（インターホンの音）

はーい。

ああ、担当者さんですか。今ドア開けるので待っててください。

（ドアを開ける音）

こんにちは、担当者さん。

原稿を取りに来たんですよね。

もうちょっとで仕上げが終わるので、原稿出来上がるまで私の部屋の中で待っててください。

一人暮らしの女性の家に入るのは流石に良くない？

もぉ、そんなこと気にしなくてもいいですよ。

もう何年も一緒に仕事してきた関係なので、担当者さんのこと信頼しているんで。

それとも、もしかして担当者さんはいやらしいことでも考えていたんですか？
（煽るように）
そうなら担当者さん、スケベですね。

ちょっ、そんなに怒らないでくださいよ〜。冗談ですって。

ささ、どうぞ入ってください。

ちょっと通販のダンボールで部屋の中散らかっていますけど…

そこのこたつに入っててください。

どうぞ、紅茶とクッキーです。このクッキー私の手作りなんです。お味の方はいかがでしょう？

美味しい？ありがとうございます。

もって食べたいくらいだ、ですか…

フフッ、また今度作ってあげますよ。
（小さな声で）
私の手作りは担当者さんだけが食べれるんですから。

いえ、何もありません。

そういえば、原稿の仕上げまだでしたね。すぐに終わらして来ますね。
（間）
はい、これ今週分の原稿です。

今週は100話目なのでいつもより長めに書かないといけなかったのでギリギリでしたね。

それにしても、自分の漫画がこんなに長く連載されるとは全くもって意外です。

こんなにこの漫画が続いているのも担当者さんがずっと私のこと支えてくれるからです。これからもよろしくおねがいしますね。

ん？そのことで話がある？何でしょうか？

は。来週から担当者が変わる？

そんな…。

担当者さんは次、誰を担当するんですか？

あ、あの若手の女性漫画家を…

私をヒットさせた担当者として社内から期待されていて、新人がヒット出来るように社内命令で担当が変えられた...

嫌、嫌だ！

私じゃない女の漫画家を担当するなんて許せない！

させない…、絶対にさせない…

担当者さん、私の寝室に来てください。
（低い声で）
いいから来いって。
（ガチな声で）
もし、来ないと言うなら警察に担当者さんに襲われたって通報しますよ。

そんなことされたら担当者さん、人気女性漫画家を襲った性犯罪者として、社会から居場所なくなってしまいますね。

そんなことになりたくなかったら、私の言うことに従ってくださいね。

では、入ってください。

そこに立っていてください。
（押し倒し音）
ヘヘ…担当者さんの事押し倒しちゃいました…

すーはー、すーはー。

はぁ〜、担当者さんの匂いとてもいいです…。

ずっとこうしたかったんです…。

私が新人だった頃、スランプになって漫画が描けなくなって落ち込んでいる時に担当者さんが励ましてくれて、そのおかげでスランプを乗り越えることができたんです。

そして、その時から担当者さんに対して恋愛感情を持ち初めました。

でも、自分の気持ちを伝えたら、担当者さんの迷惑になると思ってずっと言えなかったんですが、それによって愛情がどんどん強くなってしまったんです。

担当者さんのせいですよ？私をこ〜んなにおかしくしちゃったのは。

責任取ってくれますよね？

あ、そうだ。今日から担当者さんのこと監禁しちゃいますね。私のものである担当者さんを他の女に見せるわけにはいかないので。

担当者さんにはお仕事を辞めてもらって、私に養われてもらいます。私の稼ぎなら担当者さんのこと贅沢させてあげられますよ。

ここで二人でドロドロに愛し合いましょ？

担当者さん。もとい、私の旦那さん♡

・台本（ゆるボイ！）
担当していた人気女性漫画家に担当変更を伝えると、、、
https://twitter.com/yuru_voi

・台本制作者
raimu