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公開日2025年01月17日 20:35
更新日2025年01月17日 20:35
文字数
2089文字(約 6分58秒)
推奨音声形式
指定なし
推奨演者性別
指定なし
演者人数
1 人
演者役柄
指定なし
視聴者役柄
指定なし
場所
指定なし
あらすじ
今日はハロウィン。
かぼちゃ、コウモリ、かわいいお化けたち…。
街中がオレンジや紫や黒色に包まれて、
なんだか不思議なことが起こりそうです。
登場する人間の男の子リョウくんに関しましては、名前・女の子への変更も可能です。
ご自由にアレンジしてお楽しみください。
かぼちゃ、コウモリ、かわいいお化けたち…。
街中がオレンジや紫や黒色に包まれて、
なんだか不思議なことが起こりそうです。
登場する人間の男の子リョウくんに関しましては、名前・女の子への変更も可能です。
ご自由にアレンジしてお楽しみください。
本編
今日はハロウィン。
かぼちゃ、コウモリ、かわいいお化けたち…。
街中がオレンジや紫や黒色に包まれて、
なんだか不思議なことが起こりそうです。
「どうしよ、迷子になっちゃった。」
魔法使いの格好をしたリョウくんは、
右と左、
2つに分かれた道の前で立ち止まりました。
どちらも見たことのない、
初めての道です。
ハロウィンのお祭りで、
近所のお友達と一緒に、
お家をまわってお菓子をもらっていたら、
いつの間にかはぐれてしまったのです。
「みんなどこに行っちゃったの?早くお家に帰りたいよ。」
すっかり日が短くなり、
辺りはだんだん薄暗くなっていきます。
心細くなったリョウくんは、
泣き出しそうになりました。
「ねぇねぇ、どうしたの?」
その時、
誰かが後ろから声をかけました。
振り向くと、
リョウくんと同じ年くらいの男の子が、
目をくりくりさせながら立っていました。
頭にあるふわふわの三角の耳と、
もふもふしたしっぽの毛が風に揺れています。
「キミも…、ハロウィンのお祭りで迷子になったの?」
初めて見る子に、
リョウくんはドキドキしながらたずねました。
「ハロウィン?なんだいそれは?
今日はなんだか賑やかな声がするから、
様子を見にあの山から下りて来たんだ」
男の子は遠くにある山を指さして言いました。
「あの山から?あんな遠いところから来たの?すごいね!
ハロウィンのお祭りは、初めてなの?
かわいい耳としっぽ。触ってもいい?」
男の子がコクリと頷くと、
リョウくんはそっと触れてみました。
耳はピクッ、
しっぽはフワフワと動きました。
「わっ!動いた!」
リョウくんの驚いた様子を見て、
男の子は笑いました。
「あははっ!びっくりした?ボク、狐なんだ。
でもただの狐じゃないよ。
あの山に祀られている狐の神様の子どもなんだ。」
昔からあの山のてっぺんの木には神様が住んでいる。
リョウくんはパパとママが話してくれたことを思い出しました。
狐の神様の子ども。
リョウくんは不思議な気持ちがして胸がドキドキしました。
「そういえば、さっきからいい匂いがするぞ。」
狐の男の子は小さな鼻をクンクンさせながら言いました。
「あっ、もしかして…。」
リョウくんは手に持っていた小さな袋を開けて、
中身を取り出しました。
キャンディ・クッキー・チョコレート…。
お友達とお家をまわった時にもらったお菓子たち。
カラフルな包み紙が薄暗い中でもかすかに光り、
まるで宝石のようです。
「ハロウィンのお祭りでもらったお菓子だよ。
お家をまわって『トリック・オア・トリート』って言うともらえるんだ。食べる?」
「いいの?わーい、ありがとう。」
狐の男の子は嬉しそうにお菓子を受け取りました。
包み紙まで食べようとしていたので、
リョウくんは、
「こうやって開けるんだよ」
と言いながら、
