわけにもいかないわ

ふふ……少しばかり、その女に嫉妬を覚えているの

どうしてここまで頑張って愛情を注いだあなたを奪われなくちゃいけないのかしら

ねぇ？

……なら、しかたないわね

あなたのことはここに縛りつけておかなくちゃ

ふふ

大丈夫、縛ったりはしないわ

ただ、ちょっと長めに貧血になるだけだもの

でも大丈夫

今まで、ちゃんと愛情を与えてあげたこと、すぐに思い出せる……んふふ

あなたは貧血になると、私の母乳を飲みたくて飲みたくてたまらなくなる

そのうち、媚びた声で、ママ、母乳がほしい……だなんておねだりするかもね

んふふ……その時まで、じっくりせめてあげるわ

さぁ、まず貧血にしてあげる

私から逃げられると思わないことね

んふふふ

・台本（ゆるボイ！）
吸血鬼ママは母乳のお礼に血がほしい
https://twitter.com/yuru_voi

・台本制作者
空上新奇