＝＝主人公が駅から出てくる。
　　駅の改札をくぐって、出口から出て家に向かおうと歩く。
　　五時。今日は会社が急遽早めに退勤となった。
　　あたりはまだ少し明るくて、帰る人も多いうえに、学生さんもいる。

　　ふいに誰かに肩をたたかれた。後ろを向く。

ばぁ～～！

びっくりした？
びっくりした顔したからびっくりしたな！
うんうんん、わかるよ
僕みたいにイケメン可愛い人が後ろに突然いたらびっくりするよね！

…なんでそんな変な顔してるの！
もう！

お仕事いま帰り？
おつかれさまだよぅ～

僕もちょうど今からおうち帰ってるところなんだ！

なんでついてくるの…って…
いや、だって僕んち君の家と方向一緒だからね！？
おうち帰ってるところって今言ったじゃん～！

にしても、この時間は人多いね～
都会の駅の近くだからっていうのもあるけど…

ちょっとー！
ちゃんと離れないようにしてね！

え！？
僕じゃなくて君が！

まぁおうちの道だし別に離れちゃっても迷子の心配はないんだけど…

一緒に帰りたいという友達のささやかな願いでしょ！
今日はたまたま会えたんだから運がいいってことで！
ほら、一緒に帰るよ！

今日はお仕事どうだった？
前に上司が大変だ～って言ってたじゃん

うん、うん…うん…
そっかそっか…

今、すごく頑張ってるんだね

我慢もできて偉いなぁ…

僕だったら文句言われたら顔面パンチしてたかも！
シュシュッ…パンチー！って

それは怒られちゃうか！
クビはやだね！

でも本当に今日もお疲れ様
いつも頑張ってるのわかるよ
話聞いてたらそれくらいわかる

君の顔見て、ものすごく大変だったなってわかるし

それでも今こうやって今日も働いて
ちゃんと自分で歩いておうち帰ってるの本当にすごい！偉い！

えへへ…言ってる僕も恥ずかしくなってきちゃった！
恥ずかしくなったので退散します！

道、僕あっちだから！
じゃぁここでー！
またね！

・台本（ゆるボイ！）
駅でバッタリ出会った女の子と一緒に帰る
https://x.com/yuru_voi

・台本制作者
秋音ふみゃまる