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公開日2026年07月29日 16:39
更新日2026年07月29日 16:39
文字数
3204文字(約 10分41秒)
推奨音声形式
バイノーラル
推奨演者性別
女性演者向け
演者人数
1 人
演者役柄
指定なし
視聴者役柄
指定なし
場所
指定なし
あらすじ
放課後、僕以外誰もいない美術室。そこに訪ねてきた先輩はどうやら耳のデッサンモデルを探していたらしく、ついでに膝枕で耳かきもしてくれることになり…
台本の使用と改変についてはご自由にどうぞ
ご使用の際はお手数おかけしますがご一報(DMや@robe_3333をつけてツイートなど)をお願いします
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本編
(部室の扉がガラガラと開く)
おっと、いたいた。
やあ、今日も活動に励んでいるようで何よりだ。
ちゃんと部室で絵を描く真面目な部員は君くらいだよ。他の子も見習ってほしいね。
さて、今は何を描いているのかな。見てもいいかい?
ありがとう。
ふむ…なるほど。
構図のセンスが相変わらずいいね。
これならなかなかいい絵になると思うよ。時間をかければコンクールでもいい結果が出せそうだ。
………(少し惜しそうに唸る)
アドバイス、聞くかい?
はは、正直でよろしい。君のそういうなんでも吸収しようとするところは率直に好感が持てるよ。
そうだな……ここはもうちょっと光の当たり方を考えたほうがいい。
いつも言っているけど、どこに光源があるかを常に意識する。
この方向に光があるとすれば影はここと、ここにも落ちるはずだ。
陰影ももっと強弱をつけて…ここは逆にハイライトを……
…ただこれだと君が一番見せたい部分に視線が向かなくなってしまう。そうだね?
悩ましい点だが、やっぱり私はどうしても影の付き方に違和感を感じてしまうな。
面倒だけど光源の位置を見直すのが結局一番いいと思う。
全てを写実的に描けとは言わないけど、物理的にあり得ない表現はこういったリアル思考の絵にはアンマッチだ。
まあ描いている途中だと私も自分では気付かないことが多いけどね。
その点、自分でなんとなくでも気付き、手を止めていた君の判断は素晴らしい。自信を持っていいと思うよ。
ハハ、まあまあ、そんなにおだてないでくれ。
たかだか数年、君より長く描いているだけだ。
アドバイスも合っているどうか怪しいし、間違っていると思ったらどうか無視してくれよ。
そうかい?んーそこまで言うならまあ…気持ちは受け取っておこうかな。ありがとう。
そんなお礼だなんて。言っただろう?気持ちだけって。
後輩を手助けするのは当たり前のことさ。
これくらいのことでいちいち見返りを求めるつもりはないよ
いや、お願いされても困るんだが…
まったく、君は本当に気持ちの良い後輩だな。
そうだな…じゃあひとつ頼まれてくれるかい?
なに、難しいことじゃない。少し耳を貸してくれ。
………?あぁ、そういう意味じゃないんだ、ごめんごめん。
私に君の耳を文字通り貸してほしい。
要は耳のデッサンモデルになってくれという話だ。
鏡や写真で見た自分の耳だとなかなか限界があってね、一度実物をいろんな角度から見る機会が欲しかったんだ。
まぁ人によってはあまりまじまじと見られるのを良しとしない部位ではあるんだが、その、どうだろうか…
本当かい?良かった…君で無理なら誰に頼んだものかと途方に暮れるところだったんだ。
うん、ならお言葉に甘えて今からさせてもらおうかな。
ちょっと待っててね、準備するから。
……(鞄から耳かきを取り出し床に座る)
よし、じゃあこっち来て。私のひざに。
まあまあ、良いから良いから。
(言われるがまま膝枕:右耳を上)
観察ついでに耳かきでもしてあげようと思ってね。
ほら、耳こっちに向けてー。
はい耳かき入れるよ、動かないでね。
(耳かき開始:右)
ふむ……なるほどなるほど……近くで見ると意外と入り組んだ構造なんだな…
…ん?ああ、気にしなくてもいい。見て覚えるだけだから絵は描かなくていいんだ。
そう、写真記憶。カメラアイ、なんて大層な呼び方もされるね。
一度見れば大抵はそのまま写真みたいに覚えられる。
あとは家に帰って思い出しながら描くだけっていうね。
だから今はむしろ色々触ってみたり、中まで詳しく見るほうが大事かな。そういう意味では耳かきが都合がいいんだよ。
それにかわいい後輩が自分のために一肌脱いでくれてるんだ。そのくらいサービスするさ。
ん、羨ましい?写真記憶が?
