1.魔界(宗教広場)

ここでいいか…………違う。わたしは巡礼に来たわけじゃない。

わたしは神様なんて信じていないし、そもそもそんなもの存在しない。

不敬？神への冒涜？…あははっ！何を言ってるの…？

神様なんてわたしが、わたしのお姉ちゃんが助けてほしいときに何もしてくれなかったじゃない…！

そのせいでお姉ちゃんは死んだんだよ…？だから、この場にいる全員、お姉ちゃんを生き返らせるための犠牲となれ！

(影が街全体を覆い尽くす)



2.魔界(更地)

これで全部取り込んだ……けどこれだけじゃ足りない。お姉ちゃんを生き返らせるには全然足りない…！

もっともっとたくさんの命を集めなきゃ……待っててね、お姉ちゃん…

だれ？………わたしの力を貸してほしい？無駄。あなたのような一介の人間ごときにわたし(魔女)の力は扱えない。今のを見てたならわかるでしょ？

どうしても殺したい相手がいるから魔女の力が必要？

ふーん、自分の復讐にわたしの力を利用しようっていうんだ。

へぇ……あなたも殺されたのね。大切な人を。

ねぇ…その相手、自分の命と引き換えにでも殺したい？

いいわ、ならわたしの力を貸してあげる。……そう、わたしと契約すれば、魔女の力の一端を扱えるようになる。

ただし、契約が成功するとは限らない。

どういうことだって、簡単なこと。わたし(魔女)の力は強大。あなたにその力を受け止めきれるかってこと。

受け止めきれなかったらあなたは死ぬ。よくても、精神が蝕まれて廃人になることは避けられない。

魔女の力、受け止める覚悟があなたにはある？

わかった。なら顔貸して。(キス) んっ、ふう……どう？苦しい？地獄のような痛みでしょ？

それがわたしの痛みであり、苦しみでもある。少しは魔女の力がどういうものかわかった？

ギリギリ耐えたみたいね。おめでとう、これであなたはわたしの眷属になったわ。

で、契約の内容なんだけど…そう、わたしがあなたに要求すること。

復讐を遂げたらその命をわたしにちょうだい。わたしへの対価はそれだけでいいわ。

そう、なら契約成立ね。行ってらっしゃい。

必ず復讐を遂げてわたしの元へ帰ってきて。そしてその命をわたしに捧げて。

お姉ちゃんを生き返らせるために有効に使ってあげるからね…

・台本（ゆるボイ！）
影の魔女との契約
https://x.com/yuru_voi

・台本制作者
松平蒼太郎