ちょっとヘンテコなマスコットキャラクターが趣味の貴女を、優しくて意地悪な彼氏が理解しているお話。彼はきちんと貴女の誕生日に合わせて、例のマスコットキャラのグッズを買ってきてくれて…？

なぁ、さっきから何熱心に見てんの？俺にも見せてよ。


えー、なんで？いいじゃん、減るもんじゃねーんだし。


ふ～ん…どうしても？てことは、それって俺に見られたらまずいもんだったりする？


じゃあいいじゃん。このままじゃ気になって、夜も寝られねえよ。


……あ、そういやさ、今度俺の妹が彼氏と初デート行くんだけどさ、いい服見繕ってやってよ。何着てけばいいか分かんないんだって。


そ。俺という彼氏持ちのお前を頼りたいんだと。ちゃんとコーディネートしてやってくれよ？


……はい、つーことで、何見てるか拝見させてもらうな。どれどれ…


あー、うるさいうるさい。今、人が黙って見てんだから、ギャーギャー騒ぐなよ。


(彼女を片手であしらいながら、彼女のスマホの画面を見る)


……あのさ、一つ言っていい？何これ？怪獣？


へ、へ～…マスコットキャラクター。そっかぁ、そうなんだ。ふ～ん…


いや、変わった趣味してんなって…これが可愛いの？


いや、別に悪かねえけど。けど、まぁいいんじゃね？趣味嗜好は人それぞれだし。


あ、もしかして拗ねた？俺に趣味を理解してもらえなかったから？


あーあ…完全に拗ねちゃったよ。こりゃ、ちゃんとお詫びしないとなぁ…あれ持ってくるか。


(どこからともなく大きな袋を持ってきて、中を漁り始める)


おーい？いつまでも拗ねてないでこっち向けー？めっちゃ良いモン買ってきてんぞー？


ホントホント。騙されたと思って、一回だけこっち向いて。な？


(彼女が振り向いたと同時に、プレゼントを差し出す)


じゃーん！誕生日おめでとう！これ、俺からのプレゼントな！


ん？おーい、どうした？急に石みたいに固まっちゃってさぁ…


え？うん、前から知ってた。お前のスマホ画面ちょこっと覗いたら、例のマスコットキャラクターニヤニヤしながら見てたからさ。あぁ、こういうのが好きなのかって。


(彼女にポカポカ叩かれる)


ははは…痛い、痛いって。隠してたのは謝るからさ。プレゼントに免じて許してよ。


……ん、まぁちょっと手に入れるのには苦労したけどな。けど、そんな大して労力かけてないから安心しろ。


おぅ、どういたしまして。やっぱプレゼントはサプライズのが嬉しいよな。今日この日まで隠してきた甲斐あったわ。


あ、てか、お前。俺の浮気疑ってたろ？俺の周辺嗅ぎまわってたの、知ってんだからな？おらっ。


(彼女のおでこを軽く小突く)


だってもへちまもない。俺の友達に片っ端から電話しやがって…誤解とくの、大変だったんだからな？


(ため息)


もぅいいけどさ…不安にさせた俺も悪いっちゃ悪いし。今度からは隠し事してるの、バレないようにするわ。


冗談だよ。それより、ケーキも買ってきたから、後で一緒に食べよーぜ。


今から～？晩御飯入らなくなるから、だーめ。デザートの時に食べよ。な？


あー、こいつ…言っとくけど、勝手につまみ食いしたら、俺の前で体重計に乗ってもらうからな？


はいはい…嫌なら大人しくしてなさい。今から晩飯作るから、良い子で待ってろ。な？

・台本（ゆるボイ！）
【甘々】ちょっぴり意地悪な同棲彼氏のサプライズプレゼント
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・台本制作者
松平蒼太郎