用事を済ませた帰り、貴女は近くに住んでいる職場の後輩の家に立ち寄ってみた。玄関から出てきた彼は、どうやら一人宅飲みをしていたようで…？

(インターホンが鳴ったので、玄関の扉を開ける)


はいは～い…どちら様ですか……って、先輩。どうかしたんですか？


あぁ、そうなんですね…たまたま近くを寄ったから…って、あれ？先輩ってこの近くに住んでましたっけ？


へぇ〜…でも、そんな気やすく男の家に寄らない方がいいですよ？先輩、かなり綺麗ですし、襲われないとも限りませんよ？


あはは…襲いませんって。流石に職場の上司襲うほど、飢えてませんから。ていうか、今はソシャゲ進めるので忙しいですし。


あ、そんなことより、上がってください。玄関で立ちっぱってのもあれですし。ほら、どーぞどーぞ。


(彼女を家に上げる)


ん？あ～。そうですよ？一人宅飲みしてました。ちょっと酒臭いのは申し訳ないです。


あはは…そうでしたっけ？俺、先輩のこと口説いてました？


いやいや～…先輩はホント綺麗ですって。そんな謙遜しないでくださいよ～。


ホントホント。先輩に近くで仕事教えてもらう時とか、良い匂いしてドキドキしますし。


え？スメハラ？まぁ、ある意味スメハラでしょうね。良い匂いすぎて、逆に仕事に集中できませんし。こちとら、先輩にドキドキさせられっぱなしですよ。


…あの？せんぱ～い…？どうしたんですかぁ？俺、何か先輩に変なこと言いましたぁ？


ふふふ…先輩、めっちゃ可愛い。好き。俺のお嫁さんにしたい。


冗談に聞こえます～？これでもそれなりに本気なんですけどね～。


まぁ、でも？先輩って職場内で普通にモテますし？俺みたいなぺーぺーの若造なんかじゃ、釣り合わないんだろ～な～。あ～あ～、残念だ～。失恋失恋。


(酒をあおる)


ふぅ～…ま、今の全部、バカ後輩の戯れ言なんで、テキトーに聞き流しちゃってください。あはは…


(あくび)


な～んか眠くなってきたぁ…俺、今から寝るんで、先輩は好きな時にテキトーに帰っていいですよ～…てことで、おやすみ…


(翌朝、目を覚ます)


あ～、頭痛ぇ…次の日休みだからって、飲みすぎたかな…


あ～、はい…水、いります……って、先輩⁉ なぜ俺ん家に⁉


あ、あ～…マジですか？ありがとうございます…酔っぱらいの心配してくれたんですね…


てゆーか…昨日のこと、あんま覚えてねぇ…先輩が家に来たってとこまでは覚えてるんだけど…


(彼女から昨日の自分の言動を赤裸々に聞かされる)


えっ、えっ？俺、そんなこっぱずかしいこと言ったんですか？ガチで？


あ～…！やっちまったぁ…！まさかよりによって先輩をナンパするなんて…！つーか、酔った勢いで女性口説くのって普通にアウトじゃん…！何してんだ、俺ェ…！


先輩…昨日のチャラ男な後輩は忘れてください…！また月曜日からは、まじめに仕事するんで…！


(彼女からの怒涛の口撃に屈する)


うぐぅ…く、口説いたのは事実だし、何も言えないけど…！でもそろそろその辺で勘弁してぇ…！


…え？デ、デート…？俺と、先輩が？


は、はい…わかりました。まぁ実際、迷惑かけちまいましたし…俺でよければ、喜んで付き合いますよ。


え？……あー！俺の寝顔！ちょ、写メ、消してください！今すぐに！


ぐぅぅ…！わ、わかりました！先輩が楽しめるようなデートプラン、明日までに考えときますので！どうか寝顔の流出だけはご勘弁を…！


え？あ、はい…もう帰るんですね。じゃあ、玄関までお見送りします…


(玄関で彼女を見送る)


それじゃあ先輩、気を付けて帰ってくださいね。デートの詳細は後でメールします。


はい…口説いたお詫びはするんで。明日はその、頑張ります…！


…？先輩？今なんか言いました？ちょっと聞き取れなかったんすけど…


は、はぁ…まぁ、先輩がいいっていうなら、それで…お疲れ様です。


(彼女が出て行く)


……今、「後輩くんとならどこでも楽しい」って言った、よな…？え、俺の聞き間違い…？


やっべ～…どっちにしろ、先輩とデートって緊張しかしねえ…！とにかく気合い入れて準備するかぁ…！

・台本（ゆるボイ！）
【酔っぱらい】一人宅飲みしてる後輩の家に行ったら、弱みを握れた件
https://twitter.com/yuru_voi

・台本制作者
松平蒼太郎