う〜ん実のところそんなに便利って訳ではないけどね。
別にこんなもの無くても、絵はモデルを見ながら描けば良いし、勉強とかだってちゃんと普通にしていれば特に困ることはないだろう?
私の場合は目と引き換えなのか、ちょっと色々と落ち着きがない性格だからね、よく気になったことに集中してしまって他を疎かにしがちなんだ。
だから私からすれば、君たちみたいに普通に世界を観られる目がちょっと羨ましく感じるかな。
…芸術家っぽい?ふふ、たしかに。変人は芸術家気質、とはよく言われるね。
ただ、平常な人間でも素晴らしい絵を描く人は山ほどいる。
そういった人をたくさん知っていると、どうしてもそのような風説はただの慰めのように感じてしまうものだよ。
人と違うということは、共感を得づらいということ。
著名な画家に変人が多い理由、それは表現者にとって、最も共感を求めずにすむ芸術、それが絵という媒体というだけなのかもしれない。
絵にも共感はあるに越したことはないと、私は思うんだけどね。
さて、いつまでもこんな戯言を聞かされ続けて、君の右耳も疲れたろう。
そら、次は左耳だ。こっちに向けてくれ。
(寝返り:左耳を上)
ふむ、やはり左右で形が若干違うんだね。
耳の裏も…うん、やっぱりこうして間近で見ると発見があるものだな。
…恥ずかしいかい?ふふ、ごめんね。確かにあまり人にはじっくり見られたくない部分かもしれない。
観察が本旨とはいえ、かわいい後輩にリラックスさせてあげることも大事だからね。
ちゃんと耳かきもしないと。
(耳かき開始:左)
……こっちは少し耳垢が残ってるね。
右耳はほとんどなくてただの棒マッサージみたいになってたけど、これならしっかりと耳かきの体裁を保てそうだ。
…君は右利き?
うん、左耳の掃除が甘いから、そうなのかなって。
気付いてるかもしれないけど私は左利きなんだ。
やめてよ、そんなことで褒めたりしないでくれ。
珍しいとはいえ人間の1割近くは左利きなんだ。血液型のAB型の割合と同じくらいだよ。
……まぁAB型でもあるんだが。
……ふふ、つくづく嫌になるよ。身の回りの文字や道具の構造だったり、献血であまり求められていなかったり、自分が他人とは違うということを世界が頻繁に思い知らせてくる。
ひょっとしたら私の耳の形も君と違ってとても変な形をしているのかもしれない。
いや、耳だけじゃないな。自分で気付いてないだけで本当は顔も体も、何もかもおかしい可能性だってあるかな。
え………美人?あー……私が?
いや、ごめん、急にストレートに褒められたからなんて返していいか…
でも…そうか。君は私のことを美しいと思ってくれているのか。
それは、なんというか……少し気恥ずかしいな(頬を指でぽりぽり)
まさか膝枕で耳かきしている体勢で男の子からこんなふうに口説かれるなんて思ってなかったよ。
はは、大丈夫。わかってるよ、そんなつもりで言った訳じゃないことくらい。
素直に褒め言葉として受け取っておくよ。
とはいえ…こうして君の耳がみるみる赤くなっていくのを見るに、あながちただのお世辞というわけでもなさそうだけどね。
わかったわかった、悪かったよ、もう言わない。
まったく、本当に君はかわいい後輩だな。
ほら、きれいになったよ。もう起きてもらっても大丈夫。
もちろん、もっとよく観察させてくれても私としては構わないんだけど?
(膝枕終了)
ふふ、そこまで急いで飛び起きなくてもいいのに。
(立ち上がって膝から下を手で払う)
さて、どうだった?私の耳かきは。ちゃんとリラックスさせてあげられたかな?
そうか、それなら良かった。私も良い絵の資料が得られて満足だよ。
もし良かったらまたこうしてモデルを頼んでもいいかな?
私に好感を持ってくれている君だったら、私としてもお願いするのに都合が良いし、ダメかな?
……
うん、ありがとう。君ならそう言ってくれると思ったよ。
ならまた今度、必要だったら頼りにさせてもらうね。
もちろん君からも僕のアドバイスが欲しかったらいつでも頼ってほしい。
なんだったらまた耳かきしてほしい、とかでも喜んでさせてもらうけど?