狐の男の子が食べやすいように開けて渡してあげました。
包み紙から甘いお菓子が出てくる度に、
狐の男の子はびっくりして、
目を丸くしたり、口を大きく開けたり。
そんな様子を見たリョウくんは、
なんだか自分が本当に魔法使いになったような気持ちになりました。
「はぁ。おなかいっぱい。」
狐の男の子は、
自分のおなかをなでながら満足そうに言ったあと、
何か思い出したように、
肩からさげていた袋から何かを取り出し、
リョウくんに差し出しました。
「お礼に、あげるよ。」
リョウくんは壊れないように両手でそっと受け取りました。
それは丸くて真っ赤で…。
手の中でピカピカ光っています。
「うちの山でしか採れない木の実だよ。
山道を歩くと、たくさんの木の精霊達が、
こうして秋の恵みをくれるんだ。」
狐の男の子の袋には、
大きな物から小さな物まで、
様々な形の木の実が入っていました。
「とってもきれいだね。
ありがとう。大事にするね。」
リョウくんの嬉しそうな笑顔に、
狐の男の子もつられて笑いました。
いつの間にか辺りは暗くなり、
冷たい風が二人の間を通り抜けます。
リョウくんは思わずくしゃみをしました。
「そろそろ帰らないと…パパとママが心配しちゃう。」
「そっか。じゃあ家まで連れて行ってあげるよ。
しっぽに触って。」
言われた通りにリョウくんがしっぽに触れた瞬間、
しっぽはみるみる大きくなり、
リョウくんの体をふんわり包み込みました。
「目を閉じて、家の色や形を思い浮かべて。」
リョウくんは頭の中で自分の家を思い出します。
「楽しかったよ。ありがとう。」
狐の男の子の声がしました。
それは耳元で囁くような、
心の中から聞こえたような、
不思議な声でした。
「ボクも楽しかったよ。」
ありがとうの気持ちを伝えたくて、
リョウくんも声を出そうとしました。
でもしっぽのぬくもりが心地よく、
体がふわふわした感じがして、
リョウくんはそのまま眠ってしまいました。
目を開けると、
そこはリョウくんのお家の前でした。
ハロウィンのお祭りで皆とはぐれて、
道に迷って…。
そこまでは覚えているのですが、
その後どうやってここまで帰ってきたのか思い出せません。
思い出せるのは、夢をみていたこと。
不思議な、
でもとても楽しい夢。
「パパとママに言わなくちゃ。」
はやる気持ちを抑えながら、
リョウくんは玄関のドアへと走りました。
今日はハロウィン。
あなたにも不思議な出会いが訪れますように。
〜おわり〜
かぼちゃ、コウモリ、かわいいお化けたち…。
街中がオレンジや紫や黒色に包まれて、
なんだか不思議なことが起こりそうです。
「どうしよ、迷子になっちゃった。」
魔法使いの格好をしたリョウくんは、
右と左、
2つに分かれた道の前で立ち止まりました。
どちらも見たことのない、
初めての道です。
ハロウィンのお祭りで、
近所のお友達と一緒に、
お家をまわってお菓子をもらっていたら、
いつの間にかはぐれてしまったのです。
「みんなどこに行っちゃったの?早くお家に帰りたいよ。」
すっかり日が短くなり、
辺りはだんだん薄暗くなっていきます。
心細くなったリョウくんは、
泣き出しそうになりました。
「ねぇねぇ、どうしたの?」
その時、
誰かが後ろから声をかけました。
振り向くと、
リョウくんと同じ年くらいの男の子が、
目をくりくりさせながら立っていました。
頭にあるふわふわの三角の耳と、
もふもふしたしっぽの毛が風に揺れています。
「キミも…、ハロウィンのお祭りで迷子になったの?」
初めて見る子に、
リョウくんはドキドキしながらたずねました。
「ハロウィン?なんだいそれは?
今日はなんだか賑やかな声がするから、
様子を見にあの山から下りて来たんだ」
男の子は遠くにある山を指さして言いました。
「あの山から?あんな遠いところから来たの?すごいね!
ハロウィンのお祭りは、初めてなの?
