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高身長の幼馴染が俺の真意に気がついて歩み寄ってくれた
written by 松平蒼太郎
  • 告白
  • 片思い
  • 学生
  • 同級生
  • 幼なじみ
  • 慰め
  • 励まし
  • 高身長
公開日2021年12月25日 21:42 更新日2021年12月25日 21:42
文字数
2227文字(約 7分26秒)
推奨音声形式
指定なし
推奨演者性別
女性演者向け
演者人数
1 人
演者役柄
幼馴染
視聴者役柄
幼馴染
場所
通学路
本編
ねぇ、今日も生徒指導室に呼び出されてたの?

まぁなって…今度は何があったの?

制服の着方と髪の色が悪いから呼び出された?

それ、直せばいいのに。なんで直さないの?

…相変わらず何も教えてくれないんだ。

幼馴染のわたしにも言えないこと?

えっ……あっ、ちょっと待ってよ!どこ行くの⁉︎



もぅ…急にどこかに行こうとするんだから…

え………なんで…なんでそんなこと言うの?

君のこと、ほっとけるわけないよ…!

それは……だって、やっぱり幼馴染だし…

え、あ……ち、ちが…!そ、そんなこと…!

待って…待ってってば!ねぇ!



(おかしいな…彼、最近どうしちゃったんだろう…)

(ううん、最近じゃなくてもっと前からああなってたような…いつから…)

あ…お姉さん。こんにちは。

はい、お久しぶりです…

あ、えっとその、実は弟さんのことで…



…っていう感じなんですけど。

はい…たしかに最近、素行が悪くなったというか、不良然としてきたというか…

そう、ですよね…

彼がああなった理由、わたしが自分で気づかなきゃダメですよね…

え……ヒント、ですか?

はい…わたし、見ての通り身長高くて、昔からよくいじめられてて…

それでよく彼に庇ってもらってました。

彼の方がわたしより小さいのに…

その小さな背中に守られてきて…

はい。今は全然いじめられたりはしてません。

むしろ友達もそれなりにできてきたっていうか……

あ……もしかして…!

はい…!ありがとうございます!

わたし、彼のところに行ってきます!失礼します!



はぁはぁ……こんなところにいた。

うん、君に用事がある。とっても大切な用事が。

えっと…何から話せばいいんだろ…

ま、待って!

お願いだから……わたしから逃げないで!

うん、逃げてる。

君はわたしから逃げてる。臆病者だよ。

(胸ぐらをつかまれる)

うっ……何をそんなに怖がってるの?

中高って進学するにつれて、君、だんだん不良みたいなことし始めたよね?

小学校の頃はそんなでもなかったのに…

でも分かったんだ。

さっき、君のお姉さんにヒントをもらったおかげで。

わたし、昔はよくいじめられてたの、覚えてる?

そう。この身長のせいで、デカブツとか木偶の棒とか巨人とか言われてた。

辛かったけど、その度に君が庇ってくれた。

ううん、ちゃんと覚えてる。

「俺の友達を悪くいうな!」って、わたしをいじめてた子に殴りかかってた。

そのせいで生傷も絶えなかったんだけど…

ううん、今はそのことは置いといて…

えっと…それでね、なんて言えばいいんだろ…

わたし、昔から君に守られてたんだよね。

それで君は今もわたしのこと、守ってくれてる。

気のせいじゃない!ホントに分かったんだってば!

昔は君の方が友達多かったのに、今はわたしの方が多い。

君の素行が……ううん、見た目が悪くなっていくにつれて、君の周りからは人が減っていった。

逆にわたしの周りには友達が増えていって…

周りからよく言われるんだ。

「なんであんなヤンキーと関わってるの?やめた方がいいよ」って。

君はこうなること、分かってたんでしょ?

君が不良になるにつれて、君と幼馴染のわたしは同情されるようになる。

そうすれば、わたしがデカいっていじめられることは無くなるもんね?

違う?じゃあ何?

俺はチビだから舐められないようにするためだって…

嘘つき。わたしから問い詰められた時に用意してた答えでしょ、それ。

ふざけてない。わたしは最初から真面目だよ。

…ッ、いい加減にして…!もう誤魔化さないでよ…!

お姉さん、言ってたよ。

最近の君は一人でなんとなく寂しそうだって。

家での口数も減ってるって聞いた。

あと、昔はわたし以外の友達を連れてきてたのに、最近は全然連れてこなくなったって。

一人でいる方が一匹狼っぽくてカッコいいからって…

もうやめて…やめてったら…

寂しそうな顔して強がるのはやめてよ!!!

ホントは寂しいんでしょ⁉︎誰かと一緒にいたいんでしょ⁉︎

寂しい時くらい、寂しいって言えばいいじゃん!

わたし、君のことちゃんと受け止めるから!

幼馴染だからとか、同情してるからとかじゃない!

わたしが……君のことが、好きだから!

好きだよ!昔からずっと!

君がわたしのこと、ずっと大切に思ってくれてるのが分かったから!

今だって、わたしが外で辛い思いをしないように、たった一人で頑張ってくれてるし…!

でも嫌だよ…!こんなの嫌だ…!

君が寂しい思いをしてるのに、わたしだけのほほんとしてるなんて…そんなのできない!

わたし、今全然幸せじゃないよ…

…ッ、当たり前だよ!だって君がそばに居ないんだもん!

いじめられなくなっても、君が近くに居てくれないんじゃ意味ないよ…!

うん…君の気持ちはすごく嬉しい。

だけど、君がだんだんわたしから遠ざかっていくのは耐えられない…!

わたし、君ともっと一緒にいたい!

君のこと、もっとちゃんと理解して寄り添ってあげたい!

だからお願い…

もうわたしから離れようとしないで…!

…ッ、そんなこと気にしなくていい!

チビだからとかヤンキーだからとか、そんなのどうでもいい!

わたしは君のことが好き…!ただそれだけだから…!

え………うん、いいよ。おいで。

ううん、全然カッコ悪くない。

むしろ、君の方から来てくれて嬉しい。

(ハグする)

本当に、ありがとう…

わたしのこと、いつも助けてくれて…

わたしも君の助けになりたいから……

うん…泣きたいだけ泣いていいから……

よしよし…頑張ったね、えらいね…

ううん、告白の返事は後でいいよ。

ずっと、待ってるから。

君の気持ちがわたしに向くまで、ずっと。

あ、でも待つだけじゃダメだね。

君のこと、ちゃんと自分で振り向かせないと。

うん。幼馴染としてだけじゃなくて、一人の女の子として見てもらえるように頑張る。

君もわたしのこと、近くでちゃんと見ててね…?
クレジット
・台本(ゆるボイ!)
高身長の幼馴染が俺の真意に気がついて歩み寄ってくれた
https://twitter.com/yuru_voi

・台本制作者
松平蒼太郎
ライター情報
マツダイラソウタロウ
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