彼氏に黙って、こっそりダイエットを始めた貴女。しかし、そんな貴女の様子に気づいた彼氏は、貴女を直に問い詰めてきて…？

おかえり〜…って、どーした？めっちゃ汗だくじゃん。走って帰ってきた？


へー、そうなんだ。それより、ご飯もうすぐできるから、手洗ってシャワー浴びてきな？


うん。その間に準備しとくから。今日もいっぱい作ったから、楽しみにしてろよ〜。


…ん？何？その微妙な顔…もしかしてお腹減ってない？


そう？無理すんなよ？お前の健康が一番大事なんだから。


お、おぅ。行ってらっしゃい。ごゆっくり…


(彼女が風呂場に向かったあと、一言呟く)


…どうしたんだ、アイツ？最近、なんか変だよなぁ…


まさか、な…アイツに限ってそんなことあるはずない…たぶん…


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なー…やっぱ調子悪いんじゃねえの？


いや、だっていつもより全然食べないし…ホントにどうした？食欲失くすほどの悩みでも抱えてんの？それとも俺の作るメシが不味い？


そうじゃない？なら何？いつもはもっとたくさん食べてくれんじゃん。


そもそも最近、ずっとこんな感じじゃね？食べる量がだんだん減ってきてるっつーか…


もしかして…ダイエットしてたりする？


あ…その顔、図星？なんで？なんでダイエットなんかすんの？普通におかしくね？


はぁ？俺は全然気にしねーし。


つーか、むしろお前にはポッチャリしててもらわないと困るんだけど。


そ。俺がたくさん血ィ吸えねぇじゃん。毎日の食後のデザートで楽しみにしてんのに。


なぁ…誰だよ？お前にダイエットするようにそそのかした奴…


言えない？彼氏である俺にも？


どうしても言えないってんなら、お前の知り合い、しらみつぶしに探していくしかねーな。ネットの人間関係含めて。


あ、それかネット広告の影響？


あるよな、サプリの広告で。デブには人権ない的なノリのやつ。あれ、真に受けちゃった？


じゃあ何？今さらお前が自発的にダイエットしようとするとは思えないし。


言えよ、ダイエットしようとした理由。じゃないと俺、納得しねえから。


…ん、怒らない。怒らないから聞かせて？


……へー。何、そいつ？ずいぶん知ったふうな口聞くんだ？面白えな？


あ〜、くそっ…！なんでお前もそんな奴の言葉を真に受けんだよ…！このっ…！


(押し倒す)


あのさぁ…俺がいつ、痩せてる可愛い彼女が欲しいっつった？


俺、吸血鬼だし…人間の価値観で、勝手に測られちゃ困んの。言ってること分かる？


そりゃ、人間の男はポッチャリより痩せた女の方が好きだと思うよ？


けど、俺はポッチャリしたお前が好きなの。


丸くて可愛らしいし、血もたくさん飲めるし…


俺の作ったご飯だって、美味しそうにたくさん食べてくれるし…


性格も穏やかで優しいし、おまけに頑張り屋さんだし…


ポッチャリなお前は俺の理想の彼女で、眷属なの。


痩せるなんて論外、もってのほか。普通にありえねぇから。


つーかそいつ、マジで許せねえ。俺の彼女に何吹き込んでくれてんの？本気でこの世から消し去ってやりたいんだけど。


でも…お前も気にしてたんだ。自分が太ってること…


それは分かってあげられなくてごめん。でも、お前はお前のままでいいから。体重も脂肪も落とさなくていいから…な？


ううん。周りがなんて言おうと、俺は今のお前が好き。今のままでも十分カッコいいから。


それにさ…わざわざダイエットなんてしなくても、俺が吸血したら、どうせ痩せるじゃん？


あ、けど今の俺は怒ってるから、痩せるくらいじゃ済まないかもなぁ〜？


え？俺、怒らないなんて言ったっけ？そんな昔のこと、忘れたなぁ。


へへっ…ま、とにかく！お前は余計なこと一切考えないで、大人しく俺のデザートになってりゃいーの！


どーせ今から、ダイエットしなくて済むくらい、ガリガリになるんだから…な？


はいはい、お手柔らかに……するわけねーじゃん、バーカ♪ ははっ♪


(吸血)

・台本（ゆるボイ！）
ダイエットを始めたら、吸血鬼彼氏にマジギレされた
https://twitter.com/yuru_voi

・台本制作者
松平蒼太郎