お隣に住む人懐っこいお姉さんと晩御飯を食べるだけのお話。貴方は彼女のことを異性として意識していたが、彼女の方は貴方を友達としてしか見ていないようで…？

(インターホンを鳴らす)


こんばんはー！ねぇねぇ、今日ちょっとカレー作りすぎちゃったから、一緒に食べよ！


うん！あたし、君と晩御飯食べたい！ご一緒していいかな？


えへへ～♪ ありがと～♪ それじゃ、お邪魔しま～す！


(家に上がり込む)


えーっとね…カレー、このタッパーに全部詰め込んできたから！


あ、もちろん、ちゃんとお米も炊いてるよ！お皿は君のを使っていいかな？


ありがと～！それじゃ、さっそくコメとカレー、よそうね！


……え？君もこれくらい食べるでしょ？まだまだ育ち盛りなんだから。


まぁまぁ！遠慮しない、遠慮しない！男の子はいっぱい食べて、大きくなろー！


あ、お水用意してくれて、ありがと！それじゃ、いただきまーす！


(カレーをほおばる)


うんうん…我ながら上手く作れてる！美味し～！


あ、辛さはどうだった？ちょうどいい？


へへ、よかった～！でも、味付けに関しては遠慮なく言ってね？できるだけ、君の好みに合わせるようにするから！


え？うん、そりゃあ、もちろん。だって、いつも一緒にご飯食べてるでしょ？


…あ！もしかして、あたしに気を遣ってくれてる？あたしが無理して晩御飯持ってきてないか～、とか！


大丈夫だよ！あたしが好きでやってることだから！


ホントホント！だって、一人で食べるご飯より、二人で食べるご飯の方が美味しいでしょ？


それに、あたしもお隣さんが君だからこそ、晩御飯に誘ってるの！君は優しい子だから！


え？優しいでしょ？だって、鍵を会社に忘れたあたしを家に泊めてくれたもんね？


あの時は助かったよ～！雨に降られて、やっとの思いで家に帰ってきたら、鍵がないんだもん！いい歳して、ワンワン泣いちゃった！


でも、そんな情けないあたしに手を差し伸べてくれた…そんな君が、あたしは好きだよ！


…？うん、好きだよ？だってあたしたち、友達でしょ？


ん～…何にがっくりしてるのか、よくわかんないけど、悩みがあったら言ってね！これでも君より年上で、お姉さんだから！


あー！ひど～い！これでも童顔なの、けっこう気にしてるのに～！ぶ～！


あ、ホント？それなら、許してあげよっかな～♪ ア～ン♪


(アーンされたカレーを咀嚼)


ふふ、美味し～！いいよね！こうして誰かに食べさせてもらうの！


え？意識するって何が？カレーのおいしさ？


ふ～ん？そう？何でもないなら、いいけど…


…あ、わかった！君もお姉さんにアーンしてほしかったんでしょ！


もぅ！素直に言ってくれれば、してあげるのに！ほら、アーン♪


うんうん…口いっぱいに頬張ってる君も可愛いね！もう一回、アーンする？


あ、もういいの？それじゃあ、残りはさっさと食べちゃおっか！


(カレーを食べ終える)


ふ～…お腹いっぱい！ご馳走様でした！


うん！君もお粗末様！あ、食器は流しにつけておけばいい？


わかった！じゃあ悪いけど、洗い物はお願いね！


あ、うん、何？あたしに何か相談事？


…？えっと、何に悩んでるかわからないけど、言ってくれて大丈夫だよ？出来る限り、力にはなるから。


……え⁉ 恋の相談⁉ てことは、好きな人⁉


へー！だれだれ⁉ どんな人を好きになったの⁉ お姉さん、めっちゃ気になる！


うんうん…！明るくて、笑顔が素敵な人…！


いつも気さくに話しかけてくれて、ご飯にまで誘ってくれるなんて、いい人だね！


そりゃあ、好きになるに決まってるよ！あたしだって、好きになっちゃう！


うん、うん…！いいねいいね！そういうの、もっとちょうだい！


へー、なるほど！ホントにいい人なんだ！可愛くて、人懐っこくて、おまけに優しい！


それなら、あたしから言えることは一つだね！その人に、思いっきり好きだって伝えてみよう！


まずは男の子としての、君自身の気持ちを伝えるところから始めてみよ！


大丈夫！君は優しいもん！きっとその人だって、君の良さに気づいてくれてるよ！


だから頑張って！お姉さん、君のこと応援してるから！ファイトッ、オー！だよ！


へへっ、どういたしまして♪ 君の力になれたなら、よかった♪


……あ！今日、見たいテレビあるんだった！もうすぐ始まっちゃう！


じゃあ、今日はお開きってことで！また明日、一緒にご飯食べよーね！バイバーイ！


(あわただしく彼の部屋を出て行く)

・台本（ゆるボイ！）
【鈍感は罪】お隣に住む人懐っこいお姉さんは男子の心をかき乱しがち
https://x.com/yuru_voi

・台本制作者
松平蒼太郎