自分に自信のある王子様系女子が、好きな子に振られてズタボロになる話です。聞き手の性格がかなり悪い設定です。

やぁ、相変わらず屋上で読書？
好きだよね、風に当たるの
ん？ぼく？
いやぁ、子猫ちゃんたちに昼食に誘われてたんだけど、流石に全員とお話しするのが無理な人数が来ちゃってね
一部の子だけがぼくを独占するなんてよくないでしょ？
だから、平等を期すために逃げてきちゃった♪
まぁ正直？毎日王子様やってると疲れちゃうしね〜、たまの息抜きってやつも兼ねてさ〜
屋上はあんまり人が来ないし…
それに、君がいるからね
そうだよ、君目当てで来たの
とゆーわけで、隣、いいかな？
ふふ、ありがとう
まぁ、ぼくみたいないい女と相席できるんだ
断る理由がないよね
ん？どうしたんだい急に笑ったりして
はぁ？ぼくが自信過剰？
ちょっ、こいつ〜、生意気だぞ〜
ぼくは確かに自信家だけど、それは確かな根拠に支えられたものなんだよ
そんじょそこらの女がぼくみたいなこと言ってたらそりゃあ痛々しい自信過剰な奴ってなるけど
ぼくに限っては正当な自己評価なのさ
あぁ〜、また笑う〜
はぁ、ま、いいや
僕にフランクに冗談言ってくる子なんて、君ぐらいだしね
ねぇねぇ、ところで今読んでる本、どんなジャンル？
へ〜、ミステリーかぁ、意外だな
うん、意外
君って雰囲気的に、小説より詩集とか読んでそうなイメージあるからさ
うん、なんていうのかな？マイペースな不思議くんっていうか
森の妖精？みたいな？
褒めてる褒めてる
わざわざ屋上まで会いに来て馬鹿にするってどんなやつだよ
ぼくはツンデレ系じゃないからね〜
ん？じゃあ何かって…ま、あえていうなら王子様系かなぁ〜
ありゃ、耳元で言ってあげたのに無反応
子猫ちゃんたちだったら顔真っ赤にしてビクビク震えちゃってるのにな〜
え〜？別にいいじゃん
僕は優れた人間なんだから、そうじゃない人間をからかって遊ぶのは当然の権利だよ
女の子ってさ、恋に夢見てるくせに現実の男の生々しさには耐えられない〜、みたいな子が多いじゃん？
だから僕が生々しさのない完璧な王子様を見せてあげてるってわけ
だってそれができちゃうから！凄いよね？僕は女も男も超越しちゃってるんだよ
その上でみんなを楽しませるサービス精神まで持ち合わせてる
ふっふーん！まさにノブレスオブリージュ！
うえー、またそういうこと言う〜
最低女じゃありませーん、超慈悲深い完璧王子でーす
っははは、あーあ、ほんとズケズケ言うよなぁ
でも、それが楽しい
ん？そうだよ
君との会話は子猫ちゃんたちで遊ぶよりもずっと楽しい
ほら、僕にキャーキャー言ってる子猫ちゃん達って…ちょっとおバカなところがあるじゃない？
やっぱり対等に話せる相手が欲しいんだよね
またまた〜！そんなこと言って本当は君も嬉しいくせに〜
はいはい、そーゆーことにしといてあげまーす
…っと
あー、ところで、さ
あの、実は今日は…ただダベリに来たわけじゃない…んだよね
うん、まぁダベリにも来てはいるんだけど…それとは別口に君に用があるって言うか…
あ、あのさ、ちょっとだけ自分語りっていうか
君に聞いて欲しいことがあるから、黙って聞いててくれる？
いや早速茶々いれるなって
…本当大事な話だから
その…自慢じゃないけどさ
ぼくは容姿も優れているし、勉学にもスポーツにも優れているでしょう？
それに、いろんな女の子と遊んでいるから、恋人をエスコートする作法だってちゃんと身についてる
客観的に見て非の打ち所がないし、恋人に困るなんてこと、絶対にありえない
そう、あり得ないんだよ
僕がちょっと声をかければ、大抵の子はイチコロで、相手なんてよりどりみどり！
…なんだけどさ
その上で…その上でだよ
あの…君と…恋人になりたい
君が好きだ
いつもマイペースで、僕とちゃんと話してくれて、王子様以外の僕を見ようとしてくれる、そんな君が好き
…だからさ、僕と付き合って欲しい
いい、よね
ほ、ほんとうに
うれし…え、え？
えーっと、あの
ちょっとごめん
君が超悪質なジョークを言っているか僕の完璧な耳がバグってしまったかのどちらかなんだと思うんだけど…
や、やだって言った？
あ、いや、そ、そうだよね
そんなこというわ…言ったんだ
え…いや…ちょっと…理解できないないんだけど
は？僕の…僕の一体何が不満なんだよ
完全完璧な僕の、一体何が
ちょ、笑うなよ
今笑うとこじゃないじゃん
なんで、僕が見たかったのは…僕の告白に喜ぶ君の笑顔で
そんな…馬鹿にするような笑顔じゃ
ずっと楽しみにしてたって…え？君、僕の好意に気づいてたの…？…告白してくるのを…待ってたって
じゃ、じゃあずっと…僕のこと振るつもりで…内心僕のこと馬鹿にしてたの？
え…嫌いだった…？僕の…自信満々なところが？ずっと…僕のプライド…壊したかったって…
その…ために…僕と友達に…なってたの…？
うそ…だって…君ずっと優しかったじゃん！
王子様じゃない僕のこと、受け入れて…くれてるって
本当は…僕…わかってたよ…僕がすこしだけ嫌な奴だって…だから…みんなの前では完璧王子やって…
でも…君は僕のいやなところも…受け入れてくれてるって…う…うええ…うええええん
ひぐっ…やだぁ…やだよ…君とお話しできなくなるなんて…やだぁ…馬鹿にされてたってわかっても…うえ…まだ君が好きなんだよぉ…やだ…行かないで…ひっく…好き…好き…君が嫌だって言ったところ…直すから…君好みの僕になるから…やだよぉ…君と…君と恋人になれないなんて…お願いだから…僕のこと好きになってよ…
…え？恋人じゃなくて…奴隷ならいい…？
今までの態度改めて…卑屈な奴隷女になったらそばに置いてくれるの？
うん！なる！僕、君の奴隷になる！
君のいうことは全部聞くし、君のために尽くすから…！
だから…そばに居させて
…はい、…はい！ありがとうございます！ありがとうございます！僕は今日からあなたの奴隷です
わ、わかりました
ど…土下座して、あなたの言うこと…復唱します
し、失礼します…
はい、僕は顔がいいだけで中身空っぽな馬鹿女です
はい、僕は調子こいて周りを見下してたくせに君に馬鹿にされてたのも気づかなかった間抜け女です
はい、僕は今まで王子様ぶってたくせに好きな人に振られただけで自分の今まで全部捨てるような恥知らず女です
もう二度と自分が完璧だなんて思いません
二度とプライドなんて持ちません
一生かけてお仕えしますから…絶対、捨てないでください

・台本（ゆるボイ！）
傲慢王子様系女子の告白断ったら奴隷堕ちした件
https://twitter.com/yuru_voi

・台本制作者
闇兎チニソム