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竜に告白したら、涙が止まらなくなった
written by 空上新奇
  • 切ない
  • 告白
  • 人外 / モンスター
公開日2022年08月08日 17:29 更新日2022年08月08日 17:29
文字数
1714文字(約 5分43秒)
推奨音声形式
バイノーラル
推奨演者性別
女性演者向け
演者人数
1 人
演者役柄
視聴者役柄
一般人
場所
竜の住処
あらすじ
竜に恋をしてしまったあなた。

竜に何度も断られながらも会い続けた、そんなある日……
本編
やぁ、少年

ふふ、そうだ、まだ君の名は呼んでやらないよ

そうしてやるほど、君は大きくないからね

さて、また何の用かな?

人間の君が、竜の私に会いに来た理由は?

ふふ、そうか、会いたいから、か

恋を間違えてはいけないよ

まぁ、男の君、女の私、間違えてはいないが……

それはいずれ、狂気へと変わるものだから

ふふ、なに照れているんだい?

君のその顔は嫌いじゃないが……

でも、もっとしっかりしてくれないと困るな

あぁもう、そんな顔をするなよ

追い返したいわけではないんだからさ

私も君と共にいるのは悪くないと思っている

けれど、種族の違いというのは……

はぁ、そんなの関係ないって顔だね

君は言って聞かせてもわからないんだろうから、私が拒絶し続けるしかないんだろうね

いいかな、私は君と愛し合う気はないよ

友としてなら受け入れるが……それ以上でも、それ以下でもない

ずるいかい?

あぁ、人間よりも賢い私は、ずるいんだ

さぁ、今日はどんな風に友達として接してくれるのかな?

//場面転換

ん?

また来たんだね

君も懲りないね、そんな花を集めてきて

私は喜ばないよ

第一、それは命を刈り取ってきたのも同じ

私に植物の死体を捧げて、喜ばれるとでも?

……ふふ、そう悲しげにしないでくれ

まぁ、半分は冗談だ

あぁ、でないと私は生き物を殺して食うことができなくなるからな

私だって生きるために必要な分は殺して食うさ

だから、その気持ちだけ受け……いいや、受け取れないな

ふふ、どうせその花に込めた願いは、私を異性として意識したものだろう?

全く……

だから、花だけは受け取ろう、気持ちは……捨ててしまいなさい

きっと、それは君を蝕むだろうから

……その様子だと、捨てる気にはなれないんだね

まぁ、私にこうして拒絶されていれば、すぐに興味もなくなるよ

さて、今日は友人として、私にどんな話を聞かせてくれるのかな?

//場面転換

やぁ

ふふ、すまないね、いつもは綺麗にしているのだけど

今日は別のお客さんが来たんだ

まぁ、態度が気に入らなかったから追い返したけどね

私だって、見ず知らずの誰かに命をくれてやるほど愚かじゃないさ

まぁ、親しい君になら、私の死体に触る権利は与えよう

ん? なんだい、そんな顔をして

今にも泣きそうじゃないか

あははおかしい顔をしているね

人間が私を殺したがっているのは、人間である君は知っているはずだが

……変な気を起こすなよ

君は人間、そして人の世に生きる人の子

傷ついた私に涙するのではなく、私に殺された兵士たちを憐れむんだ

……と言ったところで、君は聞くような人間じゃないんだろうね

いいかい、よく聞くんだ

君はもう私に会いに来てはいけない

もちろん、愛することも今すぐやめろ

友人として会うのはこれが最後だ

//低音有声囁き
次にここに来たら、お前を殺す

さ、私が人に仇なす竜になる前に、君はここから逃げるんだ

……そして、幸せになってくれ

//場面転換

…………

…………

き、君か……

ふふ……ここに来たら、殺す、と、言ったはずだが……?

まぁ、そんな力は、もう私にはないが……

どうだ……幸せに、なれたかい……?

私抜きでは、無理だと……?

はぁ……

全く、君はバカだな……

ふふ……

なら……最期だから……私から話をしてあげよう

幾百年前から孤独な、一匹の、メスの竜がいたんだ

ずっとずっと孤独な、仲間にも相手にされない、一匹の竜

だけどそこに、愚かにも近づいてきた一人の人間の少年がいた

なんど追い払ってもここへ来て、なんど拒んでも愛を叫び続ける一人の少年

当然、メスの竜も恋に落ちずにはいられなかった

けれどそれを受け入れるには、絶望を覚悟しなきゃならない

寿命が、違うからね……

ふふ……

そして竜は拒み続けた

竜は、結局死んでしまった

少年は、どうなっただろうか……

……どうかな、オチはないけれど

…………はぁ

そうだよ、私もずっと前から、君を愛していたんだよ

けれど、その愛に私は答えてあげられない

竜がいかに高貴な種族でも、人間に愛は与えられないんだ

ふふ……すまないね

ほら、泣かないでおくれ

そうやっていつも君は……私に欲しいものをくれるんだね

……生まれ変われたら、人間に生まれ変われたら……

ううん、そのとき君は、人間で言うとお爺ちゃんだろうね

だから、私のことは気にせず幸せになりなさい

さぁ、いって……いくんだ

ほら、涙を拭いて……君はまだ、生きられるんだから…………

…………大好きだったよ

できれば……私が頑固じゃなければ、結ばれたのかもな……

そうだよ、私は……ずるい、んだ……はは……

…………
クレジット
・台本(ゆるボイ!)
竜に告白したら、涙が止まらなくなった
https://twitter.com/yuru_voi

・台本制作者
空上新奇
ライター情報
アイコン:すなば様(@sunaba3721)

ジャンルは男性向け(あるいは百合)であればなんでも書けます。
主にヤンデレが好きです。ので、フリー台本主にヤンデレが中心の作品投稿になるかなと思います。

台本使用された回数、まさかの1400本越え(業界1)!それに60万回再生の方もいらっしゃいます!
御愛顧いただき、ありがとうございます!

今までにいくつかフリー台本をYouTubeにてご使用いただいています!
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