あぉ、おかえり～。ご飯もうちょっとで出来るから待っててね。
ん？うん。今日は私の好きなトマトスープ。でも、今日はちょっといつもと違って色んなもの入れてみてるの。いつも貰ってばっかりだからお返しにってね。味は大丈夫だと思うから楽しみにしてて。いっぱい作ってるから明日も、かな。ちょっと待ってて。

今日はもうやらなきゃいけない事とかは？ないんだったら今日はこのままゆっくりできるね。
…ちょっと足開けて？よいしょっと、あ、まだご飯は出来てないけど今煮込んでるだけだから後は待つだけ。……ん～この感じ久しぶり～。生き返る～。あー、ん？すんすん、すん。
あれ、なんか匂い強くない？いやいやっ、別に臭いとかじゃないんだけど……。あれー。すんすん。いや。うーん。
……すぅーー。はぁーーー。…あ、これガチでやばい。
っそれはそうと、明日ってなにするー？
どこか出掛けたりする？明日って天気どうなのかな。
遊園地とか？でも久しぶりだしそれだったら落ち着いてどこか食べにいったりとか！…すんすん。
えっ！明日雨なの？それだったら、やっぱり食べに行くのがいいかな。そう思わない？
　えー、いやなの？………もしかして私の作ったご飯の方が好き？えー、それなら、それでもっ、いいけど？作ってあげちゃっても。
……ほんとに？
えへへ、んー！そんなこと言ってくれちゃって。かわいいなぁ。もう！
ぎゅーってしてあげる！ほら、ぎゅーって！ぎゅー。ぎゅー……や、やっぱりやめとこっか。
え、いゃ、あの、そのさっきもそうだけど、あの……ちょっと、ちょっとだけね？……興奮…しちゃって……
ほ、ほら！まだご飯も食べてないし、あっ！ちょっと様子見てくるね？ちょっと煮すぎてるかもだから。


お、お待たせ！ご飯できたよ。持っていっ、あっ！
……ありがと、料理も無事だったし、かかったら大変なことになってたから。
…あの、ちょっと近く、ない？
あの、さっきも言ったけど近かったら…………だから、もうちょっと離れて。
いや別に、嫌な訳じゃないけど……いいの？
それはその、それじゃあ取り敢えず料理置いてよ。
うん、それじゃあ………目、つぶって？
それじゃあ……貰うね。
……はぁっ、はぁ、すぅっ…、はむっ、ちゅ、じゅるっ、んっ、はっ、はっ、ずっ、じゅるっ、ちゅっ、ちゅる、じゅ、ずぞっ、ずぞぞっ、ちゅー、っぶはぁ………………


大丈夫、大丈夫？あぁー良かった。
ごめんね？ちょっとテンション上がっちゃったみたいで、気を失わせちゃって。一瞬だったけど、私のせいだったから。
その、気絶させちゃったしそもそも一緒に住んでるのに今更なんだけど、………その、私がたまに血を吸いたくなっちゃう体質で、お父さんが吸血鬼の末裔らしいの。ヨーロッパの本流じゃないとかは色々あるんだけど……そこはまた今度多分……。
だから週に何回か血を吸わなきゃいけなくて、でもあのトマトスープとかでちょっとその欲を和らげたりとかできるんだけど
そう、あのトマトスープね、鉄分とかミネラルとか色々血みたいにしてあるんだよ、その他にもあなたが元気になるようにする食材入れたりとか。
あと、もう一個、謝らないといけないことがあって。実はあなたが寝てる間にこっそり血を吸ってて。それも数えきれないくらい。ほんのちょっとずつだけど。
なんでって、さっき言ったように体質……じゃなくて？
あぁ……、今まであなたにその事を言わなかったのは、やっぱり人とは違うっていうのもあったけど、あの、どっちかと言うと趣味と言いますか。
さっきちょっと話したけど、祖先が日本生まれの吸血鬼なの。だから昼間とかも別に動けるんだけど、それで、小学校の頃に親がその事を話してくれたの。
でも私その時吸血鬼って言ってもあんまりよく分からなかったから映画とか借りて勉強しようと思って。
そこで借りたのは有名なやつだったから普通に海外の映画で全然本当は関係なかったのね？
でもその映画で、夜人の寝てる時とかにこっそり吸ってるの見て、そういう風にするんだって思ってて、自分がそういうのじゃないって気づいた時にはもうそれを拗らせちゃって、本当はもっと強引にというか無理矢理するらしいんだけど、こっそりの方が……疼くというか、ヨカッタって感じです。……さっきのは起きてるときで初めてだからテンション上がっちゃって、ヨカッタです。
本当にごめんなさい！！隠してる事はもうないです！煮るなり焼くなり好きにしてください！！
……許してくれるの？本当に？うん、他に別の人を吸いたいというのもない。ありがとう、ほんとに！ありがとうございます！！
もう一生懸けて大事にする。ほんとに！
それじゃあご飯たべよっ。それで明日何したいかっていうの考えよ？
後、あのご飯食べたら、もう一回……いい？……今度は優しくするから。

・台本（ゆるボイ！）
同棲してる人が血を吸ってきた
https://twitter.com/yuru_voi

・台本制作者
森峰