隣の部屋に住んでいる小学生の女の子が一人で生活していることに気がついたあなた。
そんな彼女を気にして声をかけてみると…

(アパートの廊下で)

あ、おはようございます…！

今、両親が旅行中なので、これからゴミ捨てに行くところです。

…多分、大丈夫ですよ。お気遣いありがとうございます。



(インターホンの音)

…はーい。　(扉を開ける音)

あ、こんにちは…！…何かご用ですか？

…お裾分け？わ、肉じゃがだ…！

ありがとうございます！お昼にいただきますね。

夜もですか…！？いえ、悪いですよ…！

そこまでしていただかなくても大丈夫ですから…！

…？どうかしましたか？

…部屋から変な臭い…？…あっ！まさか…！！

……はぁ、魚、焦げた………

…あっ、すみません……お見苦しいところを……

あまり、料理とかしないので……

だ、大丈夫ですって！！

すぐそこにコンビニとかスーパーありますし…！！

は、はぁ…そんなに言うなら……

……ありがとうございます。(照れながら)

…お家あがってもいいんですか？

確かに…一人じゃちょっと……心細い、ですね。

…ありがとうございます。



(あなたの部屋到着)

…お邪魔しまーす。

……あっ、わざわざありがとうございます。

…紅茶、よく飲まれるんですか？

…好きそうだから、って……ああ、なるほど。

お兄さん、もしかして………

ボクのこと、女の子だと思ってました？

ははっ、すみません……騙してしまったようで……

あぁ、いえ。決して罰ゲームとかではありませんよ。

両親の着せ替え人形になっているわけでもありません。

…ボクの、個人的な趣味なんです。

こういう、可愛らしい服に身を包まれている感覚……といいますか。

それが好きなんです。

…かわいい、ですか？へへ、ありがとうございます。

…まぁ、両親はこの趣味をあまり良く思っていないようですが…

…そんなことより、お昼、食べましょ！

せっかくの肉じゃがが冷めちゃいますよ！

…いただきまーす。…ん、美味しい…！！

料理、お上手ですね…！羨ましい……

…えっ、今度作り方教えてくれるんですか…！？

ありがとうございます！

…ごちそうさまでした。とても美味しかったです！

…じゃあ、そろそろ帰りますね。

…今日の夜もまた来てほしい？

え、夕ご飯までいただいちゃっていいんですか…？

…じゃあ、お言葉に甘えて…夜、また来ますね。



(夜)

(インターホンの音)

…こんばんは。約束通り、来ました。お邪魔しまーす…

…ご飯、これから作るんですか？

…ご飯の前にやることがある？

…プレゼント？ボクに…！？いやいや……えぇ？

急にどうしたんですか…？

…開けてみろ、って……わ、わかりましたよ……

…うわ、これ、ボクが好きなブランドのワンピースじゃないですか…！！

…こんなお高いもの、受け取れませんよ…！！

…お願い？これをボクにくれる代わりに、お兄さんからお願いがあるんですか…？

…確かに、このワンピース……めちゃくちゃ欲しいけど…

…わかりました。ボクに出来ることなら……

…このワンピースを着て、タメ口で耳かきしてほしい？

そ、それだけでいいんですか？

…わかりました。じゃあ、着替えてきますね……

ちょっと待っててください。



…お待たせしました。どうですか？

…似合ってますか？よかったです…！

じゃ…じゃあ、早速……こっち、きて。膝枕してあげる。

…大丈夫？ボクの太もも、固くない？

…よかった。じゃあ、右耳からお掃除していくね。



かりかりかりかり……

痛くない？大丈夫？…よかった。

痛かったら我慢しないでちゃんと言ってね。



…ねぇ、一つ、聞きたいことがあるんだけどさ。

…どうして、このワンピースをボクにプレゼントしよう、って思ったの？

…このワンピースを着ているボクを想像したら、すごく可愛かったから…？

えっ、ちょ……やめてくださいよ…！恥ずかしいから…っ

…でも、ありがと。そんなこと、誰にも言われたことないから……嬉しいな。

このワンピースの好きなところ？

襟が丸くて大きいところとか、フリルがいっぱい付いているところとか……

あと、色が淡い水色なところも好き…！！

…うん、すっごく嬉しい！ありがと。大切にするね。



…あのさ。さっき、両親はボクが女の子の格好をしていることに対して、あまり良く思っていない、って言ったじゃん…？

だから…お兄さんがボクの趣味を知ってる、ってこと…秘密にしてくれないかな？

…もし、知られたら……きっと、ボクが集めてきた洋服、みんな捨てられちゃうから……

…このワンピースも。

…え？く、口止めと引き換えに追加注文…？

…お兄ちゃんの言う事なら何でも聞く従順な弟になってほしい…！？

な、何でもって……本当に「何でも」なんですか…？…そっ…か……

…うーん……やる！やります！

だって……やらなきゃ、ばらされちゃうんでしょ……？

…えぇ…それ、どうしても言わなきゃ、だめ…？

……んー、…わかったよ…

(耳かき中断)

…お兄ちゃんのためなら…ボク、何でもするよ？(囁き声)

……へんたい。(恥ずかしそうに)

(耳かき再開)



…はい。右耳、終わったよ。

じゃあ、左耳もお掃除するから、反対側、向いてくれる？

…ありがと。お兄ちゃん。じゃあ、始めるね。



…ねぇ、お兄ちゃんは彼女とか、いるの？

…あ、いないんだ。ふーん……

…え、いや……お兄ちゃん、イケメンだからモテそうだなーって思って…

…ボク？ボクはいないよ、だって……

…ううん、やっぱ何でもない。気にしないで。



…お兄ちゃん、もしかして眠い？

…そっか。いつでも寝ていいからね。

…ご飯？あ、そっか。夕ご飯ごちそうになりに来たの忘れてた。

んー…今ならまだスーパー開いてるし、ボクが何か買ってくるよ。

何食べたい？…お寿司？おっけー。

ボクが好きなの選んでいい？へへ、やったー。



…ねぇ、お兄ちゃん。

またこうやって耳かきしに来ていい？

…ボクの女装好きを受け入れてくれたの、お兄ちゃんが初めてだから、もっと仲良くなりたいなって思って。

…いつでも来ていい？ほんと？へへ、ありがと。



…はい、左耳終わったよ。

…お兄ちゃん、寝ちゃったのか……

……ほんとに寝てるよね。起きてないよね。

…………(耳元に近づく)

ボクが彼女を作ってないのは、お兄ちゃんがだーいすきだからだよ。(囁き声)

これからも、仲良くしようね。お兄ちゃん♡(囁き声)

・台本（ゆるボイ！）
隣の部屋に住んでいる女装癖のあるショタと仲良くなる
https://twitter.com/yuru_voi

・台本制作者
黒龍クレア