【駅前】

あれ？貴方…アイツの友達？

へー、貴方もアイツに呼ばれたんだ。

…って、なんで呼び出した張本人がいないのよ。

ん？ええ、そうよ。

あたしはアイツの幼馴染…ってか腐れ縁ね。

いつもアイツが世話になってるわね。

アイツの友達やんの、大変でしょ？

そんな遠慮しなくていいわよ。

アイツ変態だからさ…

「おっぱいは大きさではない！形だ！」なんて言い出すし…

そ。クラスでおっぱい談義してんでしょ？あのバカ…

あんな奴が幼馴染だなんて思われたくないわよ、まったく…

ん、まぁいい奴ではあるんだけどね…

へー…アイツ、そんなことしてたんだ。なんか意外。

クラスの女子にいいカッコ見せたかったってだけかもしれないけどね、それ。

あ、そうなの？下心的なのは割となさそうだったんだ…

貴方、アイツのことよく見てるわね。

アイツも良い友達持ったじゃない。

こんな良い友達待たせて何やって…

(LINE受信)

ん？……は？別の用事入ったから、二人だけで映画楽しんできてくれって、何それ⁉︎

あ、そっちにもきた？アイツから？

はぁ…もっと前もって言いなさいよ、あのバカ…

ん、まぁホントに急用が入ったのかもしれないけど…

こうなった以上、仕方ないわね。

あたしとで悪いんだけど、行く？映画。

アイツからチケットは預かってるし。

オッケ、決まりね。それじゃ、行きましょ。



【映画館】

結構面白かったわね。

あたし、あんまりアクションものとか興味なかったんだけど、あれだけ迫力あるやつなら、全然観てもいいかも。

へぇ、そうなんだ。

休みの日によく観てんだ、アイツと。

…なによ。あたしだって誘ってくれたらよかったのに…あのバカ。

あぁ、気にしなくていいわよ。こっちの話。

この後どうする？どっかでお茶でもする？

ん、いいわよ。

じゃ、どっか適当にカフェでも入りましょ。



【喫茶店】

そういえば貴方って、どうやってアイツと知り合ったの？

え……あ、そうなんだ…

うん、ごめん。正直ちょっと引いた。

貴方も変態だったのね…紳士そうなのに。

まぁ類は友を呼ぶって言うし…そんなもんよね、うん。

へ？……あ、あたしは変態じゃないわよ！

たしかに腐れ縁だけど！アイツと一緒にしないで！

へっ…？あ、あっ！ちょ、それは！

あ、貴方の気のせいじゃないの⁉︎

そんな映画館の中で貴方の匂いなんて嗅ぐわけ…！

(隣に座られる)

え、ちょ！……だ、だからあたしは匂いフェチじゃないってば！

ぐっ…！そのグイグイくる感じ…やっぱり貴方、アイツの友達ね…！

じゃ、じゃあちょっとだけ…

(匂いを嗅ぐ)

い、意外といい匂い…どことなくアイツと似てるし…

あっ、ちょっと！離れていいとは言ってないでしょ⁉︎

も、もうちょっとだけ堪能させなさいよ…

ここのコーヒー、奢ってあげるから…

(匂いを嗅ぐ)

ん、なに？

へっ…？あ、あたしが⁉︎アイツを⁉︎

そ、そんなわけないでしょ！バカじゃないの⁉︎

ただの腐れ縁だし！

異性として好きとかありえないから！あんな変態！

は？…ちょ、ちょっと待って！

今日会ったばかりの貴方とそういう関係になるのは、早すぎるっていうか…！

いや…アイツのことは好きじゃなくもなくもなくもないような…

貴方ねぇ〜！人をからかって楽しんでたでしょ！バカ！

ふん…じゃあこの後アイツへのプレゼント選び、手伝ってもらうわよ。

そ、アイツもうすぐ誕生日だから。

手伝ってくれたら、許してあげる。

オッケ。じゃあチャチャっと買い物済ませちゃいましょ。



【帰り道】

とりあえず買うものは買えたわね。

ありがと。貴方がいてくれて助かった。

アイツの最近の好み、把握してくれてたしね。

うん…アイツとはクラス別々になってから、ちょっと疎遠(そえん)になったし…

え？……そうね、今度は3人で遊びに行きましょ。

貴方ともなんだかんだ、一緒に過ごしてて楽しかったし。

なんで貴方がアイツの友達なのかも分かった気がする。

なんとなく雰囲気似てるしね。アイツと貴方。

ふふっ、なによそれ…

貴方は幼馴染じゃなくて、腐れ縁の友達。

今日会ったばっかなんだから、幼馴染になれるわけないでしょ。

調子いいとこも似てんだから…

(LINE受信)

あれ？アイツから……

は？今日の夜会いたいって…はああっ⁉︎

な、なんで急に…最近何も言ってこなかったのに…

なに？そのしてやったりの顔…

貴方…最初からこうなることが分かって…！

べっ、別に照れてないし！勘違いしないで！

…でもありがと。その、頑張ってくる…

また今度お礼させてもらうから。

うん、それじゃあまたね。

・台本（ゆるボイ！）
なぜか親友の幼馴染とデートすることになった
https://twitter.com/yuru_voi

・台本制作者
松平蒼太郎