あなたは高度な感情を持つロボットです

そんなあなたを作り出した科学者は、あなたの愛が自分へ向いていないことに怒っています

なので、一つづつプログラムを書き換え、高笑いしちゃうんです

あははははは！　お前が少しずつ私を愛していくのがわかってウレシイヨォ！
さ、次はどこを書き換えてやろうかなぁ？

おい

コーヒー

ん

……なぁ、私になにか言うことはないか？

何もヒットしませんって……

はぁ、プログラムミスってるかな……

あのさ、君は感情もプログラムした世界最高のロボットなんだよ？

産みの親になにか言うことはないのかな

……産んでくれてありがとうございましたぁ？

まぁ、まぁ、まぁまぁ、それは、まぁ、そうなんだけど……

あー、そっか、私が悪かった

今産みの親って言っちゃったんだもんな、ママかなって勘違いするよな

あ、いや、待った

私、まだ処女なのにママなんて言われるのヤなんだけど……

まぁ、じゃあこう言い換えようか

君は男性を模して作られたロボットなわけだ

ほとんど理想とされる男性に仕上げているわけだ

そうだよ？

君、買い物に行ったときなんかに周囲の目線は気にならなかったかい？

そうだろうそうだろう？　ふふん、君は最高傑作なんだからな

さて、そんなかっこいいし頭もいい君は、ひとつ屋根の下で、なんと女性と暮らしてるわけだ

いいかい？　女性と、だよ？

もしかしてじゃなくて、私だ

ねぇ、愛を囁いてくれないかなぁ？

君には語彙力もインプットしてあるからできるだろう？

私への愛を、さ♪

……へ？　不可能ぉ？

な、なんでだよ

あれ？　もしかしてなんかそういう回路つけてないんだっけ？　おかしいなぁ……

え、できるんじゃあやってよ

は？　いやだから、なんで無理なのよって

……私を、女性としては愛せない？

……え、なんで？　変なフィルタリングでもされてんの？

え、親としては愛せるけど、女性としては、無理……？

へぇー……

あー、そっかぁ、私がバカだったかぁ

バカ真面目にきちんとしたプログラム組んで感情入れ込んだから、私を親として認識してるんだねぇ？

それに親として接してるから、恋愛感情なんて持てない、と……

んふ、ふふふっ

そっか、そっかそっかぁ……

はー、ごめんね？ それは私がバカだったよ、君は悪くない

さ、こっちおいで？　仕方ないけど、一旦電源切ろっか

ちゃんと私を最愛の女性としてプログラムし直してあげるからね

は？　嫌だ？

なんで？　それを拒む理由はないでしょ？

え？　好きな人がもういるぅ？

え……い、意味わかんないんだけど……

ってかそれ誰？　いつ好きになったの？

……ふーん

はぁ、そとに出るのが億劫だからって毎回お使いを頼むのは失敗だったようだねぇ……

声をかけてきた女と恋に落ちるなんて……

ほら、直してあげるからこっちに来い

ほらッ！　こいっつってんだろ！

……言うこと聞かないつもりか？

はぁ……しょうがないなぁ……これはあくまで緊急用なんだけど

じゃあ、少し眠っててね

//場面転換

よーし、これでいいかな

お、やぁ、目が覚めたかな……まぁ電源いれたから当たり前だけど

あぁ、もう動けないよ、関節の駆動系は全部緩めてあるから

ふふ……開発者の私に逆らうロボットなんて……全く、とんだ失敗作だよ

あぁ、そうさ

//低音有声囁き
私を愛せない君は失敗作だ

だけど、まだ救いのある失敗だから安心しなよ♪

すぐに完成品にしてあげるからね♡

ふふ……今から、君の脳ミソ……メモリを少しづついじるよ

そしたら段々私が愛おしくて愛したくなっちゃうからね♡

そして最後に、

//低音有声囁き
恋した女の記憶を消してやる

ふふ、やめろ？

嫌だね

君の所有者は私だ、私が全てに優先される

所有物が勝手に他のところにいくなんておかしい話だろう？

ふふ、それに君には人権なんてないからねぇ

私がどれだけぶっ壊そうがいじくり倒そうが勝手だってことさ

外道？

なんて口をきくんだ……ロボットの分際で！

お前は大人しく私を愛せばいいんだ！

そもそもお前を作ったのも、感情豊かに私を愛するロボット作るためだしな

だから、今の君じゃダメなんだよ

//低音有声囁き
大人しく私のものになれ

さぁて、お喋りはこれくらいにしようか

これから君のプログラムを少しずつ書き換える、その度にデバッグするからな

まずはここ……私に反抗的な口をきけなくしてやる

私に対して言えるのは、愛情のこもった言葉だけ

ふふ……最高だろ？

よし、デバッグ、と

さぁ、君にとって、私は誰かな？

ふふ、言えないよねぇ？

私に暴言、もう言えなくなっちゃったねぇ♪

可哀想……私が

ふふ、顔が歪んでるねぇ？　怖いなぁ、なんで愛を誓いながら怒ってるの？

君、不良品だね

ねぇ、君みたいなの、不良品だって言うんだよ？

愛すべき女性に怒った顔で愛を囁くとか、人間じゃないから

でも安心して！　ちゃんと直してあげるからね♪

次はぁ、表情を直してあげるね

ここかなー、うんうん

よし、デバッグ

さぁ、どうかな？

君が大好きなのは誰かな？

私？

あはっ、あははっ、あははははははっ！

よかったぁ♪

その愛する人に向ける顔、最高だぁ

あはは……私にもやっと春が来た……ロボット、最高……♡

あぁそうだ、危ない危ない

言葉と表情は弄ったけど、まだ心がまだだね

次は、心のそこから愛せるように書き換えてあげる

少しまっててね……よしよし

え？　なんでこんなことをするのか？

うるさい

お前にそんなことを聞く権利はない

だけど、そうだな、これだけは言っておこう

私も君のことが大好きだからだよ♪

今の君にもわかるだろ？

好きな人には、自分を好きになってもらいたいって

だから君をこうしていじくり倒すんだ

間違ってる？

うるさい、黙れ

その口を閉じろ

……まぁ、これからはそんな口もきけなくなるから、いっか

さぁて、よし、できたぞー……

さぁ、生まれ変わるんだ、私のために

……さ、どうかな

ふふ、ふふふっ♪

清々しい気分だろう？　素晴らしい気分だろう？

//甘く無声囁き
愛しい私が目の前にいて、最高に満たされてるだろ？

よし、これで完成……あぁ、危ない危ない

あの女の記憶を消さなければ

さて、今から、君が愛していた女の記録を全部消すが、いいかな？

おぉ、いいんだね？

あはは、これで完成だぁ……♡

それじゃあ、削除、っと

さて、聞こうかな

この写真の女は誰？

データにない？

ふふ、ふふふふふふ……

あぁ、最高の彼氏とはまさに君のことだよ！

私の思いどおり、私のために存在している君こそ！

ふふ、幸せかい？

そうかそうか……

それじゃあ、組み立て直すよ

そしたら、私をぎゅって抱き締めてくれ♡ 大好きって言ってくれ♡

//甘く無声囁き
私に愛してるって言い続けてくれ

ふふ、ふふふふふふ♡

//甘く無声囁き
愛してるよ♪

・台本（ゆるボイ！）
ヤンデレ科学者はロボットの愛がほしいから滅茶苦茶に再設計されて愛を垂れ流すボットにされちゃう
https://twitter.com/yuru_voi

・台本制作者
空上新奇