あなたは旅をしていると突然女性に話しかけられた。
あなたはどうやら童帝と呼ばれる力を隠し持っているようだ。
彼女曰くその能力は危険な代物らしい。
そんな私を見て、彼女は親身に相談に乗ってくれるようだが…

あなたが…世界を滅ぼす力を持った童帝ですか…

すみません、急にお声がけしてしまいました。
私はこの付近に住んでいる魔法使いの者です。
突然外からとてつもない魔力を感じ取ったので思わず家から飛び出して来てしまいました。
そしたらその魔力はどうやらあなたから漂っているようでしたので、
こうして声をかけさせて頂いた次第です。
身の上話はこの辺にして、本題に戻りましょう。
その、あなたが伝説に聞く童帝と呼ばれるお方でしょうか？
あら…？もしかして童帝をご存知ないのですか？
ええ、聞き間違いではありません、ど・う・て・い、です。
「わらべ」に「みかど」って書いて、童帝と読みます。
お心当たりはありませんか？

そうですか、人違いでしたか。
ですがあなたから童帝の力を感じるのです。
まさか…あなたは魔法使いの血を受け継いでいて…‼︎
そんな、本人の自覚もないまま童帝の力を野放しにしていては世界が…‼︎

こほん。申し訳ありません。
私としたことが取り乱してしまいました。
そうですね、まずは童帝とは何か、についてお話ししましょうか。
童帝とは太古の昔に存在していたとされる果実…
我々が俗にチェリーと呼ぶ果実を食して生きていた人々、及びその末裔の事を指します。
彼らは高い魔法適正と豊富な魔力を持ち豊かに暮らしていたそうなのですが…
一族は何故か子孫に恵まれず、次第にその数を減らしていき、今では歴史として語り継がれるだけの存在となっている…はずでした。
しかし、今でもその血を受け継いだ者が稀にその能力を発現すると聞きます。
恐らく、あなたの祖先の誰かが童帝であり、
その能力がたまたまあなたに発現した…そう考えられます。

怖がらずに聞いてほしいのですが…
はっきり言って童帝の能力はとても危険です。
その恐ろしさを知らずに力を振るえばたちまち世界は焦土と化し、滅びてしまう…
さらに、その力を放置して年を重ねると、
具体的には生まれてから30程度の年月が流れてしまうと力はさらに強大化し、
もはや自分でも制御できなくなってしまう…
そう言い伝えられています。
ですが安心してください。
私は魔法学にも精通しているので、きっとあなたの力になれるはずです。
童帝の力を和らげ使いこなすためにはたしか…そう！
異性の方にその魔力を分け与えれば良いのです。
私も詳しい理由は分からないのですが…
多くの女性の方と交流やふれあいを通して魔力を分け与えることで童帝の力がその人に馴染み、使いこなせるようになると言われています。
さらに言えば女性の肌に直接触れたり口付けをすると効果が高まるとも伝わっています。
その、もし宜しければ…私で試してみませんか？
個人的にも童帝の力がどれほどのものなのか、魔力を渡されたらどんな感覚になるのか…
などなど、色々と気になるので。
!!宜しいのですか？
ありがとうございます！
それでは早速…私の唇に口付けをお願いしますね。
んっ…

// リップ音

どうですか？
お身体に変化はありませんか？
なるほど…感じたことが無いような脱力感と脳が痺れる様な感覚、それに体が思うように動かない…ですか。
それはそうでしょうね、だって…


今の口付けは私の神経操作の魔法、ですもの。


強大な力を奪うにはやはりまずは拘束から、ですね。
簡単に騙されてくれて助かりましたよ。
こんな千載一遇のチャンス、逃すものですか。
この力があればなんだってできそう…うふふふふ。
あら？ようやく気がついたんですか？
そう、初めから私の目的はあなたから童帝の力を奪う事。
そのためには、あなたの力が暴走すると言う危険因子は取り除かなければなりませんから。

うふふ、少しばかり気付くのが遅かったようですね。
ですが、もう少しこのままでいてもらいますよ。
確か文献によれば童帝の力を完全に奪い取るためにはかなりの時間がかかる大掛かりな術式が必要なのですよ。
なんでも周囲の目が届かない密室で、異性が2人、肌と肌と重ね合わせて一晩を明かさなければならないんだとか。
そのためにも、まずは私の家に来て頂きますよ。
そしてじっくり、時間をかけて、あなたから童帝を奪い、そして魔力を吸い尽くして差し上げます。
覚悟しててくださいね？

・台本（ゆるボイ！）
ヤンデレ魔法使いに騙されて童帝(童貞)の力を奪われる
https://twitter.com/yuru_voi

・台本制作者
えとのわーる(Stella)