はは、まあ考えておいてくれ。
君のためだ、一肌でも二肌でも脱ぐくらいはまったく厭わないよ。
じゃあ今日はこの辺で。絵が描けたら君にも見せるよ。
お互い良い絵になるといいね。
うん、また明日。じゃあね
おっと、いたいた。
やあ、今日も活動に励んでいるようで何よりだ。
ちゃんと部室で絵を描く真面目な部員は君くらいだよ。他の子も見習ってほしいね。
さて、今は何を描いているのかな。見てもいいかい?
ありがとう。
ふむ…なるほど。
構図のセンスが相変わらずいいね。
これならなかなかいい絵になると思うよ。時間をかければコンクールでもいい結果が出せそうだ。
………(少し惜しそうに唸る)
アドバイス、聞くかい?
はは、正直でよろしい。君のそういうなんでも吸収しようとするところは率直に好感が持てるよ。
そうだな……ここはもうちょっと光の当たり方を考えたほうがいい。
いつも言っているけど、どこに光源があるかを常に意識する。
この方向に光があるとすれば影はここと、ここにも落ちるはずだ。
陰影ももっと強弱をつけて…ここは逆にハイライトを……
…ただこれだと君が一番見せたい部分に視線が向かなくなってしまう。そうだね?
悩ましい点だが、やっぱり私はどうしても影の付き方に違和感を感じてしまうな。
面倒だけど光源の位置を見直すのが結局一番いいと思う。
全てを写実的に描けとは言わないけど、物理的にあり得ない表現はこういったリアル思考の絵にはアンマッチだ。
まあ描いている途中だと私も自分では気付かないことが多いけどね。
その点、自分でなんとなくでも気付き、手を止めていた君の判断は素晴らしい。自信を持っていいと思うよ。
ハハ、まあまあ、そんなにおだてないでくれ。
たかだか数年、君より長く描いているだけだ。
アドバイスも合っているどうか怪しいし、間違っていると思ったらどうか無視してくれよ。
そうかい?んーそこまで言うならまあ…気持ちは受け取っておこうかな。ありがとう。
そんなお礼だなんて。言っただろう?気持ちだけって。
後輩を手助けするのは当たり前のことさ。
これくらいのことでいちいち見返りを求めるつもりはないよ
いや、お願いされても困るんだが…
まったく、君は本当に気持ちの良い後輩だな。
そうだな…じゃあひとつ頼まれてくれるかい?
なに、難しいことじゃない。少し耳を貸してくれ。
………?あぁ、そういう意味じゃないんだ、ごめんごめん。
私に君の耳を文字通り貸してほしい。
要は耳のデッサンモデルになってくれという話だ。
鏡や写真で見た自分の耳だとなかなか限界があってね、一度実物をいろんな角度から見る機会が欲しかったんだ。
まぁ人によってはあまりまじまじと見られるのを良しとしない部位ではあるんだが、その、どうだろうか…
本当かい?良かった…君で無理なら誰に頼んだものかと途方に暮れるところだったんだ。
うん、ならお言葉に甘えて今からさせてもらおうかな。
ちょっと待っててね、準備するから。
……(鞄から耳かきを取り出し床に座る)
よし、じゃあこっち来て。私のひざに。
まあまあ、良いから良いから。
(言われるがまま膝枕:右耳を上)
観察ついでに耳かきでもしてあげようと思ってね。
ほら、耳こっちに向けてー。
はい耳かき入れるよ、動かないでね。
(耳かき開始:右)
ふむ……なるほどなるほど……近くで見ると意外と入り組んだ構造なんだな…
…ん?ああ、気にしなくてもいい。見て覚えるだけだから絵は描かなくていいんだ。
そう、写真記憶。カメラアイ、なんて大層な呼び方もされるね。
一度見れば大抵はそのまま写真みたいに覚えられる。
あとは家に帰って思い出しながら描くだけっていうね。
だから今はむしろ色々触ってみたり、中まで詳しく見るほうが大事かな。そういう意味では耳かきが都合がいいんだよ。
それにかわいい後輩が自分のために一肌脱いでくれてるんだ。そのくらいサービスするさ。
ん、羨ましい?写真記憶が?
う〜ん実のところそんなに便利って訳ではないけどね。
別にこんなもの無くても、絵はモデルを見ながら描けば良いし、勉強とかだってちゃんと普通にしていれば特に困ることはないだろう?
