（ノック音）
「兄さん？入ってもいい？、、、返事ないから入るよ！」
（扉を開ける音）
「あぁイヤホンしてたのね。そんなにびっくりした顔しないでよ。別に襲いに来た訳じゃないんだから。
　どうしたの？って、、、ちょっと話したいことがあって。
　いや、あのね、、、。なかなか言い出しづらいんだけど、誰にもいわないでよ！絶対よ！
　この間の体育祭でさ、クラスTシャツって作ったじゃない。
　ううん、私のじゃなくて兄さんの。
　あれってさ、サッカーチームのユニフォームが元々のデザインでしょ。何が言いたいの？って、
　最後まで聞いて！今、勇気だそうとしてるから！
　あのさ、兄さんの背ネームが入ってるやつ。
　もし、兄さんがよかったらでいいんだけど、、、あれ、私に譲ってよ。
　あのデザインかっこいいじゃない。海外でもはやってるみたいだし、
　それが安く手に入るならいいかなってだけで、
　別に兄さんの背ネームが欲しいとかそういう訳じゃないんだけどね。
（あのデザイン～だけど　ね。までの台詞は、照れ隠しするように早口で）
　じゃあ、このTシャツを君に。って、兄さん、金のペン持って何するの！？
　え！？サイン入れた！？もーー。かっこいいデザインが台無しじゃん（少しうれしそうに）。
　じゃあ、これ持ってくからね！全く、どうして妹に意地悪しようとするのかなぁいつも。
　次はノックしてから入って来いって、今回もノックしましたー！
　じゃあまた、夕飯の時呼ぶから。じゃあね！」
（扉を閉める音）
「兄さん、、、またイヤホンしてるよね、、、、。
　兄さんの名前が入った服、、、しかもサインまで、、、。ちょっと着てみよ！
　いや、待てよ。その前にもう少し眺めてみよ。
　うーん。これ洗濯しちゃったら、サイン消えちゃうのかな、、、。
　今日だけ、いや今だけ着てみよ。よいしょ！
　意外と大きいサイズなのね。体大きい、、、。
　あっ！ちょっと、首のあたり匂いが残ってる、、。
　もう私のなんだもん。何したっていいもんね！（匂いを嗅ぐ）
　兄さんの匂い、、、。
　お母さんが最初、兄さんを紹介したときから、兄さんの匂いは変わってない。
　小さいときはよく抱っこしてくれたけど、今はあんまりだよね。
　そりゃそうだよ。私だって大きくなったもん。
　でも、、、私まだ子供だよ。兄さん。甘えさせてよ。兄さん、、、、、。
　改めて見ると、兄さんのサインって珍しいかも、、、そりゃそうだよね。
　だって芸能人じゃないんだもん（ちょっと笑って）
　でも、今も昔も変わらないよ。
　困ったときは、いつも助けてくれるし。よく遊んでくれるし。
　わがままだって聞いてくれる。大好きだよ。
　兄さん。最後にもう一回、Tシャツ抱っこするね。
　ぎゅー。大好きだよ。」
　　

・台本（ゆるボイ！）
「兄さんのTシャツが欲しい妹ちゃん。」
https://twitter.com/yuru_voi

・台本制作者
ファームちゃん