突然やってきた知り合いの少女。
どうやらケーキを作りすぎてしまっておすそ分けに来たようだ。
さて、いただくとするか…
あれ？体が熱くてふわふわする…

// チャイム

ごめんくださーい。

// 扉あける音

あれ？君がお出迎えなんて珍しいね。
ひょっとして今家にいるのは君1人なのかな？
ふーん。そうなんだ。

// 心の声、もしくは小声で

よし、これならお薬と称して食べさせれば襲ってもらえる！

え？ううん。なんでもない。
今日はね、君にスポンジケーキのおすそ分けを持ってきたよ。
最初は自分の分だけって思って作り始めたんだけど、
ちょっと作りすぎちゃって。
捨てるのも勿体無いから君にも食べて欲しいな。
それでね、今回は色々と工夫して作ったからぜひ生の感想を聞いてみたいなって思ってるんだけど…
家に上がってもいいかな？
‼︎やった！ありがと。
それじゃあお邪魔します。
準備してくるからちょっとキッチン借りるね。

// 聞き手に聞かれてない前提で

ちょっとつまみ食い…あむっ。
…よし、この味なら出しても大丈夫。
あとは紅茶も淹れて…っと。

お待たせー。
はいこれ、君の分。
それとこっちも。
普段から紅茶も自分で淹れてるんだ。
ケーキとよく合うような味付けにしたから一緒に飲んでみて。

って、ちょっと。君ってばがっつき過ぎ。
ケーキも紅茶も逃げないんだからゆっくりでいいんだよ？
それとも…そんなに美味しかった？
たくさん食べてくれるって事はそれだけ美味しいと思ってるって事でもあるから、
私にとっては嬉しい限りだね。
ってそうこうしてるうちにもう食べ終わっちゃったの？

どうだった？美味しかった？
え？美味しかったけど身体がふわふわするって？
それに身体の芯から熱くなったように感じる？
そっかそっか。
んー…多分それで正常だと思うよ？
だって…

ケーキの中に媚薬、仕込んだもの。

最近君との絡みが少なくて危機感を抱いてたんだよね。
普段は自分から声をかけない君が、だよ？
私以外の人に話しかけたりとか私との予定を断ったりとかするなんておかしくない？
それで私は思ったんだ。
君がこのまま他人との交流が多くなって積極的に話しかけにいくような人になったら…
いつか私を置いて別の人を好きになるんじゃないか、ってそう思ったらちょっと怖くなっちゃった。
だからこうしてケーキで君の事を釣って媚薬を仕込んで…既成事実を作ろうって考えたの。
どう？そろそろ媚薬が身体中に回って…
熱さとムラムラとが我慢できないんじゃない？
いいんだよ？私を押し倒しても。
あなたの事が好きで、欲しくて、押し倒されるのを今か今かと待ち望んでいる1人の少女がここにいるよ？
君の理性のたがを飛ばす絶好のチャンスだよ？いいの？
それにね、私も同じもの食べたんだよ。
つまり…私もそろそろ限界なの。
あんまり遅いと私の方から襲っちゃうよ？
と言うか…私がもう我慢できそうにないの、ごめんね。

// 女性側が上になって押したおす

にひひ、押し倒しちゃった。
もし…もしも君が私との既成事実を拒否したいなら、いますぐに私を突き飛ばしくれていいよ。
…と言っても、君にも同じ媚薬が入ってるんだから、拒否できる訳ないか。
あ、そうそう。私ね、焦らすのが趣味なんだー。
だから、こうして押し倒しはしたけど、しばらくはこのまま何もしないよ？
でも君が悪いんだからね。
わざわざ媚薬で心も体もとろとろにしてあげたのに、そこまでしても全然押し倒してくれないんだもん。
これはご褒美でもあるけど、ある面では拷問なんだからね？だから、我慢。
わぁ…その切なそうな表情…いい…
そんな顔見てるともっと焦らしてあげたくなっちゃう…けど
もう私がしたくてしたくてたまらなくなってきちゃった。
だから…スタートのタイミングは君に任せてあげる。
「もう我慢できません、襲ってください」って言えたらわたしからしてあげる。それまではお預け、ね？

ってちょっと！言うの早すぎ！
そんなに我慢するの限界だったの？
仕方ないなぁ。
それじゃあ、私から…手始めにキス、するね。

// リップ音出さずに
あーーー、んっ！

はい、ここまででお芝居はおしまい！
ほんと、君ってばすぐに騙されちゃうんだから。
正直見てて割と滑稽だった。
あれ？まだ何が何だかわかってない？
それじゃあ答え合わせ。
実はね…ケーキに媚薬入れてたって言うのは、嘘なの。
それっぽい気分に仕立て上げれば君の方から襲ってくれるんじゃないか、
って思ったけど…ダメだったね。
結局私の方から押し倒しちゃったし。

最近あんまり絡んでくれなかったから…ちょっとやきもち焼いてこんな事しちゃった。ごめんね。
あ、別に絡んでくれなくても忙しいのかなとしか思わないし、他の人を彼女にしても私はちゃんと祝福してあげるよ。確かにちょっと寂しいけど。
ん？さっき身体に起きた異変はなんだったのか、って？
あぁ、あれはね、ケーキにはアルコールを入れたし、紅茶には焙煎しょうがを使ってたから…かな？
ちょっと大人っぽい雰囲気を出したくてアルコールはわざとあんまり飛ばさないように作ったんだ。
それに、しょうが茶は飲むと身体の芯からあったまるからね。
その２つを合わせれば媚薬に近い感じになるかなって。
どう？ドキドキしてくれた？
それじゃあイタズラも済んだし私はこれくらいにして、帰るね〜。
それじゃ…えっ！？

// 男性が女性を押したおす

ちょっ！一体どうしたの！？
今度は君から押し倒すなんて。
え？待って。さっきので本当に興奮しちゃったの？
ちょっと、ストップー！
私自身の心の準備ができてないってばー！

・台本（ゆるボイ！）
恋人未満な友達に飲まされたものは媚薬ではなく…？
https://twitter.com/yuru_voi

・台本制作者
えとのわーる(Stella)