私の場合は目と引き換えなのか、ちょっと色々と落ち着きがない性格だからね、よく気になったことに集中してしまって他を疎かにしがちなんだ。
だから私からすれば、君たちみたいに普通に世界を観られる目がちょっと羨ましく感じるかな。
…芸術家っぽい?ふふ、たしかに。変人は芸術家気質、とはよく言われるね。
ただ、平常な人間でも素晴らしい絵を描く人は山ほどいる。
そういった人をたくさん知っていると、どうしてもそのような風説はただの慰めのように感じてしまうものだよ。
人と違うということは、共感を得づらいということ。
著名な画家に変人が多い理由、それは表現者にとって、最も共感を求めずにすむ芸術、それが絵という媒体というだけなのかもしれない。
絵にも共感はあるに越したことはないと、私は思うんだけどね。
さて、いつまでもこんな戯言を聞かされ続けて、君の右耳も疲れたろう。
そら、次は左耳だ。こっちに向けてくれ。
(寝返り:左耳を上)
ふむ、やはり左右で形が若干違うんだね。
耳の裏も…うん、やっぱりこうして間近で見ると発見があるものだな。
…恥ずかしいかい?ふふ、ごめんね。確かにあまり人にはじっくり見られたくない部分かもしれない。
観察が本旨とはいえ、かわいい後輩にリラックスさせてあげることも大事だからね。
ちゃんと耳かきもしないと。
(耳かき開始:左)
……こっちは少し耳垢が残ってるね。
右耳はほとんどなくてただの棒マッサージみたいになってたけど、これならしっかりと耳かきの体裁を保てそうだ。
…君は右利き?
うん、左耳の掃除が甘いから、そうなのかなって。
気付いてるかもしれないけど私は左利きなんだ。
やめてよ、そんなことで褒めたりしないでくれ。
珍しいとはいえ人間の1割近くは左利きなんだ。血液型のAB型の割合と同じくらいだよ。
……まぁAB型でもあるんだが。
……ふふ、つくづく嫌になるよ。身の回りの文字や道具の構造だったり、献血であまり求められていなかったり、自分が他人とは違うということを世界が頻繁に思い知らせてくる。
ひょっとしたら私の耳の形も君と違ってとても変な形をしているのかもしれない。
いや、耳だけじゃないな。自分で気付いてないだけで本当は顔も体も、何もかもおかしい可能性だってあるかな。
え………美人?あー……私が?
いや、ごめん、急にストレートに褒められたからなんて返していいか…
でも…そうか。君は私のことを美しいと思ってくれているのか。
それは、なんというか……少し気恥ずかしいな(頬を指でぽりぽり)
まさか膝枕で耳かきしている体勢で男の子からこんなふうに口説かれるなんて思ってなかったよ。
はは、大丈夫。わかってるよ、そんなつもりで言った訳じゃないことくらい。
素直に褒め言葉として受け取っておくよ。
とはいえ…こうして君の耳がみるみる赤くなっていくのを見るに、あながちただのお世辞というわけでもなさそうだけどね。
わかったわかった、悪かったよ、もう言わない。
まったく、本当に君はかわいい後輩だな。
ほら、きれいになったよ。もう起きてもらっても大丈夫。
もちろん、もっとよく観察させてくれても私としては構わないんだけど?
(膝枕終了)
ふふ、そこまで急いで飛び起きなくてもいいのに。
(立ち上がって膝から下を手で払う)
さて、どうだった?私の耳かきは。ちゃんとリラックスさせてあげられたかな?
そうか、それなら良かった。私も良い絵の資料が得られて満足だよ。
もし良かったらまたこうしてモデルを頼んでもいいかな?
私に好感を持ってくれている君だったら、私としてもお願いするのに都合が良いし、ダメかな?
……
うん、ありがとう。君ならそう言ってくれると思ったよ。
ならまた今度、必要だったら頼りにさせてもらうね。
もちろん君からも僕のアドバイスが欲しかったらいつでも頼ってほしい。
なんだったらまた耳かきしてほしい、とかでも喜んでさせてもらうけど?
はは、まあ考えておいてくれ。
君のためだ、一肌でも二肌でも脱ぐくらいはまったく厭わないよ。
じゃあ今日はこの辺で。絵が描けたら君にも見せるよ。
お互い良い絵になるといいね。
うん、また明日。じゃあね
クレジット
ライター情報
pixiv,twitterで活動しているフリー台本師です。得意な系統はストーリー性のあるタイプの台本です。よろしくお願いします。
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