余命僅か。
長年、交際を続けてきた彼との最期のシーン。

//SE 病室の戸を開ける音

あ、いらっしゃい

今日も来てくれたんだね

忙しいのに、いつもごめんね

あっ……謝るのはもうやめようって、昨日話したばっかりだったよね

うん、ありがとう……

それ、お見舞い？

いつもの果物……じゃないみたいだけど……

え？

……お見舞いでもあるけど、ちょっと違う……？

なぁに？

この箱……開けてもいいのかな……？

…

バラの……花……？

これって……

プロ……ポーズ……？

そんな……あなたは私の身体のこと、一番よく知ってるはずじゃない……

あなたと居られる時間、もうそんなにないんだよ……？

それなのに、どうして……

こんなの、受け取れないよ……

だって、私はあなたのこと、幸せに出来ない……

こんなものを受け取ってしまったら、あなたの中にずっと私が残っちゃう……

あなたの未来にある幸せを……きっと邪魔してしまう……

…

私は、あなたの想いを受け取ることはできません

ワガママだけれど……あなたの幸せが私の幸せだから……

それでも、ありがとう……

こんな私を大切に想ってくれた気持ちは、人生で一番の幸せだったよ

だから……最後にあと一回だけ、謝らせて欲しいな

ごめんね

叶うなら、あなたとずっと一緒に居たかった……

でも私はこれからどんどん身体が弱っていって……

そんな姿をあなたに見て欲しくないんだ

だから、ここにはもう来ないで欲しい

ここで、お別れ

私のことは忘れて欲しい、なんて言わないけれど……

私に囚われずに生きて欲しい

…

最後に……キス……してもいいかな……？

（キスを交わす）

……これで、さよなら……だね

ほら、涙、拭いて……？

あれ……？

変……なの……

私も涙、止まんないよ……

やっぱり私、あなたのこと大好きだったんだ……

ありがとう

死んでも愛してる

//終

・台本（ゆるボイ！）
【病弱彼女】私とあなたの最期の想い
https://x.com/yuru_voi

・台本制作者
須栗プト