魔王様、勇者を捕まえてきました。

勇者は私のこと気づいてくれませんでした。けどやっとこのときが来たんですね！

魔王様には感謝してもしきれません！

それでは勇者のところへ行ってきますね。

コツコツコツ（足音）

ガチャン（扉が開く音）

ごめんね、こんな汚い地下牢に手錠までつけて拘束しちゃって。

なんで謝るって？・・・まだ気づかないの？私だよ私。

も～しょうがないな～こう呼べば分かるかな、お兄ちゃん♡

やっと気づいてくれた～忘れるなんて酷いよお兄ちゃん！

寂しかったよ。ぎゅー。お兄ちゃんの匂いだ～懐かしい♡

何でここにいるって？今はそんなことどうでもいいじゃん。

こうやって久しぶりに会えたんだからいろいろ話そうよ！

お兄ちゃんは私がいない間ちゃんとご飯食べてた？野菜もちゃんと食べてた？

お兄ちゃんはいつも野菜残してお母さんに怒られてたもんね～（笑）

そんなのいいからどうしてここにいるのか教えろ？・・・わかった、話してあげる。

私たちの生まれ育った村って人が少なくて子供は私たち二人しかいなかったね。

毎日遊んでたよね～それぞれ家が違うけどそのうちお兄ちゃんって呼ぶようになって。

あのときは幸せだったな～。そのとき約束したこと覚えてる？

そうだよね、覚えてるわけないよね。あのときお兄ちゃんは「俺が側にずっといてやる。将来結婚しよう」って

私は凄く嬉しかった♡お兄ちゃんのことが大好きだったから。

なのにお兄ちゃんは約束を破り、勇者になって離れていった。

私の両親は私を悲しませないとお兄ちゃんは病気で家で寝込んでる。病気がうつったらお兄ちゃん悲しむからしばらくは会わないでねって言われて我慢した。

けどある日、お兄ちゃんが勇者になって魔王を倒しに行ったことを知り、同時に両親が嘘をついてたことも知ったんだ。

私は両親を殺した。包丁でお腹をなんどもなんどもなんどもなんども！刺したんだ・・。

両親が嘘をつかなければお兄ちゃんをすぐ追いかけて離れ離れにならなかったかもしれなかった。私とお兄ちゃんを引き離そうとしたんだよ！そんなの許せるわけないよね。

両親を殺した私はたくさん泣いたよ。お兄ちゃんと会えなくて。けどそのとき魔王様が来てくれてお兄ちゃんに会わせるのを手伝ってやるかわりに魔王軍に入れって言われて嬉しかった。

それで私は魔王様にお力をいただいたの！魔王様にいただいたこの力でお兄ちゃんを捕まえて今こうして会えてる。

ねぇお兄ちゃん、私今でもお兄ちゃんのこと大好きだよ♡お兄ちゃんの言うことなら何でも聞くよ♡えっちなことでもお兄ちゃんとならいいよ♡だからお兄ちゃんは魔王軍に入って魔王様が支配する世界で私と結婚して一緒に暮らそ♡（耳元で囁き）

嫌だ？俺は魔王を倒す？・・・何言ってるのお兄ちゃん？てかなんでお兄ちゃんは私を置いて勇者になったの？なんでなんでなんでなんでなんで？あ、もしかして魔王様を倒したら王国のお姫様と結婚できるからとかじゃないよね？・・・もしかして図星？

え？なんで？お兄ちゃんは私のこと好きじゃないの？なんでなんでアハ、ア、アハ、アハハハハハハハハけどもう無理だね。お兄ちゃんに見せようと持ってきておいたんだ～。はいこれ、何か分かる？お姫様の生首。もしかしてお兄ちゃんがこのゴミと結婚したくてとか考えてたら・・・そう思ったらいても立ってもいられなくて殺しておいたんだ～（笑）

このゴミ女！死ね！死ね！！死ね！！！（顔面を蹴る音）

あ、顔面ぐちゃぐちゃになっちゃった～（笑）キモッ。

こういうことだからもうお兄ちゃんが勇者をやる理由無くなったね。

今ならまだ許してあげるよ。だから魔王軍に入って私と結婚して一緒に暮らそ？♡

それより魔王を一緒に倒そう？・・・分かったいいよ。魔王を一緒に倒そう！

今手錠を外してあげるね。

スパンッ！（両手首が切れる音）

これでお兄ちゃんは自由だね！両手首なくなっちゃったけどね～（笑）

ねぇ痛い？痛い？私が魔王様を裏切るわけないじゃん。

お兄ちゃんはもう昔のお兄ちゃんじゃないんだね。ならもういいや。

お兄ちゃんの死体さえあれば私はそれでもいいから。

じゃあねお兄ちゃん♡

ってなに？魔王軍に入るし結婚して一緒に暮らしたい？

なんだ～なら早く言ってよ～お兄ちゃん大好き！ぎゅー♡

もうお兄ちゃん逃がさないからね♡私がお兄ちゃんを幸せにしてあげる♡

あ、もし嘘だったら（耳元で怖く囁き）・・・やっぱいいや。お兄ちゃんは嘘つかないもんね♡

あのときの約束叶えよっか♡

・台本（ゆるボイ！）
敵の女幹部に捕まった勇者（ヤンデレ編）
https://twitter.com/yuru_voi

・台本制作者
上条ケロ