かわいい耳としっぽ。触ってもいい?」
男の子がコクリと頷くと、
リョウくんはそっと触れてみました。
耳はピクッ、
しっぽはフワフワと動きました。
「わっ!動いた!」
リョウくんの驚いた様子を見て、
男の子は笑いました。
「あははっ!びっくりした?ボク、狐なんだ。
でもただの狐じゃないよ。
あの山に祀られている狐の神様の子どもなんだ。」
昔からあの山のてっぺんの木には神様が住んでいる。
リョウくんはパパとママが話してくれたことを思い出しました。
狐の神様の子ども。
リョウくんは不思議な気持ちがして胸がドキドキしました。
「そういえば、さっきからいい匂いがするぞ。」
狐の男の子は小さな鼻をクンクンさせながら言いました。
「あっ、もしかして…。」
リョウくんは手に持っていた小さな袋を開けて、
中身を取り出しました。
キャンディ・クッキー・チョコレート…。
お友達とお家をまわった時にもらったお菓子たち。
カラフルな包み紙が薄暗い中でもかすかに光り、
まるで宝石のようです。
「ハロウィンのお祭りでもらったお菓子だよ。
お家をまわって『トリック・オア・トリート』って言うともらえるんだ。食べる?」
「いいの?わーい、ありがとう。」
狐の男の子は嬉しそうにお菓子を受け取りました。
包み紙まで食べようとしていたので、
リョウくんは、
「こうやって開けるんだよ」
と言いながら、
狐の男の子が食べやすいように開けて渡してあげました。
包み紙から甘いお菓子が出てくる度に、
狐の男の子はびっくりして、
目を丸くしたり、口を大きく開けたり。
そんな様子を見たリョウくんは、
なんだか自分が本当に魔法使いになったような気持ちになりました。
「はぁ。おなかいっぱい。」
狐の男の子は、
自分のおなかをなでながら満足そうに言ったあと、
何か思い出したように、
肩からさげていた袋から何かを取り出し、
リョウくんに差し出しました。
「お礼に、あげるよ。」
リョウくんは壊れないように両手でそっと受け取りました。
それは丸くて真っ赤で…。
手の中でピカピカ光っています。
「うちの山でしか採れない木の実だよ。
山道を歩くと、たくさんの木の精霊達が、
こうして秋の恵みをくれるんだ。」
狐の男の子の袋には、
大きな物から小さな物まで、
様々な形の木の実が入っていました。
「とってもきれいだね。
ありがとう。大事にするね。」
リョウくんの嬉しそうな笑顔に、
狐の男の子もつられて笑いました。
いつの間にか辺りは暗くなり、
冷たい風が二人の間を通り抜けます。
リョウくんは思わずくしゃみをしました。
「そろそろ帰らないと…パパとママが心配しちゃう。」
「そっか。じゃあ家まで連れて行ってあげるよ。
しっぽに触って。」
言われた通りにリョウくんがしっぽに触れた瞬間、
しっぽはみるみる大きくなり、
リョウくんの体をふんわり包み込みました。
「目を閉じて、家の色や形を思い浮かべて。」
リョウくんは頭の中で自分の家を思い出します。
「楽しかったよ。ありがとう。」
狐の男の子の声がしました。
それは耳元で囁くような、
心の中から聞こえたような、
不思議な声でした。
「ボクも楽しかったよ。」
ありがとうの気持ちを伝えたくて、
リョウくんも声を出そうとしました。
でもしっぽのぬくもりが心地よく、
体がふわふわした感じがして、
リョウくんはそのまま眠ってしまいました。
目を開けると、
そこはリョウくんのお家の前でした。
ハロウィンのお祭りで皆とはぐれて、
道に迷って…。
そこまでは覚えているのですが、
その後どうやってここまで帰ってきたのか思い出せません。
思い出せるのは、夢をみていたこと。
不思議な、
でもとても楽しい夢。
「パパとママに言わなくちゃ。」
はやる気持ちを抑えながら、
リョウくんは玄関のドアへと走りました。
今日はハロウィン。
あなたにも不思議な出会いが訪れますように。
〜おわり〜
クレジット
ライター情報
初実(はつみ)とうかです。
閲覧・音声化等いつもありがとうございます。
主に女性向けシチュエーションボイスのフリー台本(甘々・ヤンデレ・ショタ等…)を書いています。(順次投稿予定)
ご使用時、タイトルはご自由に変更してください。
閲覧・音声化等いつもありがとうございます。
主に女性向けシチュエーションボイスのフリー台本(甘々・ヤンデレ・ショタ等…)を書いています。(順次投稿予定)
ご使用時、タイトルはご自由に変更してください。
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