デートの待ち合わせ場所に彼女がいないことに不安を覚えた彼氏は、あたりを散策しながら彼女を探す。そして彼が目にしたのは、大事な彼女がナンパ男どもに囲まれてる光景で…？

なぁ、お前ら…それ、俺の女なんだけど？


何気安く手ェ出そうとしてくれちゃってんの？


は？ちょっと遊ぼうとしてただけ？


でも今、肩に手ェ回そうとしてたじゃん。バッチリ見ちゃったから。


…喧嘩なら買うぞ？全員でかかってくるか？あ？


(ナンパ男どもが退散)


〜〜ッッ、ハァ〜〜……


え、えと、大、丈夫…？


あ、うん…どう、いたしまして…


無事でよかったけどさ…その、めちゃくちゃ怖かったんだけど…あの男の人たち…


え……そうなの？僕、そんなに怖かった？


そ、そっかぁ〜…やっぱり目つきが悪いからかなぁ…


いや、さっきのは土壇場の演技で…通じるか全然自信なかったし…


(彼女が携帯の録音を再生)


あっ…やー！ちょ、さっきの録音してたの⁉︎


うぁ〜…！僕、俺の女とか言ってる…！めっちゃ恥ずかしい…！


い、いや…無我夢中で自分が何言ったか、全然覚えてない…


ていうかこれ、ホントに僕…？実は僕の声に似た誰かとか…？


ですよねー…あは、あはは…


自信なんて持てないよ…だって実際の僕はこんなに弱いし…


あ、あの時はその、彼氏として君を守らなきゃって思って、身体が勝手に…


そ、そうなの…？勝手に身体が動くことが強い証拠なの…？


で、でも本当に良かった…君が無事で…


最悪、僕が殴られても、君だけは無傷で逃がさなきゃって思ってたし…


(彼女に抱きしめられる)


あっ、あっ…！ちょ、今抱きしめられるのは流石にまずいっていうか…！


いや、その…さっき冷や汗かいちゃったから、汗臭いかなって…


大丈夫？ならいいけど…


そ、それよりさ、そろそろ映画行こ？時間、だいぶ過ぎちゃってるし…


(かぶりを振る彼女)


え、えぇ〜…？この状態でいるの、恥ずかしいんだけど…


え、さっきみたいに⁉︎ 男らしく⁉︎


無理無理！絶対無理だって！あれはなんかスイッチ入らないとできないっていうか…！


む、無茶言わないでよ…簡単にできるなら、苦労しないってば…


(彼女のとある一言でスイッチが入る)


…ッ、それだけはダメだ！ぜってぇ許さねえ！


(彼女を強く抱きしめ返す)


お前は俺のモンなんだよ…俺以外の男と手ェ繋いで歩いてる姿なんて想像したくもねぇ。


許さねえからな…？浮気なんて絶対…


(元の彼に戻る)


…はっ！あっ、えと、その、今のはちょっと違うっていうか！え〜っと…！


うぁ〜…！またやっちゃったぁ…！


なんでこんな急にスイッチ入るの…⁉︎


ホントいきなりで…！気づいたら、口走ってたっていうか…！


カッコいい…かなぁ…？独占欲剥き出しにしてるようにしか見えないけど…


ま、まぁ、君がいいって言うなら、うん…


は、早く映画行こ！僕、今すぐ映画観たい気分だからさっ！ねっ？


(彼女の手を取り、歩き出す)


えっ？あっ……ご、ごめ…！


…いいの？いきなり手握っても…？


う、うん…わかった。これからは頑張って僕からリードできるようにする…


その…いつもありがと。僕の背中を押してくれて…


うん…ちょっとだけ、彼氏としての自信がついた…気が、する…


そうだね…いい加減、デート行こっか。


うん…また何かあっても僕が君を守るから。頼りないかもだけど…


ありがと…やっぱり君には敵わないなぁ…あはは…

・台本（ゆるボイ！）
普段頼りなさげな彼氏は、スイッチが入ると漢に豹変する
https://twitter.com/yuru_voi

・台本制作者
松平蒼太郎