アフターでホス狂ちゃんが夢のような夢のピロートークからの多重債務エンド的妄想です。甘々をご希望の場合は着信音のトリガーで全力で逃げていただきたい。

　

あれ……起きた……？

大丈夫？　意識、ある……？

ふふ。
ね、意識、飛んでたよね。
ボク達さ、初めてお店以外の場所でちゃんと「結ばれた」日だったのに、ちょっと激しく求め合い過ぎちゃったかな？（笑）

わ、顔赤らめちゃって。
かーわーいーっ。

ツンツン。

……やっぱりキミって、どこもかしこも触り心地、サイッコーだよね。
ふふっ。

（おでこにキス）

あは。
目にハートマーク、浮かんでる？
ボク、そーいうのわかっちゃうんだよね。

ふふ。
安心して？

（耳元で）ボクもキミにゾッコンダヨ。

……もっかい抱きしめちゃえ。
ぎゅっ。

……はぁ、幸せー……


けど……
今までさ……
いっぱい、お金使わせて、傷つけて、苦しめてきて……
ほんとに……
ほんと、ごめんね？

いろいろと、事情があってさ……だから、なかなかやめられなかったんだ、この仕事。
それにウチのお店って、傾きかけてる状態、続いてたから……
だから、上位にいる立場としてはさ、どうしても、自分の売上だけは維持しなきゃいけなかった。
だから、さ……キミにかなり、無理させてきたって思う。
ボクは今日まで散々、キミのことを……

キミのことを都合よく「利用」してたって言われても……しょうがないような……最低な振る舞いをしてたかもしれないね……

キミの大切な気持ちを利用して、お金で繋ぎ止めるしかスベがないだなんてさ、ホント、救いようのない商売だよね。


……え？　"そんなことない"？

……いつも……"夢みたいに幸せ"……だったの……？


……ッ……！
（ギュッと抱きしめる）

ごめん。チカラ、強いかな？
でももう少しだけ、このまま強く、抱きしめさせてね？
なんだか、キミのことがめちゃくちゃ愛しくて……


……ん？　なぁに？

ふふ。
"いつもの言葉"、聞きたい？

そんなのいくらでも言ってあげる。

（耳元で囁く）
……愛してるよ……大好き……


あはは。なんか目、ふやけてきちゃった？
可愛い。

そのままもっかい眠っとく？
背中、トントンしてあげる……

（そのまま背中トントン）


……大丈夫。

大丈夫だよ。

キミは、キレイな子。

いつだってキレイだよ。

いつまでもキレイで可愛い、天使みたいな女の子。

こんなに「キレイなカラダ」の女の子は、他にいないよ？

そのカラダは、どこからどう見ても、誰にもけがされてなんかいない。

キミはボクに愛されるためだけに生まれてきた、ボクだけの、特別で、最高級で、神聖な……


あれ、泣いてるの……？
もう。キミに涙は似合わないって、いつも言ってるでしょ？

ふふ。だから、大丈夫だってば。

……"今が幸せ過ぎるから"？
ううん。これからも続くよ。
だからもう、そんなに不安にならなくても、大丈夫だよ？

ボクはもう、どこにも行かない。

うん。
ココにいるよ。
もう離れない。
キミは今日からボクだけのものになったんだし、ボクも今日から、キミだけのもの。
そうでしょ？

……え？　"約束"？
もう、しょうがないなぁ（笑）。


（着信音）


……あ、電話、鳴ってる……

ちょっと待っててね。

うん？
うん。ちょっと。
ちょっとの間だけ……


（しばらく鳴り続ける着信音）


（夢から目を覚まし、ガバッと起き上がる女の子）


（ソファに座っている担当ホスト）
（鳴り続けるスマホを手に取って）

……もしもーし。

ん？　今？
今どこって……あ、店長の家？

いや、ちょっと今日酔っ払っちゃってさ、だから店で潰れてたんだよね。そしたら店長、優しいから、介抱してくれたんだ。

ふふ。
違うよ。
「彼女」だなんて思ってるような子は、キミだけだっていつも言ってるよね。
もう。長年の付き合いでしょ？
そろそろ信じてよ、オレのこと。

うん。
うん。
明日もお店来てよね？
うん。
待ってる。

ふふ。
大好きだよ。おやすみ。


（通話を切り、ため息をつく）


（目を覚ましていた女の子に気づく）


……ん？

あれ……起きてたの？　いつの間に？

気持ち良さそうに意識飛ばしてくれてたから、今日はもう、その可愛い顔を見れないのかなーって、思ってたんだけど。
ま、寝顔もめちゃくちゃ可愛かったけどね？　ふふ。

……んー……
なんだか、悲しそうな顔……してるね……？

もしかして、今の電話のこと、気にしてるの？
タダの仕事の一環だよ？
そのくらい、キミなら、わかってくれてるよね？

それとも、わかって……くれない……？

（首を横に振る女の子）

ん？　わかってくれてる？
……良かったぁ。

あ、今、ボクもそっちのベッドに戻るね。


（ベッドで向き合って座る）
お待たせ。
ふふ。

……ね、今日、最高に気持ち良かったね？

こんな日がまた訪れるんならさ、これからもボク、仕事、もっともっと頑張らないといけないよなぁ。
あ、だからさ、キミも、

これからも「ちゃんと頑張って」よね？


……あれ？　返事は？
こらこら、顔伏せちゃダメだから。
お顔はこっちっ……！
（強引めにキスする）

ふふ。やっぱ強引にされんの、好きだよね？

嘘つき。目、トロンとしてきてるし（笑）
今にもハートマークとか浮かんできそー……

いや、見えないけどもさ（笑）
あ、でも、ボクの中には今ちゃんと浮かんでるよ？
ほらほら、この目、覗いてみて？

いーじゃん、直視してよ、それならそのまま吸い込まれちゃえ（笑）。


……ね、これからも、お互いがちゃんと頑張っていればさ、こんなにも幸せに愛し合える夢を、きっとまた、見ることができるよね？

ね？　そうでしょ？

またさ、今日みたいに……

（耳元で）激しく求め合いたいよね？


フフッ。


……だからさ……

もう、「思いとどまって」くれたカナ？


あれ。キョトンとしちゃって可愛いね。

なんのことかわからない？

それならもう一度、耳貸して？


（耳元で）
キミのバッグの中に入ってた、なんだか物騒なオクスリと包丁、こっちで全部預かっておいたから。


ふっ……ふふふっ。

今度は真っ青な顔してる？

どんなキミも、とっても可愛いよ？

可愛い可愛い、ボクだけのお姫様。



あー、別にそんなに慌てなくたっていーよ。大丈夫だよ。

んー……

じゃ、その言い訳はさ、また今度、お店でゆっくり聞かせてね？







おわり

・台本（ゆるボイ！）
クズ美人ホストが極上ピロートークでみせる夢(地獄)
https://twitter.com/yuru_voi

・台本制作者
蚊ネコ